ガタカ [DVD]

監督 : アンドリュー・ニコル 
出演 : イーサン・ホーク  ユマ・サーマン  ジュード・ロウ  アラン・アーキン 
  • ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
4.04
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  • (39)
  • (9)
本棚登録 : 1881
感想 : 306
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4547462056986

感想・レビュー・書評

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  • 1997年公開のアメリカ映画。

    DNAの人為的操作により優秀な遺伝子を持って生まれた者が、
    DNA操作をせず生まれた劣性な者を管理支配する近未来。
    自然出産によって生まれた『不適性者』のヴィンセント(イーサン・ホーク)。彼は心臓に欠陥を持って生まれたため、医者は30歳まで生きられないだろうと告げる。
    しかし、宇宙飛行士になるという子供の頃からの夢を諦めきれないヴィンセント。
    ある時、DNAブローカーを通じて水泳の世界的選手だったジェローム(ジュード・ロウ)という青年と知り合う。
    金メダリストになれるほど、超優秀な遺伝子をデザインして生まれたジェロームだったが、突然の交通事故により下半身不随となり、自分の遺伝子を売るほかに生きる術がなかったのだ。
    目的が合致した二人は協力し、
    ヴィンセントは遺伝子適性を偽って
    優秀な遺伝子を持つジェロームになりすまし、
    夢だった宇宙飛行士訓練施設『ガタカ』に晴れて入社する。
    しかし、そんなある日、ヴィンセントの正体を疑っていた上司が殺害される事件が発生し、彼は窮地に立たされるが……。



    個人的に好きな映画オールタイムベストを選ぶなら
    必ずベストテンにランクインするくらい好きな映画。

    近未来を描いたSF映画だけど、派手なアクションも度肝を抜くCGもない。
    ただ静かに、けれど、スリリングに
    物語は進んでいく。
    公開当時から何度観たか分からないくらい
    定期的に観返したくなる作品だけど、
    観るたびに新しい発見があり、前に進むための力を貰い、
    残酷なまでに美しい、その静謐な世界観に酔いしれてしまう。

    そしてこの作品ほど、その結末の意味について、切ないラストシーンについて
    いまだに議論される作品も珍しいくらい
    映画ファンの間で語られることの多い作品なのだ。


    まず驚くのが美しい映像美と
    そのスタイリッシュな世界観だ。

    無機質なセピアの色合い。
    未来の話なのに60~70年代のクラシックな車をあえて登場させたり、
    ガタカの制服も宇宙服ではなく、クラシカルなダブルのスーツだし、
    どこか懐かしくも未来的なデザインのヴィンセントとジェロームが住む住居、
    そしてタイトルにもなった宇宙飛行士訓練施設『ガタカ』として撮影されたのは、
    旧帝国ホテルを設計したことで日本でも人気の建築界の巨匠フランク・ロイド・ライトが1957年に作ったサンフランシスコのマリン郡庁舎が使われている。
    (曲線のフォルムを最大限に生かした50年代の建造物とは思えないこのモダンさと近未来感は一見の価値あり!同じくSF映画の傑作の『ブレードランナー』や『ブラックレイン』でもフランク・ロイド・ライト設計の建築が観れます)


    この作品に漂う詩情は
    同じSF映画の傑作『ブレードランナー』にも通ずる物悲しさだ。

    どんなに努力をしても
    誰にも負けない知識と情熱を持っていても、
    遺伝子をデザインしていない
    『不適性者』のヴィンセントは
    宇宙飛行士になることはできない。

    この事実にうちひしがれるヴィンセントの苦悩が観ていて辛かった。
    (やがてヴィンセントが恋に落ちるユマ・サーマン演じるガタカ女性局員のアイリーンも心臓が弱くて宇宙には行けない)

    しかし、彼は諦めない。
    他人になりすます男とそれに協力する男。
    血の滲むような凄まじい努力の末、ヴィンセントはついに夢だった
    宇宙飛行士訓練施設『ガタカ』に入ることを許されるのだ。
    (そしてガタカに入社してからの努力がまたスゴい。毎日の血液チェックを隠し持ったジェロームの血液で誤魔化し、機械を使った走る訓練では死ぬほど苦しいのにクールな顔で走り通さなければならないし、本当の心拍数を聞かれると心臓病がバレてしまうので、予め録音したジェロームの心拍数でここのチェックもすり抜け、自分のDNAの痕跡を残さないため、デスク周りのゴミ、髪の毛や爪の垢などがないかパソコンのキーボードを一文字ずつ拭き取り埃を払うなど、中身がヴィンセントだとバレないよう細心の注意をはらう毎日に驚嘆する)

    この物語の真骨頂はここから始まる。
    秘密を共有したまったく正反対の二人が
    (持つ者と持たざる者だ)

    お互いの夢を叶えるべく、
    遺伝子優劣主義の世界にひと泡吹かせようと、
    次第に共闘していく様がなんといっても面白い。
    (なりすましサスペンスという構造はアラン・ドロンの名作『太陽がいっぱい』を思わせて、いつバレないかと本当にドキドキする)

    そして面白いのが物語の中で、
    凄惨な殺人事件の犯人が
    実は殺人など犯すハズのない
    『暴力性を排除したDNA』を持つ男だと分かったり、
    優秀なDNAを持つジェロームが
    オリンピックでは
    なぜか金メダルではなく銀メダル止まりだったり、
    1000年に一人のDNAを持つ
    ヴィンセントより優れた弟アントンが
    ある時から水泳のチキンレースで
    ヴィンセントに一度も勝てなくなったり…。

    悪い遺伝子を抜きとり完璧に作り上げたハズのDNAを持つ適性者が
    実は決して完璧な人間ではないこと、
    人為的に作られた適性者にも
    どこかにほころびが必ずあることを
    観る者に匂わせながら、
    遺伝子優劣主義の世界へ警告を発していく見せ方が本当に上手い。

    無駄を削ぎ落としたシンプルなセリフ(なのに心を打つ名言が多い)、

    タバコの煙りとワイングラスを使って惑星を表現するシーンのインパクトとロマンチックさ、

    そしてなんといっても忘れられないのは、
    車椅子を手離せないジェローム(ジュード・ロウ)が
    螺旋階段を必死の形相で足を引摺り、
    腕だけで二階まで昇っていくシーンの凄絶さと吸引力のスゴさ。
    ヴィンセントの夢が叶うよう、自らも体を張って警察から守ろうとする姿に
    いつしかヴィンセントの夢が
    ジェロームの夢に変わっていったのだと思い知らされた。
    そして言うまでもなくジェロームが這い上がっていく螺旋階段とは、
    DNAの象徴であり、メタファーなのだろう。
    DNAを越えていこうという熱い意志が溢れた映画史に残る名シーンだと思う。

    それにしてもジュード・ロウの
    スリリングで迫真の演技に
    思わず胸が熱くなって拳を握りしめてしまった。
    (彼は挫折したエリートの屈折した心情を上手く演じていたし、目ヂカラと隠しきれない色気もスゴい!)


    果たしてヴィンセントは
    宇宙飛行士として宇宙へ旅立つことができたのか?
    殺人事件の犯人は?
    アイリーンとの恋の行く方と
    ジェロームとの友情は?

    知的でスリリングな脚本と
    スタイリッシュで美しい映像、
    静謐な世界観に
    観る者を突き動かす『熱さ』を併せ持った稀に見る傑作です。

    SF映画が苦手で敬遠してた人、
    宇宙の話が好きな人、
    美しい建築に目がない人、
    映画は一人で静かに観て
    あとで余韻に浸ったり
    結末についていろいろ議論考察するのが好きな人、
    おしゃれだけど中身のある映画が観たい人に特にオススメ。

    多くを語らない登場人物たちの
    心の揺れを体現したような
    全編を彩るマイケル・ナイマンの物悲しい調べがまたグッとくる。



    ★これを観るだけでも映像の美しさと静謐な世界観、そしてスリリングなストーリー展開が想像できる
    『ガタカ』予告 英語版

    https://youtu.be/BpzVFdDeWyo

    • ahiruさん
      螺旋階段のシーン、「なんで未来なのにエスカレーターないんやー!がんばれー!」って思っていたので「遺伝子の隠喩」と聞いて震えました。映画って面...
      螺旋階段のシーン、「なんで未来なのにエスカレーターないんやー!がんばれー!」って思っていたので「遺伝子の隠喩」と聞いて震えました。映画って面白いですね!
      2020/01/07
  • 生まれ落ちたその瞬間に定められた運命に苦しみ、抗おうとした人々の物語。
    ラストの静けさと切なさには胸が締め付けられます。
    鑑賞中はむしろ落ち着いていたのに、鑑賞後に色々なシーンを思い出していたら一人でかなり泣いてしまいました。鑑賞中は思うことが多すぎて考えがまとまらなくて、却って気が張っていたのかもしれません。

    人工授精で優秀な遺伝子を掛け合わせて「適正者」と呼ばれる子どもをつくることが常識となった近未来の世界。自然妊娠の結果産まれたヴィンセントは、出生時の遺伝子検査の結果「不適正者」の烙印を押されてしまう。
    この世界では「不適正者」は一生底辺でいるしかない存在。前時代の肌の色や学歴に取って変わっていた不適正者への差別と偏見は、国の公認を得ている分、却って根強く、覆すことは難しかった。
    そんな彼の夢は適正者しかなることが許されていない宇宙飛行士になること。しかしながら、遺伝子検査をされてしまえば不適正者の彼は落とされるしかなかった。

    現実の厳しさにやさぐれていたある日、不慮の事故で半身不随となって車椅子生活を送る「適正者」の青年ジェロームの存在を知る。ヴィンセントは彼と契約して彼になりすますことで遺伝子検査をパスして念願だった宇宙局「ガタカ」の職員となる。
    順調に出世し、宇宙飛行士へと近づいていたヴィンセント。
    ただ、ガタカでは、毎日、身分証がわりに適正/不適正の検査がある。ジェロームの血液や尿を利用してそれを乗り切ってきたヴィンセントだけど、ある事件をきっかけに不適正者であることがばれそうになって…。

    人生を導くのは、先天的に生まれ持った有能な遺伝子か、劣るとされる遺伝子でも不断の努力の結果として覆すことができるのか。
    出生時に決められてしまうあまりに不確かな「可能性」とはそもそも何か。

    正直、この主題を取り巻く核心部は、ヴィンセントの努力含めてもう少し詳しく描いてくれたらもっと奥行きが出たのにな、と思わずにはいられません。わりと序盤であっさりヴィンセントはガタカに勤めて、しかものし上がっていく過程は一切描かれないので。

    これだけの素材を用意すればいくらでも深く突き詰めて個性を出せるはずのテーマ性や心理描写ではなく、主人公がわかりやすく追い詰められるハラハラ展開のほうに時間を割いて重きを置いている点は、(偏見と意地悪な視点があるかもしれないけれど)、娯楽性とスピード感を何より重視するアメリカ映画らしいつくりだなと思いました。

    でも、「不正」をしながらも掴みたいものを掴んでひたすらもがく不適正者のヴィンセントと、適正者でありながら人生を失った感のあるジェロームの姿を観ていると色々なことを思わずにはいられないのです。
    ヴィンセントの人生や欲望は明確に描かれているのに、ジェロームのそれはほとんど語られない分、なおのこと、その対比性には本当に想像がたくましくなってしまう。

    不適正者とは違う適正者なりの孤独と重圧に苦しんだ過去をうっすらと垣間見せていたジェロームが選んだ最期には、視覚的にはっきり見せられるものと、明かされない感情が相まって、とても色々なことを思います。

    とはいえ、作品テーマを無視するようで申し訳ないのですが、もし万が一現実の未来世界において、技術と意識の変化ゆえに「人工授精生まれの適正者」しかいなくなったとしても、人々の性質の違いも能力の違いもゼロになるわけではないし、それ以上に人間のエゴや優越感や残酷さなんてものはそれ以上になくなるわけはないので、「従来の適正者」から「新たな不適正者が設定される」だけなんだろうけど…と観終わってなによりも真っ先に思った私はやはり性格が悪いのかもしれません。

  • 静かで爽やか。そしてとても美しいと感じた映画だった。あまりにも美しいSF映画。
    SF映画に馴染みの無い女性に是非おすすめしたい作品である。
    なにせよ映像が本当に綺麗。
    スタイリッシュでどことなくレトロフュージョン漂う舞台。
    しかし60年代辺りのとは違ってかなーり洗練されている!
    この洗練され感は96年製作、あのタイタニックよりも前の作品だとは思えない程に古さを感じさせない。いい意味で!!
    この近代的さとスタイリッシュさの微妙な掛け合いセンスが素晴らしい!!

    それに加えた俳優たちの美しさは言うまでもない。
    クールビューティーキルビルこそユマ・サーマンの非人間的なマネキンのような美しさはこの映画にピッタリだ!!
    しかし彼女の役所はハッキリ言ってあんまり重要性を感じなくもないような。。←

    あのジュード・ロウのふてぶてしくも華々しい感じもまた良い!この頃のジュード・ロウは本当にこういう役がハマってますなぁ。

    この強烈な2人の影に隠れてしまいがちですが主役を演じたイーサンホーク 。
    個人的にはこの映画はこの彼があってこそ成し得たものであろうと強く思いますし上記の2人に埋もれてしまってるのはなんかもったいない!!彼のあの繊細そうな脆そうなあの地に立ってないような感じとかすごい役柄にピッタリでしたよね。

    シナリオも良かった。SF映画にしてはドラマチックすぎるんだけどもテーマも結構リアル。21世紀をすでに通り越した現在では大分現実味のある近い未来。ちょっと怖い。
    ジュードロウとイーサンホーク演ずる役の2人の絆がよかった。
    まさにヒューマニズム!
    ラストのあの美しい切なさはちょっと他のSF映画では味わえないじんわりとする感動に包まれました。

    ただ一生困らないだけの血液やら尿やらを残して綺麗に去り行くなんてところはちょっとマジでかwwwwいつの間になにしてんのwwwすげっwwwあの尿取るのにどれだけの期間要したんだろwwwってつっこんだけどwww

    結構万人に勧めたい!

  • 遺伝子だけが全てを決める時代。遺伝子操作によってうまれた適正な人間と、自然分娩によって踏まれた不適正な人間。
    ヴィンセントは不適正者だったが、適性者しかできない「宇宙飛行士」になりたかった…。

    ヴィンセントはジェロームという超優秀遺伝子を持った適格者の生体IDを用い、ありとあらゆる手段と努力でガタカという会社に潜入する。「ジェローム」として。

    以下ネタバレ
    あああ、ワクワクドキドキする映画だった。素晴らしいSFムービー。主人公と弟の確執、ジェロームの共犯関係、ジェロームの苦悩と友情、彼女にバレないよう恋愛関係を進めるシーン、上司を殺した犯人は誰なのか…。本当に短いのに見所がありすぎて「名作」って言われてる理由がわかった。そこまでして追いたい夢があるって、すごいよね。素晴らしい。

    以下、羅列。
    弟には泳ぐ以外の何かはねぇのか?宇宙飛行直前に何してんねん。
    家にエレベーターあったほうがいいんじゃねえすかね。

    「遺伝子」に縛られて、個人の努力や可能性を否定する社会の中で、ヴィンセントがヴィンセントとして夢を叶えたことに、最後の医者の言葉に、泣いた。シャトルが飛び立つ炎と重なるように、全てを託して感謝して逝ったジェロームに泣いた。弟に足りないのは、覚悟と勇気。夢を叶えるために、運命を信じない勇気。

    勇気を与えてくれる、濃いSF映画を見た。

    • hotaruさん
      ahiruさん、こんばんは。はじめまして。ほhotaruと申します。 
      思いがあふれる素敵なレビューに、私も色々なシーンを思い出しました。
      ...
      ahiruさん、こんばんは。はじめまして。ほhotaruと申します。 
      思いがあふれる素敵なレビューに、私も色々なシーンを思い出しました。

      私も同じシーンで、「なんでこんな近未来なのに家にエレベーターないねん!バリアフリーは!?」と声を上げました。
      …が、この螺旋階段のシーン、とあるネット解説を読んだら、どうやら、遺伝子をイメージしているのだそうです。
      ジェロームがヴィンセントのために必死にあの階段を昇ったのは、遺伝子、ひいてはそれによって定められた運命を自分たちの力で乗り越えたことの象徴なのだそうです。

      長文失礼しました。
      2020/01/07
    • ahiruさん
       hotaruさん、はじめまして。コメントありがとうございます。普段SFを見ないので、こちらもSFの名作と聞いて少し敬遠?していたのですが、...
       hotaruさん、はじめまして。コメントありがとうございます。普段SFを見ないので、こちらもSFの名作と聞いて少し敬遠?していたのですが、本当に見てよかったです。

       螺旋階段が遺伝子のイメージなんですね!!あの場面、すごく登るのが大変そうで、手に汗握って見ていたのですが、そう言われれば、最もジェロームが遺伝子の定めに抗ったシーンですものね…。すぎょい…。
       何食わぬ普通の場面や背景や舞台セットに意味が込められているんですね。映画に頻出する「海」も、生命や遺伝を感じさせますね…!
       本は好きですが、最近まで映画はあまり見て来なくて。これからの映画の楽しみ方がまた変わりそうです!コメント本当にありがとうございました(*'ω'*)
      2020/01/08
  • 1997年アメリカ
    イーサン・ホーク、ユマ・サーマン、ジュード・ロウ


    「適正者」と「不適正者」両者の間に厳格な差別がある近未来。「適正者」を出産するために出生前に遺伝子操作をしてるっていうんだから神への冒涜(なんて言っていいんでしょうか)
    遺伝子操作は別としてこの適正者、不適正者という身分階級は今の世でも違った形でいろいろとありそう。
    そして、適正者しかなれない宇宙飛行士を夢見るヴィンセント(イーサン・ホーク)が子供のころから何事もあきらめずにやり続けた粘り強さが彼の運命を変え、不適正者の壁を超えたのでしょうね。
    その手助けをしたのが適正者と生まれながら自殺未遂を起こしてしまったジェローム(ジュード・ロウ)

    ジュード・ロウが何とも言えず、、、、よかった。

    • hiromida2さん
      モモさん こんにちは!随分前に観た映画だったけど…名作だったなあって思いが残る作品だったと思います☺︎
      モモさん こんにちは!随分前に観た映画だったけど…名作だったなあって思いが残る作品だったと思います☺︎
      2018/11/20
  • 僕の夢は宇宙飛行士になることなんだよ~☆

    でも、僕は生まれつき心臓が弱く不適正者なんだ、
               しかも寿命は30年なんだってよ。
    だけどね、それでも僕は宇宙飛行士になって
               宇宙へ行くという夢をあきらめないよ!

    だから、適正者の中でもトップクラスの能力を持つ君の
               遺伝子を僕に与えてくれないか・・・。

    いいよ、能力を持て余した末に下半身不随だし、
               思い残すこともない。君にあげよう。

    いいことなのか、よくないことなのか・・・。
               心に残ったのは儚さと切なさの余韻。

    う~ん、魅力的な作品だゎ。

  • 遺伝子操作が当たり前となった近未来を舞台にした作品です。
    友情や恋愛、サスペンスといろいろ盛り込みすぎたような気もしますが、遺伝子操作を受けなかったことで不適格者と区別された主人公が血のにじむような努力を行い、宇宙に行くという夢を実現する様子が切ないです。
    人間とは生まれ持った要素だけでは左右されないものだし、それらをひっくり返すことも可能であるのだと勇気づけられます。

  • DNA繰作による優秀な遺伝子を持った“適正者”によって、自然な出産で生まれた人間が“不適正者”として支配される近未来。不適正者として生まれたビンセント(イーサン・ホーク)は宇宙飛行士を夢見ていたが、それは不適正者ではかなわぬ夢だった。
    しかし、彼は自分の運命を変えるためDNAブローカ一の紹介でジェローム(ジュード・ロウ)という青年の適正者IDを買い取る。ジェロームになりすまして宇宙局ガタカの局員となったビンセントはついにタイタン探査船の航海士に選ばれる。
    だが出発間近に上司が何者かに殺された事件でビンセントの髪の毛が発見された事から、正体発覚の窮地に立たされる。
    ビンセントの素性に疑いを抱く女性局員アイリーン(ユマ・サーマン)。更にエリート捜査官となった弟のアントン(ローレン・ディーン)の介入で、彼はますます窮地に追い込まれる。
    先天的遺伝子によって未來が決まってしまう近未来で心臓が弱く劣等人間のレッテルを張られている主人公ヴィンセントが宇宙飛行士の夢を実現するために遺伝子で限定された体力的社会的限界を並外れた努力と強い意思となりふり構わず他人になりすまして突破していく展開(かなわないはずの弟アントンとの遠泳に気合いで勝つなど)は、人の限界は意思と努力が引き起こした奇跡によって突破出来るという熱いメッセージが込められています。
    美しい美術や照明も、ビンセントの正体がバレてしまいそうになる展開もスリリングです。
    ビンセントとアイリーンの恋、ビンセントとジェロームの友情、切ないラストが深い余韻を残します。

  • 遺伝子の優劣で身分が決まる近未来のSFドラマ。“社会不適正”の青年は夢を抱けるか?
    見どころ
    「シモーヌ」をはじめ独創的なSF作品で知られるアンドリュー・ニコル監督のデビュー作。無慈悲な管理社会に、人々の苦悩と愛情と希望が交錯し、静かに胸を打つ。
    ストーリー
    優秀な遺伝子を掛けあわせて生まれた「適正者」が支配する近未来。自然出産で生まれた「不適正者」のヴィンセントは、宇宙飛行士になる夢を叶えるため、「適正者」に偽装して宇宙局「ガタカ」に入社する。だが上司が何者かに殺され、ヴィンセントに容疑が…。

  • TVにて
    ジュード・ロウとイーサン・ホークに芽生える絆が最後の場面,封筒を開けるところに凝縮されていて胸に迫ってきた.弟との確執,ユマ・サーマンとの愛,夢に賭ける姿,簡潔でスッキリしたストーリーながら遺伝子操作とそれに抗う情熱など奥深い映画だった.

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