ネットで安かったので購入。
ヤンキー先生である鬼塚英吉が様々な悩みを抱える中学生達に真正面から向き合う。
この作品の良いところは、キャラクターの個性もだけど、大人の欲望を忠実に描いている部分だと思う。大人だって自分の保身が大事だし、Hなことだって考える。また派閥争いや他の先生からの嫉妬など、大人のずる賢いところも描いている。そのような大人が「学校や社会をつまらなくするんだ」と鋭くメスを入れている。
主人公である鬼塚英吉は社会の基準で考えたらいい先生ではないかもしれない。しかし生徒と本音で向き合い、一人の友達として寄り添っていく姿勢は他のどの先生とも異なっている。そういう姿勢こそ今の学校教育に求められているのではないだろうか。
また鬼塚は一方で、他の大人たちと同じように自分の欲望や保身を考えて、間違った方向に進みそうになる。そういう時、それを指摘し、ときには正してあげる友達がいる。そういう友達が大事だということもこの作品のひとつのメッセージだと思う。
後半になるにつれ、鉄拳制裁的な描写になっていったのは少し残念。あとクライマックスも物足りない感じがした。だがそれにひけをとらない良さがこの作品にはあると思う。
全ての人に一度は読んでほしい作品。