パンドラの匣 [DVD]

監督 : 冨永昌敬 
出演 : 染谷将太  川上未映子  仲里依紗  窪塚洋介  ふかわりょう 
  • ジェネオン・ユニバーサル (2010年8月3日発売)
3.53
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  • (20)
  • (7)
  • 本棚登録 :360
  • レビュー :67
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102859435

感想・レビュー・書評

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  • 「やっとるか」「やっとるぞ」
    「がんばれよ」「よしきた」

    結核患者の療養所、健康道場で暮らす少年が、生と死のはざまで恋する物語。

    太宰の原文を各所に散りばめつつ、それを若造の、当時16だか17だかの染さんが演じても何ら違和感がないということがすごいなあと思った。
    言葉づかいだって下手したら浮くし、「ん?」となってしまいかねないのに、ならなかったのは演出の極み。
    オールアフレコのこだわりと、未曽有の震災が起きる前の南三陸町のロケ地で撮影されたというところも見ごたえがある。

    ミッキーカーチス(塾長)の訓話にのせてはじまる健康道場の体操と、助手たちのコーラス。
    病気とは無縁かのような平和な風景から一転して、とつぜん仲間が死んだりするところが、むかしの結核の切迫さを象徴しているかのよう。

    ふたりの女性のあいだで揺れ、
    親友と親友が恋した女性とのあいだで揺れ、
    生と死のあいだで揺れ、
    いっそがしい青春だ。

    マァ坊の仲里依紗、竹さんの川上未映子、どちらもよかった。

    竹さんは作家なので演技力にはまったく期待していなかったのだけど、冒頭の寝姿、バスの中であどけなくゆれる寝姿が素晴らしかった。
    正面から見るとさしてべっぴんさんではないのだけど、ななめ、横顔、ふとした表情がとても魅力的。
    竹さんとひばりの交流シーンは、とくに恋愛を意識させるセリフはないのに、なぜかすごくドキドキしてしまって、
    竹さんがカツラを脱ぐところと、
    ひばりの足を拭いたげて膝に座るかと見せて草履を譲るところ、
    紅を薄くさしていると告げて唇をみせるところが色っぽかったな。
    ひとによっては、拭き掃除の姿ですらムンムンくるみたい。
    まあ、わからんでもないな。

    でもやっぱ、この映画の最大の魅力はひばり役の染さんなのです。

    竹さんに「おめでとう」を告げる際のニヤニヤ。
    この「ニヤニヤ」こそがひばりであって、とにもかくにも、さりもさりとて、小憎たらしくて可愛くて辛抱たまらんくなるのです。
    母性のしっぽをムンズとつかまれた心持ち。

    かざってない、ポーズじゃない、だから真剣にこっちも目で追ってしまう
    そういう引きがこの俳優には漂っている。


    この子は日本映画に希望を与えるなあ。

  • 2009年 日本
    監督:冨永昌敬
    原作:太宰治『パンドラの匣』
    出演:染谷将太/川上未映子/仲里依紗/窪塚洋介

    2009年は太宰の生誕100年で、映画界も太宰イヤーでしたね。こちらは、監督が冨永昌敬ということでちょっと警戒してたんですが(※以前見た『パビリオン山椒魚』が超絶つまらなかった)、キャストが良く、目の保養度が高かったので、思ってたより楽しく見れました。

    主演の染谷将太くんは、テレビドラマ版の『バッテリー』で意地悪な先輩役をやっていたときに、キレイな子だなあと思っていて、その後もちょいちょい脇役で出てるのはチェックしてたんですが、ちょっと古風な感じの美少年っぷりで、書生さんファッションも似合っていて可愛かったです。そして何より個人的に、窪塚洋介ってやっぱり美しいなあと惚れ直しました。

    太宰作品の中では明るい種類のものだと思うので、軽くさらりと見る分には悪くなかったと思います。
    (2010.04.06)

  • 2009/10/14新宿にて。
    このパンドラの匣に詰まってるのは
    きっときらやかな未来でしょう

    染谷将太は妙にセクシーで
    仲里依紗が可愛さをふりまいて
    川上未映子の色香に参ってしまう
    窪塚洋介は溶け込んでいて違和感なし
    キャスティングが見事なのだけれども、
    不惑へのカウントダウンが始まった35歳
    ふかわりょうの26歳大学生は無理がある

    布団部屋のシーンが強烈に残って刺激してやまず
    看護婦の衣裳は敢えて時代を無視しているのもいいし、
    菊地成孔の甘い声もかとない余韻をスクリーンに漂わせる

    可愛らしさや弱さは10代~20代前半の美徳であり、
    強さというものは20代後半からの魅力であるなあ、
    と映画のマア坊と竹さんを比較して思ったり。

  • ★★★liked it
    『パンドラの匣』  冨永昌敬監督
    パンドラノハコ  トミナガマサノリ

    原作は太宰治『パンドラの匣』
    戦後、少年ひばりは、「健康道場」と称する風変わりな結核療養所に入所。
    気まぐれで明るい看護士のマア坊や、美人看護士長の竹さん、
    個性的な療養患者たちとの日々を通して、生きる活力を取り戻す。

    映画の雰囲気が好きだなぁ
    染谷さんのナレーションがすっごく効いてる
    アレンジされてるところは賛否分かれるんだろうけど
    原作に忠実に映画をつくると、ぜったい原作越えれないし
    原作も好きだけど、映画も同じくらい好きになった。
    明るい、希望に満ちた感じいいなぁ

    「やっとるか。」「やっとるぞ。」
    「がんばれよ。」「よし来た。」

    蔓は答えるだろう。
    「私はなんにも知りません。しかし、伸びて行く方向に陽ひが当るようです。」
     さようなら。


    冨永昌敬interview
    『パンドラの匣』は僕の物語のつもりで撮ってるんですよ。太宰から奪ってる。こちらも人間だから、どんなにその原作が好きでも盲信はできないし、自分の物語として責任を取る自信がなかったら映画にできるものではないんです。だから原作通りになってるとは思ってないですね、ならないと思ってます。
     今の女優さんは皆さん、すらーっとしてるじゃないですか。昭和20年の日本人に見えないんです。そんな人たちから探しても、竹さんは見つかるわけがない。じゃあ女優以外の人なら、という話になったときに「そりゃあ、川上未映子でしょ」って。もう、はっきり大阪の人だし、ぜんぜん女優じゃない。昭和20年の人から見て、ちょっと大柄な女性という意味で「竹さん」にかなり近いんです。なんとなく顔もね、大阪の女の人らしい顔で

  • 2016/10/10

  • 川上未映子が美人やった。声ははじめて聞いた。
    まさかのヒミズの二人が出てる事に知らず観た。
    不協和音?怖い音をよく使ってる割に笑える?シーンもあるのはなぜだろう、いや何かよくわからない印象。
    太宰治のパンドラの匣のような雰囲気を出したかったからかな?
    思ったよりは面白くなかった。

  •  私が勝手に太宰治の最高傑作と思っている『パンドラの匣』が映画化。
     期待して視聴しました。

        
     舞台となる“健康道場”のレトロで牧歌的な描写を堪能。
     原作にある描写やセリフをかなり忠実に拾っていて、原作に忠実な映画化かと思っていたら、途中から微妙にパラレルワールドの世界に。
     原作をそのまま映画にしても面白くない、ということで新解釈を狙ったのでしょうか。
     太宰治作品らしからぬ前向きでほのぼのとした原作なのに、原作以上に太宰治ワールドに近い味付けになっていました。
     ネタバレになりますが、感想や疑問点をメモしておきます。
       
    少年少女・ネタバレ談話室(ネタばらし注意!)
     原作以上に太宰治的 映画「パンドラの匣」
      http://sfclub.sblo.jp/article/166626556.html

  • 「やっとるか?やっとるぞ。がんばれよ。よぉしきた。」
    これが何度も繰り返されて、耳に残っている。日常のなかで展開される作品性がとても上手く表現されていたと思う。
    染谷将太はさすがの演技力。仲里依紗も申し分ない。

    太宰の作品はゆっくりとしたテンポで進むことが多いから、それが心地よい感じで、でもどこか物事を達観している感じをこそばゆく思いながら楽しめた。

  • 戦後まもない結核療養所の物語
    療養所という小さな世界の退屈な時間の流れ

    「やっとるか?」「やっとるぞ」
    「がんばれよ」「よぉしきた」

    独特なやりとりが何度も繰り返され、そのたびに少しずつ微妙に意味合いや関係が変わっているのが面白かった

    けれど
    大きな山も谷もないストーリーがなんとも眠かった
    眠たい時に見るべきではなかったな……

    時代は終戦直後
    山奥の療養所にも
    女性はオシャレが許され
    若い男は新しい時代を求めてやまない
    時代感があった

  • 原作とは、すこし違うけどオリジナルの良さは損なわれていない。
    数ある太宰作品の映像化の中では、かなりの良作。

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