- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4988126206871
感想・レビュー・書評
-
アルベール・ラモリスの短編を2本。1956年のカンヌで短編パルムドールを受賞した「赤い風船」と、1953年のカンヌでグランプリを受賞した「白い馬」を鑑賞。
シンプルで素朴なものに、感動を与える力があることを感じ取れる作品。深遠な内面を描写することで、人間の醜悪さや崇高さを表現した作品を好むことが多いが、「たまにはこういうのもいい」としみじみと観いってしまった。
「赤い風船」
記憶があるかないかの幼い頃、遊んでくれた大人がくれた値段もつかないようなものに強い執着心を抱き、それが気付かないうちに無くなっていた、もしくは壊れていたような時にひどく悲しんだ経験は、誰にでもあることだろう。
そんな、大人になったら誰もが忘れてしまいがちながらも、忘れたらいけないような感覚を思い出させてくれる映画。
「白い馬」
台詞もほとんどなく、全く毒のない作品ながらも、人間の業や真理を優しく語りかけてくれる作品。描き方や雰囲気は、サン=テグジュペリの「星の王子さま」に似ている。
たまにはこういう映画もいい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
子供の頃、父から勧められて観たのが最初。
台詞はほぼなくて、流れてくる映像だけで読み取るストーリー。
フランスのおしゃれな石造りの学校や街並み。何気ない街の人たち。どこを切り取っても額縁に入れたくなるような美しい色彩で、日本の外にはこんな世界があるのかと心を躍らせた。
そして、なによりも主人公の少年と赤い風船の間に徐々に芽生えた、とても無垢な友情(愛情)と、まるで意思を持っているような赤い風船の圧倒的な存在感が忘れられない。
あの時この作品を観て、どんなものにも本当は命があるんだと信じた。
今はそう思ったことを時々忘れちゃうけど、たまにこの映画を思い出してその頃の気持ちを思い出す。
そういう意味では余計な知識がない幼い頃にこの映画を観せてくれた父に心から感謝。
主人公の少年がひたすら可愛いです。 -
短編映画2本。
シンプルでさくっと観れた。 -
シネスイッチ銀座のミニシアターで観ました。
白い馬は正直私の好みの映画ではなかったけど、さすが50年以上前のもの
考え方がシュールでした。
赤い風船は色彩美が素晴らしい。
最後はほろりと泣ける、優しい映画でした。
思わず拍手したくなりました。
レトロって素晴らしいなって思いました。 -
赤い風船:少年と風船の不思議な友情の物語
白い馬:少年と馬の絆の物語
2つの名作がデジタルマスターで復活。
風船が生きているようだ、って思ったことは私もあって、どうにかしてずっと大事にしようと思うんだよね。
でももちろんだんだんしぼんできてなくなる。
ものを大切にする感覚はとても好き。 -
赤い風船のほうしかみていないけれどとても綺麗なお話
-
好きな映画。
空にこだわりのあったらしい、ラモリス監督の映像は、今のようなCGがない時代の、風船のちょっとぎこちない可笑しな動きすら、主人公の少年の繊細さを写し取ったようで可愛らしい。
同じ監督の「フィフィ大空を行く」も素敵な映画で(昔何度かテレビで見ました)是非DVD化して欲しいです。 -
super cute。世界にフランスにしかないこのセンス。
-
アンドレイ・タルコフスキーはじめ、キャメロン・クロウ、ホウ・シャオシェンなどの映画監督の他、絵本化を熱望したいわさきちひろなど、多くのアーティストに影響を与えた傑作の二編。特に『赤い風船』は、ジャン・コクトーをして「妖精の出てこない妖精の話」と言わしめた。実際、そのあまりに生き生きとして、まるで心のままに揺れる風船の魅力は、奇跡である。そして、その撮影方法は、未だ映画史に残る秘密とされている。それこそ、映画詩人アルベール・ラモリスのかけた魔法とでもいうかのようである。愚かな自分たちは、その魔法の正体を知りたいと願う。しかし、おそらく知ったところで、風船がただの風船に戻るだけだろう。それでいて、劇中に遠く行き去った少年たちは、けしてこちらに戻ることがない。むしろ、そのことを否応無く突きつけるに違いない。なんて、残酷なアルベール・ラモリス、その真骨頂。
-
赤い風船は好みじゃないけど白い馬は馬も少年も美しい。