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- / ISBN・EAN: 4988142692320
感想・レビュー・書評
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製作が1976年、この年に作られたってのに大きな意味がある作品。結局アカデミー賞はアメリカン・ドリームの復興と謳う『ロッキー』の手に渡ってしまったんだけど、『ネットワーク』こそ真なる傑作だと思うわけです。
そりゃ『ロッキー』はスゴいです。ただしその後繰り返し続編が制作されたように、どの時代にでも作れた作品なわけで、それを70年代後半にヒットさせたのがスゴかった。辛酸を舐め回すだけのニューシネマには、飽きていたのかもしれない。
それに反して、『ネットワーク』はどうだろう。当時のテレビそのものの現象に潜む本質を内部からあぶり出し、リアルだが同時にドラマティックな作品に仕上げられている。あの時代、ニューシネマとやらが生産され、あくまで遠回しに、西部劇やら戦争映画を擬似的なものに抑え、現実を皮肉ってきたわけで、ここまで痛烈なメッセージを直接的に訴えるものはなかったのではないか、と思う。『ロッキー』を引き合いに出すのは、この作品の良さを語るうえでは、必要ないのかもしれないが、それぐらい『ネットワーク』の秀逸さに感銘を受けたわけです。
ハワードの怒りは、当時の大衆そのものの怒りで、ハワードを神と称し宗教的熱狂がうまれるとの同時に、裏で操るダイアナらや、ただ流されるがままのマックスも、当時の大衆そのもの。わたしたちは踊らされている、というメッセージとともに、実はわたしたちは勝手に踊っているのだよ、と皮肉しているのも良い。ダイアナの存在がとても良くて、仕事はできるが、いかにも嫌な女、あげくの果てに「君が触れるものは全て死ぬ」と言われてしまう。しかし、次の日には飄々と仕事をこなし、視聴率を獲るためには手段を選ばない。そんな女をフェイ・ダナウェイが演じるってのが、これまた良い。
個人の精神がどんどん死んで行くアメリカを、テレビという枠組みを通して描写する。もしかして映画もそうであったかのように。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とにかく強烈な「怒り」の発露。メディアの暗黒面について色あせない批判性がある。
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「私は妻なのよ 愛していなくても敬意ぐらい払って欲しい」
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(1976年作品)
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パソコンのネットワークかと思ったら違った。 テレビね。
35年も前の映画だった。 -
興味深いストーリーだな~と思っていけたけど、想像していた展開とは違った。
途中で眠くなっちゃった^^; -
視聴率低迷中のニュース番組をどうにかするため、放送中にI am as mad as hell, and I'm not going to take this anymore! と叫びどいつもこいつもウソつきばかりだが自分だけは「真実」を語ると愚痴を並べてしまいには失神してしまう精神を病んだ老いたキャスターを登用すると、若年層を中心に視聴率が爆発的に上昇し、政治的な影響も与えるようになる…。絵付きラジオにも昔はこんな力があったという点で面白かった。