フロスト×ニクソン [DVD]

監督 : ロン・ハワード 
出演 : フランク・ランジェラ  マイケル・シーン  サム・ロックウェル  ケヴィン・ベイコン  マシュー・マクファディアン  オリヴァー・プラット  レベッカ・ホール 
制作 : ピーター・モーガン  ブライアン・グレイザー  ティム・ベヴァン  エリック・フェルナー  ロン・ハワード 
  • ジェネオン・ユニバーサル
3.45
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本棚登録 : 176
レビュー : 38
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102708634

感想・レビュー・書評

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  • 17.11

    「フロスト/ニクソン」は、ロン・ハワード監督作品である。フランク・ランジェラがニクソン、マイケル・シーンがフロストとして主演している。2009年に公開され、第81回アカデミー賞で作品賞を含む5部門にノミネートされた。

    この作品は、1977年の4回に渡って撮影されたフロストとニクソンのインタビューをベースにしている。ウォーター・ゲート事件で大統領を辞任してから3年経ったが、リチャード・ニクソンは国民から軽蔑されたままだった。一方、イギリスの人気TV番組のパーソナリティーのデイビッド・フロストは、自分のキャリアを大きく変えることができる企画を思いついた--ニクソンへのインタビューだ。挑戦状を突きつけられたニクソンは自分の名誉奪還のため、世界中で放映されると約束されたインタビューを承諾する。3月23日から12日間、およそ29時間に及ぶ魂の篭った論戦が繰り広げられる。

    40年前に起こった出来事をハワード監督は何故映画化したのか。それは、ニクソンを通して比喩的にブッシュを描きたかったからだ。圧倒的な不支持で大統領職を終えたニクソンとブッシュ--彼らは国民に与えられた権力を乱用したという共通点がある。ニクソンの場合、先ずCIAにウォーター・ゲート事件の調査を中止させるよう命令し、従わないスタッフを解雇した。更に決定的なのが、証拠となるテープを公開するのを大統領権限を使って拒否。連邦最高裁判所の命令で渡したときには既に19分間も削除されていた。元のテープの提出を再度命じられたが、刑事事件なのにも関わらず証拠の提出を大統領であるという理由で拒否した。最終的には下院司法委員会がウォーターゲート事件における「権力の乱用」を訴え、ニクソンはオリジナルテープを渡し、事件を隠蔽しようとしたことが明らかになった。一方、ブッシュは911以降、裁判所を通さずに人々をテロリストから守るために電子メールや電話を監視する権利があると主張したり、同時多発テロの黒幕と疑われている者から情報を引き出すために水を使った拷問(water-boarding)をCIAに勝手に許可している。更に、イラクのフセイン大統領が大量破壊兵器(Weapons of Mass Destruction)を所持する上911事件に繋がりがあるとして米軍を送り込んだ。この結果、沢山のアメリカ兵とそれ以上にイラク人が亡くなり、反米感情が中東に定着した。ブッシュの目的はアメリカの石油確保だと訴えているイラク戦争批判者もいる。

    このように大統領の権力を乱用したニクソンとブッシュはアメリカ国民の前で責任を取らず、謝りもせずに辞任あるいは普通に退職した。この作品、そして現実世界でも最終的にニクソンはフロストに追い込まれて自分が犯したアメリカ国民に対する裏切り行為を自覚し、認める。ただし、現時点でブッシュは一回も自分の非を認めていない。ハワード監督はニクソンを通して、つい最近のホワイトハウスでも権力の乱用があったことを、ブッシュは未だに非を認めてもいないし謝罪もしていないことを描きたかったのだろう。

  • 「人間」を描いた作品だった。

    ニクソンと言う人は、最初、まるで高い壁の様に見えた。あれだけ人々に非難されていながら、大人しくしているどころか、隙あらば政界に返り咲こうとしている。その野心は一体どこから来るのか分からなく、たった4人の人間が努力などをして見せた所で、ニクソンと言う壁の前では立ち尽くす事しか出来ないように思えた。

    しかし、12日間に渡るインタビューで、少しずつその壁は崩れ始めた。自分と似た性質を持つ、フロストと言う男と出会った事で。

    そして、最後のインタビューで、あれだけ高かった壁は崩壊し、一人の人間が現れた。弱さと後悔と自己嫌悪と哀しみを抱いた、たった一人の人間。その姿は、フロストを言葉巧みに組み伏していた時よりも、政治家としても人間としても魅力的に見えた。

    私は、ニクソンがフロストへの電話を覚えていなかった理由を、「大統領としてのニクソンと、人間としてのニクソンは別だから」だと考えた。

    「大統領になる」と言うことは「自分の意思を失くす」事に等しいのかもしれなくて、好みも冗談すらも好きに言えず、常に誰かの意見を気にしなくてはならない。インタビューの間、ニクソンはきっとそんな「大統領としての自分」でフロストと接していたはず。けれどあの電話の夜、「ただ一人の人間としての自分」として、フロストに接していたんじゃないか。

    そしてフロストも、そんなニクソンの心の声を聞いて、初めて本当に本気を出したんじゃないかと思う。

    「クイーン」でもそうだが、こういった映画を見ると、自分はこういう立場にある人の事を、果たして本当に「人間」として扱っているんだろうかと考える。「国民の為に全てを犠牲にするのが当たり前。間違いは犯さないのが当たり前。感情を吐露せず全てに於いて冷静に、適切な判断を下すのが当たり前」・・・。

    もちろん犯罪は許されないが、彼らも、人間なのだ。

    ドキュメンタリー風になっているが、非常にドラマチックに作られていると思った。音楽もいい。

  • フランク・ランジェラとマイケル・シーンのW主演。しかし名前に記憶がないし、あまり記憶にない二人なのだがフランクはやはり記憶になかったが、マイケルは「アンダーワールド」のルシアンじゃないですか!いつも髭のイメージと狂気の眼差ししか見たことなかったからこんな爽やかなイメージは全然ないわ~

    「フロスト×ニクソン」
    https://www.youtube.com/watch?v=dzyEBsnpWqc

    ウォーターゲート事件のニクソン大統領をイギリスの司会者デービッド・フロストがインタビューで追い詰めるという物語。面白いのは舞台でもこのお二人が演じているのでいい作品に仕上がっている。

    ただこれを見て頭をふとよぎったのは「アフューグッドメン」のジャック・ニコルソンvsトム・クルーズが思い浮かんだ。インタビューの席上と法廷では全く違うのだが、どこか共通点がある。あっちを先に見ているので、ちょっと消化不良。でも、面白かったですね~この内容は知らなかったから!

  • ウォーターゲート事件を正面から扱った話ではないですが、事件の概要くらいは頭に叩き込んでおいたほうが楽しめます。

    延々と思い出話を繰り広げて自分のペースに巻き込む老獪なニクソンと、そこから逆襲に転じて最後には彼から贖罪の言葉を引き出すフロスト。この2人の対峙が見せる緊張感がなんとも見ごたえがあります。

    自腹で制作費を負担した上に放映権を売れないフロストの「後がない感」がこの緊迫感を持たせているわけで、また、随時関係者のインタビューによる解説が挟まれる構成が親切で、演出が冴えが目を引く作品です。さすがロン・ハワード。

  •  危なかった。dビデオでマシュー・マクファディンの出演作をあさっていなければ、こんなに素晴らしい映画を観ることはなかった。しかも「チョイ役なのではないか?」と思って後回しにしようかと、なんなら観なくてもいいかとさえ思ってた。でもなんとなく面白そうだし、配信期限が迫ってたから一応観るかーと思って観たんだ。そしたら、すごくいい映画だったんだ。危なかった!!!!!

     ウォーターゲート事件でアメリカ史上初めて任期途中で辞職した大統領となったニクソンと、アメリカ進出を目指すコメディアン上がりのイギリス人司会者、デヴィッド・フロストのインタビュー番組を題材にした映画。
     番組を利用して悪印象を払拭し、政界復帰を目論むニクソンに、フロストが仲間とともに全財産を賭して挑む……というお話。
     恥ずかしながら、ウォーターゲート事件をよく知らないのでざっくり調べてみた。共和党のニクソンが、野党であった民主党本部への侵入・盗聴を指示したり、その実行犯が捕まると今度は自分への関与をごまかすために証拠隠滅したり大統領の権限を越えて司法へ介入したりして、しかし最後には世論の反発に遭って大統領を辞任するに至った事件、という感じ。
     事件の内容は違うが、ニクソンは日本で言うところの田中角栄みたいなものかなーと思う。悪いこともやってたけれども、業績も大きかった人、というイメージ。(違うかも)

    ※ここ以降は本当にネタバレなのでご注意ください。





     とにかく、ニクソン役のフランク・ランジェラがすごい!
     大国のリーダーとしての風格とウィットを兼ね備え、一介のテレビ司会者が敵う気がしない。
     「悪事を働いた人間に同情させるのはとても難しい」というようなことを、「サイダーハウス・ルール」の作品解説でラッセ・ハルストレム監督が語っていたのを思い出した。この映画で、フランク・ランジェラは、そういう難しい役を見事にやってのけ、観客をニクソンに同情させるどころか、むしろ人間的な魅力すら感じさせる。特に終盤の、ついに国民に対して謝罪の言葉を口にするシーンでは、思わず彼を擁護したくなるくらいだ。
     あの表情を見ていて、私の頭はニクソンを離れて、「たとえ相手がどんな罪人であっても、本当に反省している表情を前にしたら、人間は憎み続けることができるのだろうか?」とまで考えてしまった。
     フロスト役のマイケル・シーンももちろんすごかった。ニクソンを追い詰めているはずなのに、なぜかニクソンに救いの手を差し伸べているかのように見える。このインタビューの後、ニクソンはついに政治の表舞台に返り咲くことなく1994年にこの世を去るわけだが、それが彼にとって良かったのではないかと私には思えた。自らの罪を見て見ぬふりをし、政界復帰を果たしたとしても、ひとりの人間として苦しいままだったのではないかと思う。

     脇役もみんなよかったんだけど、特筆すべきは、全裸ではしゃぐマシュー・マクファディンが観られること(笑)最後までずっとクールな役どころだったからすごくびっくりした!

  • Wikipediaでウォーターゲートの概要をざっと読んでから鑑賞じた。関することでジョークが挟んであったりしたし、そうして良かったと思う。
    主人公二人の演技、というか表情が凄いと思った。

  • 超大物を弁舌で陥落させるというシチュエーションはスパイ映画などとは違ったスリルがあった。自分のしたことを罪と認めるシーンは不覚にも落涙。オチは一種のジョークになっててニクソンの顔を立てる終わり方にもなってる。

  • ウォーターゲート事件で失脚したニクソン元大統領
    ×
    全米進出をかけた人気司会者フロスト

    ほんとにあったインタビュー番組が軸のお話

    ウォーターゲート事件とか詳しいことはわからない
    盗聴容疑?で歴代大統領初途中辞任することになって
    謝罪もなく汚職疑惑にまみれたまま引退したらしい

    そこに目をつけた野望に燃える若き英国司会者フロスト
    多額なギャラを支払ってまでインタビュー番組を企画制作する

    ニクソンはそれを逆手にとって
    政界復帰の足掛かりにしてやろうと目論む

    熱い男のトークバトル(o'ω`σ)σ

    4日にわけてインタビューするのだけど
    契約した規約を破ってフロストは汚職の質問をきりこむ
    それが何枚も上手のニクソンにしてやられまくる
    3日目までそんな調子でニクソンに転がされるフロスト

    側近らしきベーコンさんもすごい喜んでたヽ(´∀`)/

    煮え切らないフロストに支えてる仲間も
    イライラしちゃうんだけどね
    最終日4日目にして本気だすんだな

    追い詰められてしまったニクソンは
    本音の吐露と今までしてこなかった謝罪をする

    いやあでもニクソンの挑発電話が
    いい燃料投下だったのかもね

    予備知識があればもっと楽しかったかもしれない

  • 番組の中で大統領が自分の非を初めて認める、それはきっと今の、しかも日本人が想像できないくらい画期的なことだったんでしょう。

    意外と前半・中盤は淡々と、というか、フロストの本気っぷりが全く見えなくて。
    ただひたすら、まぁ勿論大事なことではあるんだが、スポンサー探しにばかり出歩いたりして。
    最終インタビュー前夜に、ニクソンから電話がかかってくるところからグッと引き込まれる。
    しかもその電話をニクソン自身が覚えていなかったという不思議。

    あの映画でのニクソンぐらいしか人物像を知らないが。
    決して嫌いではない、ああいうタイプ。

  • (^_^)b Backdraft等のRon Howard監督。
    ウォーターゲイト事件後、政界復帰を目論むニクソン元大統領と、米国進出を目論む英国人テレビ司会者フロストとの、実際に行われたテレビインタビューを中心に話が進む。このインタビューは米国では有名らしいが、その前後の展開も興味深い。
    どの役者(特に主役の二人)も素晴らしい演技だが、個人的にはKevin Baconが渋くてよかった。見応えのある作品。

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