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- / ISBN・EAN: 4988105058712
感想・レビュー・書評
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「息子を連れてきたよ。」(寅さん)
いつもと違う寅さんですが、名作です!
初見は学生時代だったように思いますが、生意気な学生時代とは変わり涙腺が思いっきり弱くなっている昨今、わかっちゃいるけど、ぼろぼろぼろ。(笑)
愚者を愛する仏様が宿った寅さんと、亡き極道の親友の息子・秀吉くんとの『母を訪ねて三千里』。そして、最後は『シェーン』。わかっちゃいるけど、やられました!
秀吉くん、いいですねー。いいよー!そして、個人的には秋吉久美子、いいよー!(笑)
数々の寅さん名言集にも注目です。(未見の方はこの下を見ない!(笑))
「どんな人間でも取り柄があって、悲しまれ、惜しまれ、死ぬんだよ。(中略)たった一度の人生をどうしてそう粗末にしちまうんだ?お前は何のために生きてきたんだ?」
「礼を言われるほどのことはねぇよ。名づけ親として当たり前のことをしただけだ。」
「おじさんはな、お前のあのろくでなしの親父の仲間なんだ。(中略)このおじさんのことなんかとっとと忘れて、あのかあちゃんと2人で幸せになるんだ。」
「働くってのはなあ、博みてぃに女房のため、子どものため、額に汗して、真っ黒な手をして働く人のことをいうんだよ。」
「生まれてきて良かったなあと思うことがあるじゃない。そのために生きているんじゃないかな。」
「俺たちのような人間がな、声を掛けちゃ迷惑なんだ。」「そうか。○○が秀の父親か。いいだろう。あいつだったらいいだろう。」
寅さんのテーマ曲とともに余韻が大きく残るラストです。 -
"男はつらいよ"第39作。死んだ父に寅さんに頼れと言われてとらやにやってきた的屋仲間の息子。昔に家を出た母親を探して寅さんと二人で旅に出る。そして子供の旅先での急病をきっかけに偶然知り合った女性と疑似夫婦な感じを味わう寅さん。三人での生活もまんざらではないと夢を描くが。。。
子供の母親探しがメインだったり、疑似夫婦生活もどこか静かな感じだったりと、全体のトーンにはノスタルジーや切なさを感じる。柴又に帰ってきてからも珍しく、自分たちのやっていることは堅気の言う"仕事"とは違うと自嘲気味に語ったり、満男との生きる意味談義、幸せになった子供たちを遠めに見送るラストなども、とてもセンチメンタル。 -
寅さんに子どもがいた!? 死んだテキ屋仲間の子どもの母を探す為に寅さんが子連れで旅に出る。
寅さんが母と子の再会に尽力する何とも切ない話。話としてはいいし、秀吉役の子役もいい。
最後の寅さんと満男との会話で寅さんが生きる意味を「たまに生きててよかったって思える時があるんだよ。その時の為に生きてるんだ」って言うシーンもすごぶるいい。
ただ、マドンナの存在感が少なすぎる。やっぱり寅さんは恋がもっと見たいわけよ。 -
「寅の子」騒動、パートII 。
本作で重要な役どころを演じる子役の伊藤祐一郎という子、根拠のない自説に基づけば山田監督なりの小津作品で有名な子役、突貫小僧のオマージュだろう。芸達者度は彼には到底及ばないものの、声も出さずに大人に付いていくその風貌は小津作品「出来ごころ」(1933) で坂本武の後を付いていくその子そのものだ。
イッセー尾形、秋吉久美子の関西弁はむずがゆさが残るものの笹野高史のそれがあまりにも自然だったのでおや?と思いつつ彼の出身地をつい調べてしまった。兵庫県というのはいつか聞いたことがあったような気もしたが、それが淡路島であるという想像力まではなかった。まぁ、先代関西設定マドンナである松坂慶子が似たような調子で及第点をもらえてなかったので、山田監督はその辺あまりこだわらない人であるということは知っていたし気になり度も低かったが、とはいえ今回もきちんと脇に正司敏江なんかの玄人を挟んでいてそのあたりの穴埋めがうまい。(ちなみについたどってみると彼女の師匠、正司歌江の姉妹お二人、照枝と花江は前述の松坂慶子登場の第27作、浪花の恋の寅次郎に出演歴あり。)そして当時の新喜劇での原哲男の貴重な映像もちょっとしたスパイスとしてそこに。
今回は子役に焦点があたっていることもあり、マドンナとのからみもあっさり目。旅の合間の刹那に芽生えたちょっとした夢物語といったところか。近鉄で結ばれる紀伊半島三県の美しい自然もかなりの見どころ。
さぁていよいよラスト10。泣いても笑ってもあと10作。心して楽しませていただきましょう。 -
秀吉を母ちゃんに引き合わせるのに躍起になるのは、きっと自分のキツイ再会体験があるからだ。たまたま観た第二作が見事な伏線となっている。途中、大阪の安宿に登場する女中はどことなく寅次郎の実母(みやこ蝶々)を思わせる。「たんが切れへんわ」の連続には笑った。
満男「寅さんに会ってがっかりしたんだろ?」
秀吉少年「うん」
満男「でも見かけほど悪い人じゃないんだぞ。俺買ってるんだ、あの人」
恐ろしい会話してますなあ(汗)。
旅立ち前の柴又駅で寅に「なんのために人は生きてるんだろう?」と尋ねる満男。「生きてて良かったなと思えるときがあるからさ」と体よく答える寅。満男はなんだか騙されているような気がしながらも一応納得して家路につく。一方寅次郎は旅の空でもなお、満男に言われた「なんのために人は生きてるのか?」について思い悩んでいる。そこに通りかかるのが秀吉と再婚した両親。幸せそうな三人の姿を陰からそっと眺めながら、なんとも満足げな表情の寅次郎。質問への答えを目の当たりにしたところで物語も一件落着。さあ、満男編の始まり。(追記:まだ二作品残ってた。どちらもあまり好きじゃない。毎夏冬の公開が決まっていて、ここから一気に満男編に行くわけにもいかず、良く言えば時間を稼いでくれた二作、悪く取れば完全なる駄作)。 -
暴力を振るう父親から逃れるように旅に出た寅さんの夢から始まる親子の物語。寅さんのテキ屋仲間で、飲んだくれのDV男から息子をおいて出て行った母親(五月みどり)を、とらやにやってきた息子とともに寅さんが探して回るという話。和歌山から奈良県の吉野、そして鳥羽の賢島と転々とする。寅さんではじめて泣いた。親子の対面モノには弱い。出川哲朗やイッセー尾形、笹野高史はまた出てきた。熱を出した息子を看病する中で距離を縮めたマドンナの秋吉久美子とのなれそめそのものは自然だけどいかんせん年齢差がありすぎ。
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てておや
いい回だった。寅らしくなく、寅次郎が一度も外さない。まさにダンディズムの極み。秋吉久美子も可愛くて、最初からとうさん、かあさんと呼び合うのも素敵。
いいですねぇ、なんて素敵なレビューでしょう!
もう一度観たい!いや、何度でも観たい!そんな気にさせます。
寅...
いいですねぇ、なんて素敵なレビューでしょう!
もう一度観たい!いや、何度でも観たい!そんな気にさせます。
寅さんの名言、もうどれも心に染みます。
柴又に帰るたびに喧嘩しては「婿は黙ってろ!」と博さんに口を挟ませない寅さんの、【働くってのはなぁ・・】で、私も泣きました。
さぁ~、私も今夜観ようっと!ありがとうございました。
こちらこそ、nejidonさんに改めてご紹介いただかなければ、またまじまじと観てみようと思わなかったかもし...
こちらこそ、nejidonさんに改めてご紹介いただかなければ、またまじまじと観てみようと思わなかったかもしれません。どうもありがとうございました!m(_ _)m
今回は寅さんの心に染みる名言が多かったように思いますがいかがでしょう?
秀吉くんの父の般若の政、秋吉久美子さんの役、そして、寅さんの行き方を振り返り、人はどうして生きているのか?というのが本編を流れる裏テーマでありましたが、これが数々の名言に結びついたのでしょうね。
あと、満男篇の予兆のようなシーンもいくつか出てきますね。何気に美保純の演技も良かったように思いました。
今宵ご覧になられるということで、存分にお楽しみください。(^o^)