坂の上の雲 全8巻セット (新装版) (文春文庫)

著者 : 司馬遼太郎
  • 文藝春秋 (2010年7月15日発売)
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坂の上の雲 全8巻セット (新装版) (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • バルチック艦隊を下した連合艦隊参謀・秋山真之。
    日本騎兵の父といわれた秋山好古。
    明治期を生きた俳人・正岡子規。
    伊予の3人の若者を中心に、明治期の日本人の姿を、日露戦争を通して描いた長編小説。

    この小説は、司馬氏の「余談ながら・・」ではじまる膨大な「こぼれ話」で成り立っているように思う。
    そして、坂の上の雲を目指して歩いた、楽天的でひたむきな人々を描きつつ、常にその念頭には「坂の向こう」のことがあったのではないだろうか。

    ほぼ、長編の司馬作品は読んできたが、この作品が、一番「司馬遼太郎の声」がよく聞こえた。臭み、と言ってもいいように思う。
    必ずしも盲目的に受け入れているわけではないが、その臭みこそが、この作品を魅力的にしている。
    司馬作品の中で、私は「坂の上の雲」が一番好きだ。

  • 乃木希助と児玉源太郎の対比が面白い。乃木は詩的、哲学的には素晴らしい素質があったが、指揮官として戦争を遂行する能力は低かった。児玉は詩の才能はまるでなかったが、策戦家としての実務能力に優れていた。詩的、哲学的な能力と、実務的な能力は相反するものなのかもしれない*。確かに、詩的な「美しさ」や、哲学的な「深さ」などは、現実的に妥当な判断を迅速に繰り返さなければならない戦争という状況においては邪魔になることが多いだろう。仕事でも同じ。

    *トルストイも、「戦争と平和」の中で似たようなことを書いている。国の転機となる大きな戦争を描いて国民的作家になったという点で、司馬は日本のトルストイか。

    その他、面白いと思ったところ。

    ・大山巌について
    大山巌は、もともと非常な智恵者で通っていたが、人の頭に立つにつれ、自分を空しくする訓練を身につけはじめ、ぼう洋たる風格を作り上げた。
    「人は何も知らないに限る。何も知らないから私はどこへでも行ける。まことに重宝な人間である。」

    ・日本陸軍について
    信長の偉大さは、寡を持って衆を制した桶狭間の成功体験を捨て、その後は圧倒的兵力を持って敵を制するという戦争の定石を取り続けたことであった。日本陸軍はそうではなく、日露戦争の勝利体験を捨てられず、太平洋戦争敗北まで、寡を持って衆を制す方法を取り続けた。
    陸軍にはその国の国民性が強く現れる。日本陸軍の特徴は、地味で論理性が要求される補給を軽視すること、神経質過ぎて戦場での射撃が下手なこと等である。

    ・日本人について
    日本人の気質として存在する、相手の心を取りたいために自分の属する上部構造の無知、臆病というものを卑屈な笑顔でぶちまけてしまうといった心理。

    様々な分析や洞察は確かに面白いと思うが、物語としては「竜馬がゆく」の方が好き。

  • 大好きです。

  • 明治維新から日露戦争にかけての日本の躍動を秋山兄弟と正岡子規を中心とした描写で綴っている。若者が混乱の時代に夢を持って活動する姿に年代を超えて共感できるのでは。私は40歳で読んだが、もっと若いうちに読んでおきたかった。

  • 明治の時代人がどれだけクールにアツく頑張ったのか、司馬遼太郎の落ち着いて批判的な筆致の中からも感じ取れる時代を超えた名著。読むと自分がアツくなれて、頑張ろうと思える、自分にとっての心の故郷。

  • 日露戦争で活躍した人物に焦点を当てて描く
    好古の泰然自若とした振る舞いがかっこいい

  • 秋山好古・真之兄弟とホトトギス・正岡子規、そして日露戦争。真之人気が高いが、騎兵隊の好古に魅力を感じる。

  • 面白かったです。長かったですがあっという間でした。ドラマを見ていたので入り込みやすく、熱量が伝わってきました。真之が好きでしたが、バルチック艦隊との海戦の辺りから勝利を天佑と感じ始めたところで、戦争は人の心を変えるのだなと寂しくなりました。日露戦争では、戦勝国も敗戦国も、敵対する相手への対応がその後の大戦とは違うところを興味深く思いました。考えさせられるところもあり、読み継がれることがわかった作品でした。

  • FRaU 2016年12月発売のものにて
    何度も読んでると紹介。

  • 県民なら読む一冊

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