おそいひと [DVD]

監督 : 柴田剛 
出演 : 住田雅清  とりいまり  堀田直蔵  白井純子  福永年久 
  • トランスフォーマー (2010年4月1日発売)
3.59
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本棚登録 : 108
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4522178008016

感想・レビュー・書評

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  • 展開それ自体がクライマックスになってしまっているのが残念。
    欲を言えばサスペンスが欲しかった。

  • 強烈にワールズエンドガールフレンド

  • 重度障害者の主人公が連続殺人に手を染める様を描いたモノクロ映画。物語自体はフィクションだが、主人公・住田雅清を演じるのは実際に電動車椅子で外出し、ボイスマシンを使って会話する重度障害者である住田雅清本人。
    この作品の撮影が終わったのは2000年で、2004年には編集等も終わっていたが、その内容の過激さゆえ賛否が渦巻き、国内での公開は難航。海外の映画祭などで高い評価を受けた後、2007年にようやく国内の劇場で公開された。

    すげえ偉そうな感想を書くと、「これはアリだな」と思った。

    この作品についてもっともらしい説明をするなら、「性欲もあり、殺人もするのが人間なんじゃないか」とか言うのが手っ取り早い。つまり、障害者だからといって純真無垢な存在ではなく、他の健常者同様に感情があり、物騒ですらある発想を心に抱いていても何らおかしくないと。

    住田がなぜ殺意を抱き、殺人に至るかは明示的には明らかにされない。考えられうる原因はなくはないが、ヘルパーなどとの間で交わされる普段のコミュニケーションでは、彼の意見や心の動きなどは決してわかりやすく見えるものではない。そのため、原因の推定は可能性の域を出ない。

    もちろん、そうした形で障害者を描くことで「障害者への偏見を煽る」という意見もあるかもしれないが(確かに住田の笑顔はかなり気味が悪い)、しかし障害者を神聖化するような描き方も同様に差別である。「障害者」を多面的な人間として捉えるならば、その負の部分をも表象することには意義がある。

    ちなみに、この映画が日本での公開が危ぶまれた、というのは簡単な理由で、24時間テレビやパラリンピックのような、「清く正しく努力し、生涯を乗り越える障害者」のような陳腐な(しかしこの社会で広く受け入れられている)図式から、露骨にはみ出すからである。

    しかし、繰り返すように、そのように障害者を美化・神聖化した姿しか描けないとしたら、それはやはり差別なのである。

    「障害者が、何を考えているのかわからない、気味が悪い存在として描かれているから問題」も何も、「人間ていうのはそういう気味悪い存在でもあるんですよ」、ということなんじゃないかということです。

    ちなみに、BGMでは電子音楽系のノイズミュージック(World's End Girlfriend)が「がぐぅおーんギュルギュルギュル」みたいな感じで挟まれてて、それも良かった。社会派映画っていうよりアート系なんだと思う。
    けっこう美しい映画です。

    ところで、この映画を観て「タクシードライバー」を連想した人はわりと多いと思うし、「タクシードライバー」がアリなんだったら、これだってアリだろう。傑作。

  • 障害者云々言う人が多いだろうけど、ただ殺人鬼を障害者が演じているというだけで作品自体は可も無く不可も無い。

  •  脳性マヒの障害者がふとしたことから連続殺人鬼となる問題作。
     
     ”住田”を演じる住田さんはインタビューなどの写真を見ると体型から雰囲気から全然別人。恐ろしいまでの役作り。
     ”住田”はとても怖くて得体の知れない感じがしてどこか物悲しい。しっかりとホラー映画の殺人鬼として成立している。これを不謹慎と見る人もいるだろうが、そもそもホラー映画の殺人鬼達は何らかの異形であり、それによって社会から迫害されていた者達だ。この映画が不謹慎なのではなく、ホラー映画自体が実は真面目なものなのだとこの映画を見て思った。

     この映画はすごい。これぞ本当のホラー映画。

  • これ…正直なとこ、どうとらえていいのか、どう評価すべきなのか全くわからない。
    それはこの作品が駄作だとか、脚本や監督の出来が悪いとかそういったことではない。映像はモノクロで狂気の場面の表現とかは斬新さがあるし、音楽監督がworld's end girlfriendが担当していて、この物語に相応しいであろう音で、住田さんの内に隠された狂気を演出しているし。
    ただ、純粋にこの作品を、どういう位置づけで自分の中に消化すべきなのか、脳内で処理が追いつかない。監督の意図を掬い切れていないのもあるのかもしれない、というかそれが理由なんだろうけど。
    ほんとに拙い私見では、健常者の自己満足のための偽善、感じる狂いだしそうなほどの様々な感情、そしてその負の感情の発露としての殺人、ってことかなーなどと。
    なんて言えばいいのか、人の、本当に心の奥ってわからないから、本心からの善行であったとしても、それが辛いことも、痛いこともある。それを感じずに行われるそれは、暴力と変わらないよなーとも感じた。(少なくとも自分は、住田さんは自分なんかに共感などされたくはないかもしれないが、この暴力で傷ついたことがあるから共感できる)
    これ以上掘り下げられそうにない。再度観て…までの気力はないなぁ。
    「障害者やからって一緒やろ」。やっぱりこの言葉が一番の引き金になったのかな。

  • メディアに毒されたお涙頂戴&いい話至上主義の価値観を押し付けて美談を他人に強要してくる人というのはどこにでもいて、そういうのは本当にうんざりさせられるものだけれども、そんな"いい話"の代表格である「障害者=心優しい善良な弱者」という優しいようで実は極度に舐めきっている視点を根本から破壊するようなこの映画の視点は上にあげたようなものに比べればよほど真面目に考えられていて、やっちまえやっちまえと、大いに頷きながら観た。

    人から押し付けられた正解より、たとえ間違っていても自分の頭で考えることの方がよほど大切で、その点で柴田監督はどうあれしっかり自分の頭で考えて、自分の回答を自分の言葉で語っている。

  • これはこの10年の日本映画で出色のものだと思う。
    この作品の前には「冷たい熱帯魚」も色あせるね。
    ちょっとおっかないけど、そんなにグロくもないので観ても大丈夫です。
    演技も脚本も演出もどれも最高だ!
    ユーモアと表裏一体の恐怖。こういう作品はなかなか作れるものではない。
    ことに住田さんには最優秀主演男優賞を日本アカデミー賞も、本家のアカデミー賞も与えるべきだった。
    まあ、とにかく観てください!!

  • 身体障害者が殺人鬼となる話。前半の日常生活を描く場面が秀逸。
    若干話題性のためにテーマとして起用している感はあるが、差別のない描き方だと思う。カメラワークとモノクロームの映像が好き。
    後味は少し?という感じ。

  • 舞鶴、京都などを舞台とした作品です。

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