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- / ISBN・EAN: 4523215036801
感想・レビュー・書評
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白黒であり、少ないセリフながら映像で十分魅せる映画でした。
言葉による説明や音楽も最低限に抑えて淡々と進むストーリー。
決定的な部分は見せない所に独自の演出を感じる。
ロバの一生も、人の一生も共に苦労と不条理の連続だ。
何も語らないバルタザールが体現する生が
人間を上回る説得力を持つ。
結婚は時代遅れと語るヒロイン。この時代ですでに・・・!
現在の映画がどれだけのもので着飾っている、
纏っているのかを感じずにはいられない。
この静けさと荒さに新鮮さを感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ロバを通じての人間模様、ロバの目が語る。
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ロバ、バルタザールの一生と共に描かれる、少女マリーの一生でもある。
マリーはジャックと恋をするがマリーの父は裁判に負け借金しているが人に屈することができず孤独であり続ける。
マリーは村の問題児のリーダーであるジュビエールに手篭めにされ、彼を愛するも彼の悪は止まず…バルタザールは居場所を転々としながら鞭を打たれ、殴られ、売られ、殺されかける。
しかしマリーの元に戻ったのもつかの間、マリーはジュビエール達に悪戯され命を絶つ。マリーの父も死に、ジュビエール達はマリーの荷物とバルタザールを盗んで国境を越えようとして税関に撃たれる。バルタザールも脚を撃たれ、たどり着いた牧草地で最期を迎えるのだった。
バルタザールがかわいくも可哀想で、マリーもバルタザールより幸せな人生かって言われたらわからない、その父も、1人残された母も。物悲しくもロバの一生を描くという斬新な映画でした。 -
ロバのバルタザールと、それを取り巻く人間模様。
ロバの子供を初めて見たが、とにかくかわいい。ロバは成体でも顔や体躯がつまった感じだが、それがより一層つまっている。顔は馬より人間的。
制作が1966年、舞台はピレネーの小村らしい。自動車もあるがバルタザールは畑を鋤いたり荷物を運んだり、鞭うたれたり。最後羊の群れの中に1人?入ってい行く様がとても悲しい。
1966フランス、スウェーデン
2018.9.19BSプレミアム -
校長(マリーの父)がどういう嫌疑を掛けられたとか、浮浪者の処遇が釈然としない。
誰かのブログでストーリー展開は重要ではないとあったが、映像で見せるから作品だからこそ、ストーリーはもっと単純でも良かったと思う。
またもっとお涙頂戴もののメロドラマチックになったとしても、マリーとバルタザールが心を通わせるシーンが欲しかった(特にマリーの心が乱れて以降、二人が目と目を合わせるシーンもなかったような…)。
最初にマリーの家に逃げ込むシーンと、最後の銃弾に倒れるシーンには号泣。
バルタザールの演技(つぶらな瞳)だけなら★5だし、もっとバルタザール目線でのカメラワークでも良かったのかな…
追伸
鑑賞後、様々な解説を読んで、やはりもう何度か観てみたい、奥の深い作品なり。 -
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人間の罪悪を冷徹に見つめるロベール・ブレッソン監督が、無垢なロバを写し鏡に人間の醜さを炙り出す。
ヴェネチア国際映画祭で審査員特別表彰など3部門受賞。
人間関係とか、分かりにくいし
よく分かんない系
好みでないなぁ。 -
動物映画は、そもそもあまり得意でない。
とりわけお涙頂戴に徹する類は、どうも受け付けない。
しかし、先日観た「戦火の馬」は動物を撮ってはいるものの、そこに嫌らしい演出はあまり感じられず、むしろ馬の躍動美がスクリーン一杯に映し出されていたことに目を見張った。
すると、知り合いから、この「バルタザールどこへ行く」を紹介された。
「戦火の馬」はこの映画にインスパイアされているに違いない、ともことだった。
実際観てみると、その構成といい動物を中心に進む点といい、大変よく似ている。
馬の疾走感のすがすがしさとスピード感もよかったが、ロバの瞳の語りははるかに馬を超えていた。
また、構成自体も「バルタザール」の方が圧倒的によく練られていた。
ラストシーンのキリスト教的な映像もかなり良い。