カティンの森 [DVD]

監督 : アンジェイ・ワイダ 
出演 : マヤ・オスタシェフスカ  アルトゥル・ジミイェフスキ  マヤ・コモロフスカ  ヴワディスワフ・コヴァルスキ  アンジェイ・ヒラ  ダヌタ・ステンカ  ヤン・エングレルト 
  • アルバトロス (2010年5月6日発売)
3.79
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レビュー : 64
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4532318403373

感想・レビュー・書評

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  • “ポーランド”良く聞く国名なのに、いざこの国について知っていることは何かと数少ない知識しかない。
    そのポーランドをまずはドイツが占領し、そのあとにソ連が侵略する。
    私は、ヨーロッパの近代の歴史をほとんど映画をとおして知ることになった。それ以前に高校で学び、受験勉強で世界史を選択していながら、その知識は表面的な知識でしかなかったため、読書や映画をすることによって歴史を眺め考察するための材料とはなりえなかった。うえに書いたポーランドの良く知られる歴史でさえうろ覚えの状態だったし、ましてや『カティンの森事件』なる衝撃的な事件を知ることはなかった。

    衝撃的だった、ポーランド将校たちだけを集めて後頭部へ至近距離からピストルの引き金を引いて、一発で殺す。次から次へとひとりづつソ連兵の手に引かれて、血で濡れた銃殺室で犯行が行われる。15,000人もだ。
    この映像が異様に感じるのは、アウシュビッツに見られるガス室へ送り込んでの大量殺戮は、殺す側がその殺戮という行為から自らに降りかかる恐怖や人間のもつ本質的な禁忌を避けて考え出されたものであろうことが想像されるのだが、目の前で続けて何人も何人も同じ人間を殺した人間がいたという事実だ。ときどき挟まれるドキュメントの映像が映し出されるが、15,000人の人の山はかつて人間であったとは思えないありようでそこに放置されている。
    ソ連という知り合いもいず、行ったこともない国をたまに想像想像することがあった。それは私がまだ中学生だった頃に母が語ってくれた戦争の思い出話しの中でのことだった。母は歯舞諸島で生まれて、そこで生活していたが、日本が敗戦を迎えた日とほぼ同時にソ連兵が北方領土を侵略してきたらしく、その頃まだ幼かった母は家族とともに漁で使っていた小さな船で逃げたらしいのだけれど、その時に周囲で耳にしたソ連人の恐ろしさを良く語っていた。
    1億4千万人と日本とさほど変わらない人口があの広大な土地に暮らしている。ということは人が住めないようなところがいかに多いかでもある。経済の低迷が続けていてもプーチンの大統領支持者は80%以上。表現の自由を誇るアメリカへはSNSを使って大統領選挙に介入してトランプを大統領にしてしまう。国家をあげてのドーピングでオリンピックには国としては出場できず。それでも音楽ではなかなか過激で自由な活動をするグループもいる。街頭インタビューで答える人たちはしっかりと自分の意見を持っている者も多く感じる。男は強いウォッカをガブ飲みするため短命。だけど、短気で暴力的。テレビに映る女性は綺麗な人が多いが、歳をとると体格が変わる。でも、文豪が多く宇宙開発では、常にアメリカをリードしてきている。
    さまざまなイメージを繋ぎ合せて持ち合わせたソ連の悪いイメージはあったが、この映画で知った『カティンの森事件』でのソ連の信用ならなさは決定的だった。
    自分たちが殺した15,000人のポーランド将校の罪をドイツになすりつけようとした、そしてその証拠がために親ポーランド将校を利用しようとする。
    このクソ野郎!と思わず言ってしまった。
    何か恐ろしいものが根っこのところに存在している国で、この国と親交を結ぶのは避けたいと感じてしまう。たとえ米軍基地で兵士が殺人を起こしたり、ヘリコプターを落としても、ロシア人よりはアメリカ人の方を選んでしまうだろうなぁ。
    佐藤優氏によって語られたソ連の書物も何冊か読んだがどうしても暗く、怖いイメージが常に背後に漂っていた。

  • ★~ポーランドの悲劇~★

    赤い思想 赤い国旗 赤い血・・・スターリン

    ポーランド国旗は横ボーダーで上が白地で下が赤、
    ソ連軍によって、その白の部分を破り捨てられ
    ただの赤旗にされてしまう。

    日本の国旗だったら、
    白地を切り取られるとまん丸の赤丸になってしまう・・・

    他国の国旗を破いたり、踏んだり、焼いたりする蛮行は
    どうかと思うね。

    ポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダ監督の作品、

    ワイダならではのポーランドの悲劇を描いている。

    非常に観ていて辛い作品でした。

  • 第二次世界大戦後の話はドイツの二分割とともにほとんどが東ドイツから生まれているような気がします。戦時中でさえも武器にも食糧にも困窮したソ連が占領軍として統治できるなどと考え付かなかったのだろうか?連合軍としての参戦も米英の物資補給によるものだったというのに……

    日本兵が受けた強制収容所での扱いも映像や文献で見る限りナチスの強制収容所と何ら変わりはないものにも思える。

    「カティンの森」
    https://www.youtube.com/watch?v=H3vC90d7GWo

    ドイツにもそして救助しに来たはずのソ連に出さえも国を蹂躙されたポーランド。戦時中に行われたソ連のポーランド兵を中心に民間人を含めて22000人の虐殺は連合国の和を乱さないようにと考えたのかチャーチルもルーズベルトも口を結んでいた。

    その後のニュルンベルク裁判においてもカティンの森事件はナチスの行ったこととして訴えたのはソ連だった。なるべくしてなった事件。自国民の食糧配給もできない無能な政治家。スターリンを筆頭に彼らには他国民などどうでもよかったのだと思う。

    この作品、頭を撃ち抜くシーン、死体を穴に蹴落とすシーン、ブルドーザーで穴を埋める……こんなシーンばかりのような気がする。凄惨さは理解できるが、伝わってくることが薄い。僕も昨年に知った事件だと考えるとリアル感がどうしても伝わってこない

  • 登場人物の一人が劇中で語る「我々は悪に囲まれている」という言葉がこの映画を簡潔に要約している。悪とはソ連であり、ドイツであり、そしてひいてはカティンの森事件についてだんまりを決めてきたイギリスやアメリカなど、すべての国である。そしてその悪はポーランドの中にもある。アンジェイ・ワイダ監督はカティンの森についての「責任」を追求するのにあたり、ひじょうに多種多様な角度からそれを描いていて、安易な結論、感情的な断罪に飛びつかない。だからこそ、この映画は真の傑作になっていると思うのである。
    翻って日本でこのような映画が作れるのかと言えば、正直、それは今のところ期待できない。原爆、沖縄戦、特攻・・我々はその「事実」にどれだけ向き合えるのだろうか。もっともっと悲劇的な経験をしないといけないのかもしれないと思うと、ちょっと陰鬱な気持ちになる。

  •  第二次世界大戦時のポーランド分割時に起きた虐殺事件であるカティンの森事件を描く。

     カティンの森事件は長らくナチスの仕業とされていた。しかし、実際はソ連によって行われていた。戦後、東側となったポーランドではその真相が明かされることはなかった。
     この映画ではカティンの森事件の被害者の子どもである監督が冷戦時では決して描かれることがなかった事件の真の姿を描いている。
     面白かったのは虐殺事件そのものよりもソ連体制になって事件の真相が闇に閉ざされる過程がしっかり描かれている点だ。ポーランドの人々にとってカティンの森事件は二重の苦しみだったことがよく伝わってくる。

     歴史的な価値の高い一本。

  • カティンの森事件という歴史的事実すら知らなかった自分は絶句。
    しかもアンジェイ・ワイダ自身の父親がこの事件で殺された。その記憶は物語としてまとまってはいるが、その背後に横たわる事実をかんがみると冷静には見られない。何より、信じがたいという思いがつねに先行する。これはフィクションの形をとった記録なのか、それとも記録の形をとったフィクションなのか。よくわからなくなってくる。

  • 時間があれば

  • Splendid, indeed.Highly recommended.

  • 虐殺された将校たちの家族の思いを入念に描き、外堀を埋めてから、最後の最後で核心の出来事を丸投げするように淡々と描く。途中までは、ポーランドの人たちはつらい目にあったんだな、と普通に見ていたが、ラストでそのすさまじさにショックを受けた。

  • 戦争映画には「死」と「殺す」が描かれているが、この映画ほど同じ人間に対してまるで家畜を屠殺するように感情移入を一切交えず、殺される側の恐怖が頂点に達する余裕さえ与えず「ただ殺す」を見せた映画はないと思う。

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