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- / ISBN・EAN: 4988105058385
感想・レビュー・書評
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"男はつらいよ"第六作。訳ありの若妻との同道から始まる今作、郷愁に誘われて戻った柴又で出会うヒロインもまた、家出をしてきた訳あり女性。寅さんは妹さくらの夫の独立問題にへたに首を突っ込んで大騒ぎも結局は元のさや。初めの暗い昭和感に満ちたエピソードも最後に回収して大団円。
独立問題の寅さんの態度は流石に非難ものだと思うけど、そこを許すのが下町か。寅さんとさくらの別れの場面での"故郷は。。。"は泣ける。柴又というよりも、さくらが寅さんのふるさとなんだろうな。
それにしてもヒロインの寅さんへの好感があまり伝わってこない感じがしてちょっと寂しい。 -
故郷への想い。
父と娘、兄と妹、どちらも泣ける。
医者が後のおいちゃん。 -
キャストへの驚きの連続につい星ひとつ加増。
冒頭部、寅さんの五島への旅路の途中亭主と喧嘩して飛び出したまま故郷へ向かう赤子連れの女として先日2007年約10年ぶりに銀幕に復帰した姿を拝んだばかりの宮本信子が登場。20代後半の頃の彼女がほぼノーメークで影のある女を怪しげに好演。父親役が森繁久彌だったのはついスルーで、これは「小早川家の秋」(1961) でも犯した同じ過ち。この人には終末部ではつい持って行かれてしまった…。
若尾文子氏は溝口作品「赤線地帯」(1956) と小津作品「浮草」(1959) にて当時20代前半の彼女にほだされたっきりで、その後の再会があっという間に71年まで飛ぶことになってしまうとは予想だにせず。ただこの時期での広い範囲の年齢層の男どもがついぽかんと口を開ける妖艶な美女という設定に足るキャスティングであることには違いない。とはいえやはり彼女にはスクリーンで会う度にどこかズキンと痛い。
で、最後の驚きは町医者役で登場した松村達雄氏。後日初代おいちゃん森川信の早逝にともない後続に回る人であることはすぐ気づけたのであるが、この方こそが先日鑑賞したばかりの「解夏」での住職であったことを知った時には…。8作目までのおいちゃんはじっくり楽しませていただくし、9作目からのおいちゃんもじっくり楽しませていただきます…という方針に若干軌道修正。
ふるさとは、遠きにありて想うもの。
身に沁みます… -
珍しくドロドロとした入り方をする。旦那が嫌で家を飛び出した子連れの女がお金を借りたお礼を体で払おうとしていきなり服を脱ぎだしたときはどうなることかと思ったが、以降は割に普段通りなドタバタ劇で一安心。
とらやに下宿している美人な人妻・夕子を意識して念入りに櫛を入れる竜造を見ると「やっぱり親族やなあ」と笑えてくる。
「おいちゃん、俺は二度とこの家に戻って来ねえぞ」と啖呵を切って家を出るも、夕子につられて後戻りするそのあまりの早さ(一秒にも満たないのじゃなかろうか)に唖然。
柴又駅のホーム。電車に乗り込み「故郷ってやつはよぉ、故郷ってやつはよぉ」で言い淀む寅次郎。ドアが閉まり、肝心要の言葉は口の形だけで、さくらの耳には届かない。
源公が寺で働き始める。
さくらが色っぽい。 -
宮本信子&森重久彌とのエピソードは感慨深いが、若尾文子との幕切れはスッキリしない。
「おいちゃん、何考えてんの?」「お前と同じだょ」「不潔だなぁ~、おいちゃんは」のエピソードが好き。 -
第6作。マドンナは若尾文子。
映画のメインは博の独立話。博とタコ社長の双方から相談をうけた寅次郎がそれぞれの説得を安請け合いしたところから騒動に。これがすこぶる面白いのです。終いには「俺、知らねえよ」と言って投げ出す寅次郎に対し「その無責任な言い方はなんだ!」と怒りだすおいちゃん(もちろんこれはおいちゃんの口グセ)。爆笑です。
冒頭の森繁久彌と宮本信子の父子のエピソードもまた味わいがあります。「あんな男のところへ帰りたくない」という娘に対し、「お前が好いた男ならいいところは1つくらいあるんだろ。それを育ててやれなかったお前が悪い」と諭す父親。ここまで味わい深いセリフはなかなかいえない。森繁久彌が渋すぎる。
最後、いつものように寅次郎は失恋して家出するのですが、珍しくさくらとの別れのシーンがじっくり描かれます。これもいいのです。
笑いと涙。それぞれに見所があってバランスがとれています。これは佳作です。 -
2013年7月21日(日)、鑑賞。