ぐるりのこと。 [DVD]

監督 : 橋口亮輔 
出演 : 木村多江  リリー・フランキー  倍賞美津子  寺島 進  安藤玉恵 
  • VAP,INC(VAP)(D) (2011年10月17日発売)
4.02
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レビュー : 374
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988021154499

感想・レビュー・書評

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  • 橋口亮輔監督は『ハッシュ!』が大好き。
    一昨年見た『恋人たち』もとても良い作品だったので、その間に撮られたこの作品も見なきゃ、と思ってたのだが、今回ようやく観られた。

    やっぱり橋口監督好きだなあ。
    人を見る視点の温度が熱すぎず、ぬるすぎずに感じられ、私にはちょうど良い。

    主演の木村さんとリリーさん、ふたりが一緒にいるところの雰囲気も素敵。
    リリーさんは一見‘いい加減’にみえる。
    でもその裏にある繊細さ優しさに泣きそうになるシーンも。

    法廷画家の役で、劇中でしょっちゅう絵を描いているのだが、ほとんどリアルな人物画なのに、一枚だけ『おでんくん』のようなテイストのイラストを描くシーンがあって面白かったです。

    そういえば彼は元々イラストレーターだった。コラムの文章も素敵だし(えげつない内容のものも多いが)、小説はべストセラーだし、この作品ではないけど日本アカデミー助演男優賞まで獲っちゃうし、ほんと多才な方だなー。

    他のかたも書いてますが、出演者が豪華!
    山中崇さん、江口のりこさん、安藤玉恵さんなど後に人気になる役者さんや、倍賞美津子さん、寺田農さん、柄本明さんなどのベテランさんまでいる!
    邦画ファンにはたまらないのでは。

    作品をガンガン撮る監督さんじゃないけど、ずっと待っています。

  • 「お前は色んなことが気になりすぎる。考えてばっかりで。みんなに嫌われてもいいじゃん。好きな人に沢山好きになってもらったらそっちの方がいいよ。」

    夫婦のお話。カナオみたいな優しさを持てる人は素敵だ。
    どうしようもなく壊れてしまった翔子にそっと言った言葉に涙がでた。「ちゃんとしたいのにうまくいかない」と泣き崩れる翔子に、多くを語らずやさしくポソポソとしゃべる言葉に滲む優しさ。

    翔子が本屋で狼狽して、顔を隠して泣くシーンや、家で鼻をたらしてぼろぼろ泣くシーンをみて、男の監督さんにこんな表現ができるんだとびっくりしたのを覚えてる。もろく、弱くどうしようもなくなってしまった女の人の感じがよくでてる。なんでわかってしまうんだろう。

  • ようやく観た橋口亮輔監督の『ぐるりのこと。』。
    私が今まで観た映画監督のうち、一番わけがわからないのが橋口監督作品だと思う。それは、彼がゲイだとかうつ病だったからとかそういうことではなくて、映像やテンポ、発想が毎回「不穏」で奇妙でとても気持ち悪い。狂っている。
    一見、普通の感動作のように見えるのだけど、どれもこれもなにかがズレている。私自身が「普通の人間」で、橋口監督が狂っているとは別に思わないけど、すごく変。ものすごくリアルな部分と、まったくリアルじゃない部分が混在している。そう感じているのは私だけだろうか。

    賛否あった石井裕也監督の『夜空はいつでも最高密度の青色だ』は、橋口監督の『恋人たち』の後継作品ぽい感じなんだけど、石井監督はやはり「笑い」の人で、主義や主張もわかりやすいのに対して、橋口監督は全く意味がわからない。ねじれている。いや、ねじれているのは社会の方で、橋口監督がまっすぐなのかもしれない。
    もしかしたら橋口監督は社会的なことにさほど興味なく、ただ背景として描いてるだけ、描きたいのは自分自身のことだけなのかもしれない。

    この映画、たまたま『ベティブルー』の後で観たのだけど、かなり近い。そして救われなかった主人公が、『ぐるりのこと。』では救われる。芸術によって。
    最近そういう似た傾向の映画を観ることが多い…『潜水服は蝶の夢を見る』とか。『鍵泥棒のメソッド』は全く違う映画だけど、あの映画の広末涼子と、この映画の木村多江も若干近い。

    序盤から木村多江は、強迫性障害のような感じで(これは私自身が若干そうだから気持ちがわかる部分あり)、こうと決めたら「そうしなければならない」性格が描かれる。

    彼女が芸術によって再生し、救われたことを表現するシーン、黄色い銀杏並木?が非常に美しい。これは橋口監督自身が「うつヌケ」した体験そのものだそうだ。
    (以下引用)
    「鬱から抜けたのは、ある秋に、僕の家の近くにある大きなイチョウの木を見たとき。黄色のイチョウに、青い空の色がスコーンと抜けていて、世界はなんて美しいんだろうって思ったんです。鬱の時って色彩の感覚とかが無くなるんですけど、その風景を目にした時に「あっ、抜けたかな」と。それからですね、また映画をやろうかなと思うようになったのは。鬱の時に感じた色々な事を、なんとか形に出来ないかと作りはじめたのが『ぐるりのこと。』でした。」

    リリーフランキーの演技はものすごく自然体。アドリブも多いんじゃないだろうか。私がリリーさんのイラストを初めて目にしたのは95年ごろで、おでんくんのようなの+エロという、今のイメージそのまんまの絵を描いていたのでよく記憶に残っている。まさかここまで俳優として大成するとは当時思っていなかった(そして当時は女性だと思っていた)。
    リリーさんは高校が私の地元で、高校生の頃スケッチで消すためのパンを食ってたらしい笑。この映画で初主演だったそうだけど、当て書きぐらいにリリーさん本人に寄せている役。特に下ネタが楽しい…この映画では、性に関することが非常にリアル。
    橋口監督はゲイだからだと思うけど、「女性に対する幻想がない」らしい。だからここまで性に対してリアルに描けるのでは、この点は素晴らしいと思う。

    反面、傍聴する被告人たちはリアルに感じなかった。ほんとうに客観視している感じ。そしてここの俳優たちで『アウトレイジ』ができるというメンツ笑。

    脇役の女優さんたちも江口のりこや菊池亜希子ら、今では有名になった方々が多い。安藤玉恵の役、雅子さま御成婚、水、向井千秋なんかはそのまま『恋人たち』につながる。

    この映画は昔つきあっていた人の好きな映画だった(ベティブルーとは別の人)。
    私が橋口作品を最初に知ったのは『二十才の微熱』の頃で、コピーがものすごく印象に残ってたのだけど、いまだに観ることができていないので、今度観てみます。

  • まずは自分のこと。
    次に、となりにいるひとのこと。
    それから、ぐるりのこと。
    すごい腑に落ちた。

  • 本当に弱ったことがある人たちが描かれる映画で、誰もが強い思いをとても不安定な場所から発信しようとして生きている。
    そんな映画だと感じる。

  • とてもよかった。リリーさん演じる旦那さんは、大切なものとそうじゃないものをよく知っている人だと思った。ああいう人になりたい。

  • 逃げ続けるひと、逃げきり自殺するひと。病院屋上での柄本明とリリー・フランキーの会話がのこる。自分のそばに大事にしたいと思うひとがいることはとても幸せ。その気持ちを忘れずにいることは困難なのだろうか。

  • すき!私と同じ名前なんです。しょうこさん。はじまった時はまた、しょうこ、暗い役に使われてらぁって思ったけど、うんうん、しょうこだいすきだよ。ぶさいくに泣くとことかちゃんとしなきゃって思ってるのにだめだめよわよわとか、うんうん。夫、暖かい、あぁ、ゆるがないって、こういうことなんやなーって。大した事やないさー、っていうと思う。でもこういう人なかなかいない。真剣な話するの苦手なところも、なんだか、出来すぎてなくて、すごくすごくよかった。登場人物もすてき、取り方もすてき、絵もすてき、良い映画でしたー、映画館で見たかったなー好きな人とぶっとうしで、エンドロールまで無言でまたみたいーよかったー

  • 『どうしていいか分からない』
    『もっと上手くやりたかったの。でも上手くできなくて』
    『みんなに嫌われてもいいじゃん。好きな人に沢山好きになってもらったらそっちの方がいいよ』
    『ちゃんとしたかったの。でも、ちゃんとできない』



    ふと気持ちがしっちゃかめっちゃかになった時。
    何度となく観てきた。
    この辺のやりとりの後のリリーさんと木村多江さん。
    本当な感じが凄いする。
    適切に表現する語彙力を持ち合わせてないのが残念すぎる。
    ただ本当なんだろうなと、そうなんだと。

    しっかし上手くやるのは難しいな。
    正しいか正しくないかじゃなくて。
    もちっと上手くやれたらと願う。
    ずーっと付きまとうこれは何なんだろか。

  • もうずっと前から気になっていた作品 やっと今頃 鑑賞
    でも、今観て良かったかも…少し前の時代背景も思い出しながら 現在も続くこと 現在になくなったものを感じる事が出来た気がした しかし、本当いい映画でした。
    人はそれぞれ見た目も感じ方、考え方も違っていて 一人一人の本当の心の中は分からないし、真実だって何か?究極過ぎて理解出来ない。
    誰もが 人はそれぞれの個性があり 同じ人間でもないし、自分も相手も全てを理解することもなんて無理に決まってると感じていながら、自分の真意を理解してほしい!分かってほしいと切願してしまう事って 日常生活の中で行く度もあると思う 何で分からないんだろう…とか でも よくよく考えてみると 自分だって相手の気持ちや真意を理解しているのか?疑ってしまう 時々 こんな気持ちなんだよってことを伝えたい時がある それは理解してほしいということより もがいてる自分の思いに応えて救いを求めてるだけのような気がする…翔子が 訴える上手く言葉に出来ない気持ちが ものすごく分かった気がして 喉の奥が痛くなるほど 泣きたい気持ちになった
    翔子扮する少しの事にでも気になる(自分の勝手な干渉)でも、相手に迷惑にならないよう気遣ってしまう優しく真面目な木村多江と夫の飄々とした でも、気に病まないようにする穏やかで優しいリリーー.フランキー 2人は とても適役だった 違ってる2人が長く一緒に居られる気持ちや秘訣が分かったような気分になった。

    橋口亮輔監督が、6年ぶりにオリジナル脚本に挑んだ人間ドラマ。1990年代から今世紀初頭に起きたさまざまな社会的事件を背景に、困難に直面しながらも一緒に乗り越えてゆく夫婦の10年に渡る軌跡を描く。主演木村多江と、リリー・フランキー。決して離れることのない彼らのきずなを通して紡がれる希望と再生の物語が、温かな感動で心を癒してくれた。普通の生活で感じる些細な感情を よく描いてる監督だなぁと感心した。
    法廷絵画も日本画 お寺の天井絵画の花達も とても素敵だった 絵画って自然な何か心に色がつく感じがいい。
    色んな事があるけど、心の奥深くに眠る命を感じる作品だった。

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