夢 [DVD]

監督 : 黒澤明 
出演 : 寺尾聰  マーティン・スコセッシ  倍賞美津子  笠智衆  伊崎充則 
  • ワーナー・ホーム・ビデオ (2009年9月9日発売)
4.06
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レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988135610027

感想・レビュー・書評

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  • 夢だった。
    この作品にほかにどう感想をつければいいのやら。
    「夢」と題されて、本当に夢そのものみたいな、筋もオチも用意されていない、理解の頑張りようもない話、八つ。
    「こんな夢を見た」で始まり、そこで目覚めたのかよ、というくらい歯切れの悪い結末、の繰り返し。それはそれで力の抜ける面白さがあって可笑しくはあるけれど、「こんな夢を見た」と言われちゃあ「夢でよかったね」としか出てこない。
    ただその見た夢を映画として再現する力はすごいと思った。

  • 久しぶりに見ました。黒沢映画はほとんど見てないんですが、これは大好きで何回も見てます。どのエピソードも好きです。映像も綺麗だし、リアルだし、自分がその人の夢の中に入り込んだような気がします。現在の日本の状況を予知していたのか?と思うような話もあって、今でも古さを感じさせない映画。

  • 「」


    「日照り雨」ある日、五歳位の“私”は母に見てはいけないと言われていた狐の嫁入りを見てしまう。家に帰ると母が恐い顔をして立っていた。狐が来て怒っていた、腹を切って謝れと言ってたという。一生懸命、死ぬ気になって謝って来なさいと母は言った。“私”は白鞘の短刀を持って、虹の下の狐の家に行くのだった。「桃畑」桃の節句の日、少年時代の“私”は不思議な少女(桃の精)を見る。少女を追って裏の桃の段々畑に出ると、人間と同じ雛人形が集まっていた。雛人形たちは桃の木を切り倒した“私”の家には行かないと言った。だが、ひとりの女雛が桃の木が切られるときに“私”は泣いてくれたということで、大勢の雛人形が舞を舞って、桃の花盛りを見せてくれた。しかし、気付くとそこには桃の木の切り株だけが残っていた。
    「雪あらし」“私”たち四人のパーティは、雪山登山中に猛吹雪に遭遇し、視界ゼロの雪渓に迷い、次第に睡魔に襲われる。眠りの中の夢か、幻覚か、吹雪の中から美女が現われ、みるみる鬼女に変わっていく。“私”は正気に戻り、死の眠りに陥っている仲間を起こした。吹雪は弱まり、視界が徐々に広くなる。そして、そのすぐ側に黄色いキャンプが浮かんでくるのだった。
    「トンネル」“私”は陸軍中隊長で、ひとりだけ戦争から生還してきた。トンネルの入口に手榴弾を背負った犬がいる。犬は“私”に向かって怒り吠えていた。長いトンネルを抜けたとき、そのトンネルの中から戦死したはずの野口一等兵が現われる。野口は自分の死が納得出来ず、この世をさ迷っていたのだ。さらに続いて全滅したはずの第三小隊の隊列までも“私”の前に現われた。“私”は戦争のもたらした悲劇の苦しみを味わいながらも、彼らに静かに眠ってくれと哀願する。そして、第三小隊は、出てきたトンネルの中へ、隊列を整えて消えてゆくのだった。
    「鴉」画学生の“私”は、展覧会場に飾られたゴッホの絵に魅せられているうちに、気付くと「アルルのはね橋」の絵の中を歩いていた。“私”は絵の中でゴッホと出会う。ゴッホは手を休めることなく、精力的にスケッチを続け、終わると画材を担いで次のスケッチ場所を求めて立ち去るのだった。「鴉のいる麦畑」の道を足早に歩いていくゴッホの後姿の前を沢山の鴉が飛び立つ。そして“私”が立っているのは、ゴッホの絵の前だった。
    「赤富士」遂に原発が爆発した。富士山が真っ赤に溶けていく。逃げまどう群衆。大地が、波が震動し荒れ狂う。“私”はただ絶望的に赤い霧の中で抵抗した。そこへ一人の男が現われる。男は原発の奴らは許せないと言い、海に身を投げようとするが、その男こそ原発に関わる男だった。
    「鬼哭」遂に地球も滅びようとしている。生きているものは何一つない。だが“私”の前に異様な男が現われる。それは鬼だった。この鬼たちは飢餓に悩まされている。食べ物がないから弱肉強食のように共食いをしているのだった。夕方になると鬼は泣く。死にたくても死ねないから泣くしかないのだ。そして“私”はそんな鬼たちが血の池の回りで泣く、哭く、大勢の鬼の姿を見るのだった。
    「水車のある村」新緑に抱まれた自然の豊かな村。“私”はこの村で一人の百三歳になる老人に話を聞いた。老人は人間も自然の一部であると説く。そんなとき遠くから村の静けさを破って歓声が聞こえてきた。今日はお祭りですかと老人に聞くと、葬式だという。老人は賑やかな葬列に鈴を持って加わる。“私”はそんな名も知らぬ人の墓石に花を置いて、村を後にするのだった。

  • 小学生の頃、BS2の黒澤特集で観た。狐の嫁入りと鬼は完全にトラウマ。夏目漱石の『夢十夜』を彷彿とさせるが、こちらは全8編で構成されている。

    観返してみると、「夢」なだけあって荒唐無稽ではあるが、一編毎によくメッセージが盛り込まれている。原発事故を描いた「赤富士」で、着色された放射性物質を観た男性の「死神に名刺をもらってもどうしようもない」というセリフが強く印象に残っている。

  • とにかく色彩美。特に花。一番好きなのは野口一等兵の夢で、一番印象的だったのは赤富士。黒澤明がこの映画で伝えようとしたことしっかり受け止められていたら、日本の現状は違っていたかもしれない。黒澤版夢十夜。

  • 「こんな夢を見た…」から始まる短編の夢の話。

    とにかく感動や衝撃を受けた作品。
    授業で見たのですが、見終わった後何とも言えない感情が混ざり合った気分で感想文を書くときに苦労した記憶があります。

  •  観終わった今の自分の感情がなんだかわからない
     重かったり暗かったり明るかったりな色んな気持ちが混じってよくわからない
     感動したのか、ただ恐怖を感じたのかわからない
     水車はたしかに今でいうクリーンエネルギーだなーと思う
     黒澤明はこの映画を誰に見せようとしたんだろうか

  • 美しい映像と、気が遠くなる映像と、頭が重くなる映像

  • 「赤富士」原発はやっぱり怖過ぎます。
    黒澤明はわかってましたし、私は知らぬふりをしていました。
    地球は美しく日本は本当に素晴らしい国なのに残念無念、でもこれから変わっていくといいな~

    「こんな夢をみた」って・・・
    黒澤明はこんな夢をみるんだ・・・
    私もいちいち覚えておきたい。

    雛人形の踊りが綺麗だった。

  • 何度見ても、面白い。

    特に「第1話/日照り雨」の狐の嫁入り。
    「第2話/桃畑」桃畑で桃の精が雛飾りみたいになってるとこ。

    映像の美しさもだけど、それ以前に、他人の頭の中を覗き込んだ感が微妙に面白い。

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著者プロフィール

(くろさわ あきら 1910−1998年)
日本を代表する映画監督。1943年『姿三四郎』で監督デビュー。生涯30本におよぶ名作を監督した。『七人の侍』(1954年ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞)など海外の映画祭での受賞が多く、映画監督として初めて文化勲章、国民栄誉賞を受賞し、1990年には米アカデミー名誉賞が贈られた。

「2012年 『黒澤明脚本集『七人の侍』』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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