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- / ISBN・EAN: 4988003994228
感想・レビュー・書評
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『スローターハウス5』は原作がすごく好きなのでずっと観たかった映画でした。
もう読んだのだいぶ前だから原作の内容をかなり忘れちゃってます。たぶん、だいたい原作通りなんじゃ?というのと、こんなんだっけ?が半々。『猫のゆりかご』とごっちゃになってる。
原作を読んだ時にも書いたけど、SFってただの手法ですからね。ヴォネガットはだいたいそうだと思うけど、特に『スローターハウス5』は別にこれSFでやらなくても……というとこもある。だから映画版では途中がただの回想シーンにしか見えない笑。
それと、映画を観て改めて思ったのは、SFはSFでもこれScience FictionじゃなくてSpeculative Fictionの方ですよね。
この映画って原作のたった3年後の公開です。あの『2001年宇宙の旅』からしても4年後。
今は色んなビジュアルイメージが出てるけど、当時これを映画化するのって難しかったんじゃないかなあ。
で、ギレルモデルトロが「映画化する完璧な方法に行き着いた」って言ってるのは、たぶんこの時系列シャッフルの処理の方法なんじゃないかな?って思いました。
小説と映画だと、脚本を映画向けにきっちり作り変えないと、原作小説を映画が越えることは基本的にできないと思ってて。じゃないと「原作小説読めばいいじゃん」ってなるから。
この映画は少なくとも、原作小説をちゃんとなぞれてるので、最低限クリアって感じですね。原作は越えてませんが、小説を読んだ時の僕の頭のイメージと、映画の画が完全に一致してました。再現度高い。
監督のジョージロイヒルはヴォネガットと同い年で、ヴォネガットは陸軍だったけど監督は海兵隊のパイロットだったみたいですね。
途中、主人公が入院して、罪悪感のない元飛行兵に出会うシーンがあるけど、監督としてはものすごく複雑な思いがあったのでは。
『スローターハウス5』は、今ではアメリカ中の若者が読むような小説だけど、ドレスデン爆撃が知られるようになったのは小説と、そしてこの映画のおかげだろうし、監督も使命感がすごくあったんじゃないのかなあ。
余談だけど、ポールバーホーベンなんかはオランダでほぼ同様の惨状を目にしてる。
"So it goes."って1回しか言ってなかった気がして残念だったんだけど、僕が聴き逃しただけなのかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
場面をエモーショナルに結びつけた映画。
今敏の千年女優でやりたかったのはこれだとか。
始めはめまぐるしい場面の変化に戸惑うものの、異なるシチュエーションと感情の高まりは奇妙にシンクロする。スルメ映画かも。
ラストシーンの盛り上がりが最高。私もあの星にいってみたいな。 -
私が云うまでもありませんが、原作も名作ながら、コチラも名作。
何故、今までソフト化されなかったのでしょうか?