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- / ISBN・EAN: 4988111286895
感想・レビュー・書評
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人の心は不可解なもの
真実ではなく思考すること
負の感情が入り乱れ世の人が悪に見える
人とは人間とはどれだけ汚れても
逞しく生きるものだ
優しさや哀れみをなくしても
なお生きていかねばならぬ
がそれをなくした人間は人間ではなくなるのかも知れない
悪だ鬼だ!
だかこそ最後のカットが心を打つのだと思う
修羅の場になってこそ人が人としての本質が出るのだと
誰もがそうであってほしい
人をやっぱり信じたいです -
自分の体裁を繕うための嘘
誰だって自分が一番大事で平気で他人を陥れ見捨てる
ズンズズズズンというボレロ調の音楽に追われるように
錯綜する人間の浅はかさエゴイズムが暴かれていく……
ラストに一部始終を目撃していた志村喬と
立ち会うことになってしまった千秋実の
二人が人を信じる心を思い出すシーンで、人間はまだ捨てたもんじゃないのだと、かなり救われた気持ちになった
ギラギラに野性味あふれる女好きの悪人、実はヘタレな三船敏郎
しとやかで妖艶な魅力のある武士の妻、実は気性の激しい女な京マチ子
黙っていればイケメンな武士、だけど実はカッコ悪い森雅之
自分を良く見せるための嘘の人物像と
その真逆の本当の人物像
この二面性を演じ分けがすごいなと思う -
【コメント】
人間というものを描いている。
*** 物語の展開が面白い。
羅生門の雨宿りでたまたま居合わせた三人。
ちょっとした暇つぶしのつもりの立ち話は、
人間の性(さが)に分け入っていく。
*** 古さを感じさせない
1950年の映画の割には古さを感じさせない。
デジタル版ということもあるのかもしれないが、
白黒なのに、光や雨の描写が瑞々しくて印象的だった。
*** オリジナルのオリジナル
映画のオリジナルは、芥川龍之介の「藪の中」で
はあるが、そのまたおおもとは平安時代に編纂された
今昔物語なのだそうな。(参 wikipedia)
【内容】
羅生門に雨宿りで顔を合わせた三人が、
雨が上がるまでの暇つぶしにと、最近おきた
殺人事件について話題にする。
その殺人事件では、不可思議なことに
容疑者達がみな自分が加害者だ!と言い張るのだ。
(尋問するために巫女に憑依させた)被害者までも
自分で自殺したのだ!と言い張る始末…
いったいどうしたことなのか?
と皆、首をひねることに。 -
三船敏郎の顔面説得力。光の使い方が相変わらず凄い。ただストーリーが「羅生門」でなく「藪の中」だったのは知らなかった。志村喬いい顔してるなあ。
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制作年:1950年
監 督:黒澤明
主 演:三船敏郎、京マチ子、森雅之、志村喬
時 間:88分
音 声:日:ドルビーデジタルモノラル
平安時代。
ある森の中で侍とその妻が盗賊に出くわし、侍が命を落とした。
やがてこの事件は検非違使のもとで裁かれることになるが、当事者である盗賊や侍の妻らの言い分は大きく食い違っていく。 -
主観と客観。
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映画館の京マチ子特集で見ました。
主演は京マチ子、三船敏郎という豪華メンバーであったけど。だまされて樹に結び付けられる森雅之さんの眼が一番印象的でした。あと、巫女さんの演技が怖かった。
京マチ子は眉毛をそってオーディションに現れたとか。このころの日本演劇界って、すごく「ガラスの仮面」の世界に近いのですね。