歩いても歩いても [DVD]

監督 : 是枝裕和 
出演 : 阿部寛  夏川結衣  YOU  高橋和也 
  • バンダイビジュアル (2009年1月23日発売)
3.89
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  • (3)
本棚登録 : 1181
レビュー : 246
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4934569632746

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭の大根や人参の皮を剥いたり、
    料理を作る
    手だけを映した場面を観ただけで

    「ああ〜この映画
    俺好きになるなぁ〜」

    って感じたんやけど、
    案の定予感的中でした(笑)



    子供たちが走り回り
    お父さんがおどけ、
    樹木希林とYOUの漫才のような絶妙なやりとりで

    ああ言えばこう言う(笑)
    台所での何気ない家族の風景に
    安心感と安らぎを覚えるのは

    やはり自分が
    日本人だからなのかな。
    (特にYOUと樹木希林の会話は演技してる感0で、
    本物の親子にしか見えません笑)



    トウモロコシのかき揚げを
    みんなで頬張るシーンは
    生つばゴクリだし、

    夏の終わりの田舎町の情景、
    縁側が見える畳の間での昼寝や、
    庭でのスイカ割り、
    家族揃っての記念撮影、
    父親との確執、
    姑と嫁の目には見えない攻防(笑)
    孫とおばあちゃんの会話など

    誰もの記憶に眠る
    あるあるネタのオンパレードに
    自然と頬も緩んで、

    この家族と同じ食卓に
    自分もまた参加して
    寛いでいる気分になってしまうから
    なんとも不思議です(笑)



    また是枝監督は
    子供たちの
    素な表情を撮るのが上手いこと上手いこと。


    何にも起こらない
    ある家族の
    とある一日を描いた、
    ただそれだけの話なのに
    どうしてこれだけ
    惹きつけられるんだろう。



    「俺が働いて建てたのに
    なぜおばあちゃんちなんだ!」
    と孫たちの何気ない一言にボヤく
    原田芳雄扮するおじいちゃんが
    なんとも可愛いのです(笑)


    娘の子供たちには厳しいのに
    血の繋がらない息子の嫁の連れ子である
    ちょっとクールな男の子には
    優しく話しかけたりするところは
    なぜか馬が合うってやつなのかな(笑)




    15年前の出来のいい長男の死を
    今もまだ引きずってる親たち。


    樹木希林がこっそり聴く
    「ブルーライトヨコハマ」が象徴する
    あたたかいだけではない
    家族だからこその
    執着を伴った「怖さ」と、

    それぞれが抱える
    家族にも言えない
    ひそやかな秘密。


    綺麗事だけで
    家族を描いてないところが
    本当にリアリティがあって
    少し恐ろしくなったし、

    人間の弱さや脆さを隠さない演出に
    心揺さぶられました。



    「人生は、いつも
    ちょっとだけ間にあわない」



    だからこそ後悔なきよう、
    伝えたい想いは
    残さず伝えていかなくちゃ。


    言えなかった言葉に
    あとの人生
    押し潰されないよう。

    • まろんさん
      「人生は、いつもちょっとだけ間に合わない」
      。。。胸に沁みる言葉ですね。
      間に合わなかったいろんなことを思い起こしてしまいました。

      是枝監...
      「人生は、いつもちょっとだけ間に合わない」
      。。。胸に沁みる言葉ですね。
      間に合わなかったいろんなことを思い起こしてしまいました。

      是枝監督に、原田芳雄に樹木希林、そして子供たち、と
      これはもう、観ずにはいられない映画ですね!

      いつどうなるかわからない人生の残り時間、
      私も伝えたい想いは、恥ずかしがらず、出し惜しみせず
      ちゃんと伝えていかなくちゃ、と
      円軌道の外さんらしいレビューに励まされました(*^_^*)
      2012/12/04
    • 円軌道の外さん

      まろんさん、ここにもコメント
      ありがとうございます!

      まろんさんの
      言う通りです(^O^)


      自分は阪神淡路大震災...

      まろんさん、ここにもコメント
      ありがとうございます!

      まろんさんの
      言う通りです(^O^)


      自分は阪神淡路大震災で沢山の仲間を失ってます。

      みんな今ある命は
      無限だって思って生きてるけど、
      本当は
      限られたもので
      いつ消えるか分からない危ういものなんですよね☆


      人間はいつか死ぬということを
      どこかで思っておかないと
      今伝えなきゃって
      なかなかなれないと思います。


      明日どうなるか
      分からないから
      今日会うみんなに
      精一杯の感謝を伝える。


      それが本来
      『一期一会』の意味やと思うし♪


      ボクサーという職業も
      いつ死ぬか分からない危険と隣り合わせやから
      生きてる今、
      今日を常に全力で
      伝えていきたいって
      俺は思うんですよね。


      間に合わなかったっていう悔しい思いは
      そう何度も
      味わいたくはないっスもんね(笑)


      2012/12/05
  • チクチクと傷つく感じが生々しい。帰省するのが心底嫌になる映画。
    でも底の方に温かいものが流れてる。人間讃歌的で好き。

  • 家族って、ときどき面倒くさい。

    家族だから許せること、言えること、あるけど、
    家族だから許せないこと、言えないこともある。

    お盆に家族が集まる、2日間を背景に、描かれる「家族」。
    笑えるけど、その裏には、怖い感情がうごめいていたりして。どこか、不思議な距離感を持っている。

    実家のごはん、台所、縁側。
    別に全部いっしょなわけじゃないのにね。なんでか、懐かしい。
    お盆に、みんなが集まる感じだとか、ごはんと食べ物がいっぱい次々とでてくる感じだとか、のんびりした午後だとか。

    初めは5人だったのが、4人になって、
    それからまた新しい家族ができて、
    形がどんどんかわっていって、
    歩くスピードも、距離も、かわっていくのだろう。
    そんなことが丁寧に描かれていた。

    淡々として、ゆっくり流れていく中で、
    ひとつひとつの言葉や、シーンが積み重なって、
    家族の内面や、かたちが見えてくる。

    こんなふうに日常のなにげないことから、
    家族を描く是枝監督。すばらしい作品だと思います!

    やさしい涙が流れる作品。
    じーんときて、緑がにじむ!

    ***

    2008.08.05

  • 本当に 歩いても歩いても…の世界観を感じる あるお盆の日常風景を切り取った感じの映画でした

    監督 是枝裕和
    家族の情景を鋭くとらえ、しんみりと描いたホームドラマ。15年前に死んだ兄と比較されて育ち、実家に居心地の悪さを抱いている男を阿部寛がユーモアと悲哀を込めて演じる。そのほか、夏川結衣、樹木希林、原田芳雄などが家族にふんし、家族の何でもない会話や日常を絶妙な間合いで表現する。怖いくらいリアルであるけど…。

    あらすじ
    夏のある日、横山良多(阿部寛)は妻のゆかり(夏川結衣)と息子のあつし(田中祥平)とともに実家に帰省した。この日は、15年前に他界した兄の命日。しかし、失業していることを口に出せない良多にとって、両親(原田芳雄、樹木希林)との再会は苦痛でしかなかったが…。
    この家族の歴史を語らずして だんだん見えてくるところがいいですね。
    阿部寛扮する 良多が「あ、後少しのところで いつも そうなんだよ 後で思い出すんだ!」って言うの すごく共感出来た。 人命を救って亡くなった兄(息子)の法要に お盆に毎回 救われた人が家の仏壇に参りに来ることに 「もう、いいんじゃないか?かわいそう 彼のせいでもないのに…」って言う 良多に対して 母親役の樹木希林の「10年やそこらで 命を救われた者に命を救った者(息子 兄)の事を忘れてもらっちゃ困るんだよ だから 絶対 毎年来てもらう!」という 母親の息子を思う気持ちは鬼気迫るものがありました
    個人的には「海よりもまだ深く」の作品の方が好きだが 淡々としてる中に チクリと本当に実際の家族の思いをリアルに描き出していたと思う。
    「そのうちに いつか…」なんて言葉ほどあてにならない ものはないなぁと教訓になった。

  • 身内にほど 本音は言えないもの。

    誰でも なにかしらの後悔を持って
    それでも 人は生きている。

    スリリングなナニカが起こるわけでもなく
    いわゆる ‘ フツー’ に物語は 進んでいく。

    けど ジワジワと沁み入る映画だった。
    どこからだろ?
    口から? おへそから?笑

  • 友人から数年前に勧められてようやく観ましたが、映画とは何なのだろうと考えさせられました。いわゆる「普通の映画」ではなく、まるでホームビデオのようで、初めは何を見せられているのだろうという気分になりました。

    姉夫婦と揃っての帰省。いつ帰るのかで揉めたり、次々に手際よく食事が出てきたり、いつまでも息子のパジャマを用意していたり、いらないロデオマシンや昭和歌謡CD集が増えてたり笑。よくぞここまで日本の家族の「あるある」を再現できるものだ。

    一見なんてことのない家族に見えるが、兄を亡くした悲しみ、父親との確執、両親の老い、嫁・姑の関係、目には見えない感情のうずまきが本当によく表現されている。

    樹木希林扮する母の「忘れてもらっちゃ困るのよ、だから毎年来てもらわないとね、ずーっと」「もう子供は作らない方がいいかもねぇ」は心底ゾッとさせられる。しかし、これは単なる意地悪などではなく、息子たちへの深い愛情から滲み出たものであり、家族という繋がりの深さ・湿っぽさをまざまざと見せつけられる。

    キャストや演技も素晴らしく、質の高い映画だとは思いますが、正直観ていてあまり気分は良くなかった(すっげー実家に帰りたくなくなる笑)ので3点で。

  • お盆に観るのにいい映画。
    セリフの中にあるほんの少しの毒が夏に合う。

  • 是枝監督の作品は、何本かは観ているのですが、一番好きです。俳優さんが、凄い演技を見せてくれます。何気ない会話が深いです。親との関係を考えさせられました。樹木希林さんが、やっぱり凄いなあ。とにかく、好きです。

  • リアル…。
    たまらない。
    みんな上手すぎて怖いくらい。

    会話の中に本音がにじむ。
    わざとにじませてるのか…。
    気づかないふりをしても、もやもやはどんどん積もる。
    夏川結衣が背中で語る。

    人の家を覗いてるみたいで、少し居心地が悪い。

    死がところどころで見え隠れ。
    お兄さんの死
    妻の前の旦那の死

  • 命日という静かな一日をめぐる、
    家族の大いなる物語。

    それぞれの悪意なき一言が、
    たまらなくイラッとするけれど、
    そのもどかしさが、
    家族というリアリティを映しだしており、
    誰しもが体験したことのあるような情景なのに、
    母親という強さと脆さが、
    非常に文学的に表現されていて、
    作品をぐぐっと高みに昇華させている。

    どこかにあるようで、
    どこにもないような、夏の日。

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著者プロフィール

是枝 裕和(これえだ ひろかず)
1962年、東京都生まれの映画監督。演出家、早稲田大学理工学術院教授。1987年に番組制作会社テレビマンユニオンに入社、テレビのアシスタントディレクターを務め、ドキュメンタリー番組の演出に関わる。1995年『幻の光』で映画監督デビュー。
その後多くの映画作品を撮り、ジャンルを問わず様々な演出、そして若手育成に関わってきた。若き西川美和を見出したことでも知られる。
代表作『誰も知らない』で第57回カンヌ国際映画祭にて柳楽優弥が最優秀男優賞、『そして父になる』で第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞をそれぞれ受賞。ほか、『歩いても 歩いても』『海街diary』『三度目の殺人』が代表作。そして2018年6月公開の『万引き家族』が世界三大映画祭のひとつ、カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)を受賞。
書籍の刊行も多い。書籍代表作に『映画を撮りながら考えたこと』。

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