Food Inc [DVD] [Import]

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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 0876964002165

感想・レビュー・書評

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  • PHの授業にて。これ一本でアメリカの食に関する現状が把握できるはず。
    畜産農業とオーナー、消費者と健康といった多角的アングルから、しかしパセティック過ぎないお利口ドキュメンタリー。

  • 映画を見てきました。
    まるで工業製品のように作られる食。
    命として扱われていない家畜。
    この世界はどこか間違っていると思う。

  • 映画「フード・インク」は2009年に公開されたドキュメンタリー映画である。主に私たちが普段口にしている食べ物の根源を辿っていくという内容だ。アメリカの食品衛生環境の恐ろしい一面を赤裸々に描いた。

    私たちの食卓に並ぶ食べ物の元を辿っていくと、遺伝子組み換えされた安いトウモロコシや大豆に突き当たる。鶏肉、豚肉、それに牛肉は、大量生産するために一つのテントに下にぎゅうぎゅう詰めにされ、普段は牧草を主食としている動物たちに安価なトウモロコシを飼料として与えている。鶏を短期間で太らせるために、ホルモン剤を注入することもある。自らの体重を自分たちの足で支えられなくなり、ただ倒れてしまうだけの鶏たちは、見ていて非常に痛々しかった。終始まとまりのあった映画で、最後のほうではメキシコ移民が何故アメリカまでわざわざやってくるなどの労働問題の現状について触れた。

    当作品で描いていたように、現在のアメリカの食事情は深刻な問題となってきている。これを少しでも良くしようと最近オーガニック食品が注目を浴びているが、市場に占める割合が少ないのが現実だ。まず、オーガニック・フードを生産するためには多大な費用がかかる。手間と苦労がかかるため、通常のスーパーで売っている食品と比べて値段が高めだ。こうなると、経済的に下層にいる人々にとっては商品の質より価格の安さが魅力的になってしまう。2004年にも似たようなアメリカの食生活を批判するような映画が公開された。「スーパー・サイズーミー」というタイトルで、一ヶ月間一日三食マクドナルドを食べ続けるという内容だ。実体験を元にファースト・フードが及ぼす健康被害を公(おおやけ)にした。下層にいる人々は安価を一つの理由として毎日ジャンク・フードを口に運び、少しずつ体を悪くしていく。彼らが医療保険に加入していて、まともな治療を受けることができれば別だが恐らく保険にも加入できないような人々だ。自国の医療制度や食の安全がまともに整ってないで、何故アメリカはハイチに支援を送ることができるのだろうか。まるで、デフレ・スパイラルのように、アメリカで社会経済ピラミッドの下層に属する人々は一生この生活から抜け出すことはできないだろう。

  • フードインクを見る事によって、食品の現実とその恐ろしさを知りました。ありえないほど汚くて不健康な環境で大量生産されている動物達を見て、とても悲しい気持ちになりました。この世に生まれて来た命が、あんな環境で育たなければいけない事がとても許せませんでした。あの映像を見て、もうファストフードなどは当分とても食べたくなくなりました。後、とても許せなかったのが、動物の死体についた汚れや糞が食品に入って、病気の理由となると言うことでした。動物達にとって窮屈で汚い環境の中で大量生産を行わない農家をメジャーな会社が"unsanitary"としたレッテルを貼って受け付けないのも理解が出来ませんでした。窮屈な場所で太陽の光を見た事の無い足下にお互いの糞が着いている動物達に比べて自然な環境で育ってちゃんとした扱いを受けている動物達が何故"unsanitary"なのかが理解出来ませんでした。これを見て、食品をコントロールしている会社を恐ろしいと思いました。

  • 「フード・インク」は2009年に公開されたアメリカの徹底的に産業化した食料事情をテーマにしたドキュメンタリーだ。公開されたときは大手の食品会社から様々な批判を食らい、議論を巻き上げる一本となった。マイケル・ムーアの「シッコ」と同じく、アメリカの食品会社や食品加工の隠された秘密を次々と暴き出し、国民に語りかけている。このレビューは何かを食べながら読まないで下さい。

    「フード・インク」は鶏肉、豚肉、牛肉などの食品加工のプロセスを暴露した。まず、家畜に肉の部位が大きく育つように化学的に調合されたエサを与える。鶏肉の場合胸肉が巨大化してしまい、歩けなくなってしまうほど体を改造されてしまう。衛生的な問題もあらわになった。糞まみれになっている牛がそのまま殺され、精肉工場に運ばれ、加工され、私たちの食卓に舞い降りる。監督は、大手の食品会社が握っている権力にも注目している。小さな農場は大手の食品会社と契約で結ばれ、機材を無理やり貸し出され、低品質な食品を大量生産させられる。小さな農場は大きな資本を持つ食品会社に対抗できるわけもなく、奴隷のような状態になっている。

    歴史で殆ど同じことがアメリカで起きている。1900年代に書かれた小説「The Jungle」が当時のアメリカの精肉業界を「フード・インク」と同じように赤裸々に暴いた。衛生的な問題、社会的な差別、労働者の権利など1900年代ではまだ確立していなかった権利を描く当時としては先進的な小説だ。人々に現実を見据え、変革の力を与えた。しかし、皮肉なことに、ほとんど同じことがおよそ100年後にまたアメリカの地で起こっている。消費者は食品加工に無知で、食卓に現れる食べ物に全くの疑問を持たない。人々は遠い昔の一度きりの改革で安心してしまったのだろうか―――変革が起きただけでは人々としての責任は終わらないはずだ。変革を維持する必要があるのだ。政治や企業に任すと同じシステムが再度権力を握ってしまう。人々はもう一度、自らの手に食の安全というまっとうな権利を取り戻すべきだ。

  • この作品はロバート・ケナー監督のアメリカの食文化に関するドキュメンタリーである。アカデミー賞のドキュメンタリー部門にノミネートされた。スーパーマーケットの中で食料品をカゴに入れていく導入のシーンでのサスペンス風のBGMを始め、演出に凝っているし、全体的にも上手くまとまっている映画だ。このような作品は大企業や共和党の政治家たちから批判を受けるが、そんなのは無視して良い。大企業や政治家たちこそ、人々の人権を無視しているからだ。

    私は「フード・インク」を見終わった後、この狂っている食糧供給システムが何故できて、そして誰の責任でこんなことになったんだ?という真っ当な疑問にぶつかった。アメリカに住んでいるからより映画で暴露されていた内容が身近に感じられ、怒りと吐き気を同時に覚えた。先ず、この食料分野における大企業の独占的なビジネス手法は、資本主義のネガティブな側面の分かり易い例だ。昔からあったローカル農園を潰し、乗っ取る。また、Tysonのような巨大企業と価格で競争できずにず破綻していく農家のケースもたくさんある。今は農園ではなくて、いかにして「工場」になった方が勝者になるのだ。大量生産と効率化を常に図り、衛生面の問題は軽視されている。汚物まみれの肉が容姿を変えて見慣れたハンバーガーやホットドックとして市場に出回っているのだ。昔と違って今は土地を耕したり、家畜に水をあげたりとかではなくて、どれだけ多くの利益を出せるか机上の計算が重要視されている。更に残念なことに、大企業は巨大な資本があるため優秀な弁護士を複数雇うことができて、法的な意味ではほぼ無敵だ。個人の力ではどうにもならないシステムになっているのだ。まるで村上春樹の「1Q84」で描かれている世界だ。以上がシステムの現状だが、この問題の真相はもっと深いところにあると思う。

    このフードシステムには根深い奴隷制度が存在している。日本でもそうだが、アメリカでも穢れの意識が少なからず存在する。食肉解体・処理は主に黒人がやっていた歴史がある。今ではそのような危なくて、汚い仕事は黒人の変わりに急激に増えてきているヒスパニック系が担いつつあるが、根本的には同じことが起こっている。マイノリティだってしたくてこの仕事をやっているわけではない。他に仕事がなくて、家族をサポートしなくてはならないからやっているだけだ。黒人からヒスパニックに代わっただけで、マイノリティが白人のために現代でも働かされている。黒人でホワイト・カラーの仕事に這い上がるには白人になりすまさなくてはならないのがアメリカの現状だ。アフリカ系アメリカ人が大統領になった今日でも、白人が圧倒的な力を持っていることに変わりはない。

    低所得のマイノリティの人たちも、価格が安いから大企業の食料品を購入している。彼らは自分たちがエリートの手中にいると思ったこともない。ただ食べ物を安く買うことができて、子供たちの笑顔を見ることができれば満足なのだ。この問題に気がつくのは意識の高い中流階級以上の人たちだ。マイノリティには政治的な発言力がない以上、気がついた中流階級以上の人たちが発言していって物事を変えていかなければならない。しかし、そういう裕福な人たちの多くがこの手の社会問題に無関心なのもまた現実だ。アメリカの歴史上、特に中流階級はあらゆることについて無関心だった。そのために下流層の人たちでどうにかするしかない。固まって労働組合を作って大きな権力と戦うしかないのだ。

    この映画を見て思った疑問のもう一つは、キリスト教の隣人愛精神がどこにいったのか?ということだ。キリスト教は、神への忠誠や他人のために尽くすことが「善」であり、自分の悦びを求めることは悪という一種の禁欲主義を根幹にしている。キリスト教信仰者が79%(2003年)のアメリカ。この79%が定義通りのクリスチャンであったら「フード・インク」に描かれるような事態は起こらないはずだ。

    私の解決策は教育と宗教だ。マイノリティを含む下流層を少しでも教育することが最優先だ。少しぐらい高くてもローカルの農園で作られた食べ物を買うメンタリティーを作る。そうやって人々の趣向が変われば、企業も健康食品で金儲けを考えるだろう。ただ、資本主義である限り社会階層の最下層は常に存在するだろう。宗教も、キリスト教から何か違うものに変えたほうが良い。こうやって書いていると、共産主義の政策に近い。でも、それは既に失敗している。他にどんな策があるかというと現在の私では思いつかない。考えるべきことがあまりに多過ぎる。

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