チャイナタウン 製作25周年記念版 [DVD]

監督 : ロマン・ポランスキー 
出演 : ジャック・ニコルソン  フェイ・ダナウェイ  ジョン・ヒューストン 
  • パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン (2010年10月7日発売)
3.72
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感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988113760539

感想・レビュー・書評

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  • 1975年日本公開作品。1930年代のロサンゼルスを舞台にしたハードボイルド。相変わらずのジャックニコルソン、クールです。刑事から私立探偵、浮気調査の依頼から殺人に巻き込まれてしまうと言うありがちな展開ですが。面白い。この時代の風俗が、カッコいいです。丸みを帯びたクルマ、主人公のスーツの柄やネクタイの趣味、ワイシャツ、ポケットチーフ、シガレットケース。オシャレだなあ。できれば、タイトルになっているチャイナタウンで、何があって警察を辞めたのか知りたいなあと思いました。

  • 昔はじめて観た時は、父親による強かん妊娠というすさまじい暴力と、あまりにも残酷なラストにうちのめされて、「フィルムノワールの傑作!」とずっと思っていたのだけど。いま見直してみると、まさにフィルムノワールという定式におけるミソジニーこそが作品のテーマだったのではという気がしてくる。
    ロサンゼルスの街をつくりあげ支配する家父長ジョン・ヒューストンが、当然のように娘たちをつくりあげ支配しようとする、そのおぞましさ。この構図の中で「探偵」がどんな役割を果たすのかといえば、家父長の女を奪おうとしてその権力に挑み、敗北の中に沈んでいくことになる。
    しかしギテスは明らかにノア・クロスのミソジニーを共有してもいる。最初にイヴリンと出会う場面からして、彼は最悪にセクシストな「中国の」冗談を言ってバカ笑いしているところだし、イヴリンと関係をもつものの、彼女が容易に秘密を明かそうとしないことに不信感を抱いて冷たく突き放す。このときの「おやすみ、ミセス・モウレー」という台詞には、ただの冷淡さだけでなく夫の死後に他の男と関係をもつ女への軽侮が聞きとれる。イヴリンはこのときたしかにギテスを信頼したがっていたにもかかわらず、救いを求める手は振り払われ、もはや彼女の秘密はギテスの暴力によって無理やり明るみに引き出されるしかないが、そのときにはイヴリンが救済される道はすでに絶たれてしまっているのである。
    彼女の無惨な死は、ある意味でギテスこそがもたらしたものであり、しかも彼女が何よりも守りたかったはずの娘までがクロスの手にひきわたされてしまう。これは家父長の支配から逃れようとして、助けを求めて手を差し伸べた相手にふたたび裏切られることになる女の話なのだ。しかしギテス自身の矛盾と汚辱は、「チャイナタウン」という(人種づけられた)他者に転嫁されて物語は苦い感傷のうちに幕を閉じてしまう。そのことこそが大きな問題のようにみえてくる。

  • 監督の作家性は一本観ただけではわからないけど、
    数本観ていくうちに世界観が繋がってきて、なんとなくわかってきます。
    以前、ポランスキーの特徴を「閉所」「したたかさ」と書いたけど、
    この『チャイナタウン』と『ゴーストライター』はいきなりそれに当てはまらない。えへへ。

    その上、この『チャイナタウン』と『ゴーストライター』は
    非常によく似通っている作品でした。
    どちらも、巨大な悪や権力に立ち向かうものの、
    結局、ひとりの人間は無力であるということ。その虚しさ。

    『ゴーストライター』だとCIA(アメリカ)とイギリスの闇の癒着。
    『チャイナタウン』だと水道の利権を牛耳るフィクサー。
    『戦場のピアニスト』だとナチス。
    『ローズマリーの赤ちゃん』だとカルト。
    プロデューサーに指名されたのか、ポランスキーが脚本や原作を選んだのかは
    その作品ごとによって違うけど、共通点があります。

    エンディングがああなったのは、シャロン・テート事件の後だからかも。
    出血が多めらしい『マクベス』は未見だけど、『ローズマリーの赤ちゃん』とは
    全然違う展開になっていて、その差異がやっぱり気になりました。


    ジャック・ニコルソンのそれなりにマトモな役は初めて観たかも・・・。
    『カッコーの巣の上で』←マトモじゃない
    『シャイニング』←ジャケットからどう見てもマトモじゃない
    『バットマン』←言わずもがな
    『恋愛小説家』は、まあマトモか・・・。
    次は『イージー・ライダー』だなー。

  • ジャック・ニコルソン〜と思っていたが筋も中々ハードボイルド。静かに観るタイプの探偵ミステリです。
    近親相姦ものはネタとしてハードでこういう映画に合うなあと思いました
    最後母親撃ち殺された後の娘、あの祖父に引きずられていたがどうなる?胸くそわるい

  • ジャック・ニコルソンらしさがよく出ているキャラクター像で、まさに適役でした。人間関係やストーリーが複雑な割には、ナレーション無しの映画の進行だけで破綻させず納得させるのは監督と脚本家の力です。アカデミー脚本賞(ロバート・タウン)を受賞しています。
    救われないラストも衝撃でした。

    『チャイナタウン』(原題: Chinatown)はロマン・ポランスキーが監督した1974年米映画。1930年代後半のカリフォルニア州ロサンゼルスを舞台に、私立探偵が偶然にも関わってしまった殺人事件を通じ、誰にも変えられない運命の綾に踊らされる姿を描いたフィルム・ノワールである。貯水池で、ジェイクはナイフを持ったチンピラに脅され、鼻を切られるが、この男は監督のポランスキー自身が演じている。
    ロサンゼルス政界の黒幕ノア・クロスを演じたジョン・ヒューストンは、「マルタの鷹」などの古典的フィルム・ノワールの傑作を監督したハリウッドの巨匠として知られるが、その傍ら個性派のバイプレイヤーとして映画出演もこなしていた。彼の娘で女優であるアンジェリカ・ヒューストンは当時ジャック・ニコルソンの恋人であり、その縁もあって本作への出演が実現した。フィルム・ノワールの名監督が「チャイナタウン」というフィルム・ノワールの悪役として出演していることに、キャスティングの妙味がある。さらに劇中でヒューストンがニコルソンに向かって「娘と寝たのか?」と訊くセリフがあるが、これが意味深だということで、話題になった。
    1930年代当時のカリフォルニア州ではロサンゼルス上水路に絡む水利権や供給問題により水不足が深刻化しており、後にカリフォルニア水戦争と呼ばれる社会問題が発生していた。本作ではこの史実をプロットに取り入れることで、ファッションや文化の入念な時代考証と併せて、単なる懐古趣味に留まらないリアリティのあるドラマを構築している。
    原案・脚本を手がけたロバート・タウンにとっても代表作というべき作品であり、彼は本作によって、アカデミー脚本賞と1975年のエドガー賞(映画脚本賞)を受賞している。1991年にはアメリカ国立フィルム登録簿にも登録された。
    タイトルの「チャイナタウン」は、主人公がかつて警官だった時代にパトロールした下町であり、作中でも短いシークエンスながら登場して、印象的なシーンの背景となっている。

    ストーリー:
    ロサンゼルスの私立探偵ジェイク・ギテスは夫の浮気を疑う「モーレイ夫人」と名乗る女性に依頼され、市の水道局幹部であるホリス・モーレイの身辺調査をすることになった。
    尾行の結果、ジェイクはホリスが若いブロンドの女性と逢っている様子を写真に撮影する。だがホリスのスキャンダルはすぐに新聞にすっぱ抜かれ、更にホリス自身も何者かに殺害されてしまった。しかも最初にモーレイ夫人を名乗って調査依頼してきた女は別人と判明する。
    ジェイクは独自に事件の真相に迫ろうとするが、そこで見たのはロサンゼルスの水道利権を巡る巨大な陰謀と、ホリスの妻エヴリン、そして彼女の父である影の有力者ノア・クロスを中心とした人々の、愛憎半ばする異常な過去だった。(ウィキペディア)

  • 分析;なぜやったのか。

     ジャック・ニコルソン、フェイ・ダナウェイのコンビ、すごく豪華。

     ジャックニコルソンはこのころ中谷彰宏氏(生きて動いているところを見たことはないんですが)に似てると思った。生意気そうなところが。
     いつのまにあんなクソオヤジになってしまったのだろう。

     フェイダナウェイはなんだろうな~。骨格的には美人ではないのだけど、それでもやっぱり圧倒的美人。見惚れてしまう。非常に稀有な女優さんです。

     衣装、車、建物、インテリア、ロケ地、そういったものすべてが素晴らしい。映画っていうのは総力戦なのだということを思い知らされました。

     犯人が異常な精神構造の持ち主であると、お話は面白くなくなってしまうと私は思っているのです。でも、この話はそれに当てはまらない。理由は脚本の「奥行」にあると思うのですが、これについてはもう少し考えてみる必要がありそうです。

  • ラストに鳥肌がたった。こーゆう終わり方するんだって。

  • ジャックニコルソンが全て。
    この時代のジャックニコルソンにハズレなし。

    ハードボイルド、サスペンス、良し。
    けど、後半ちょっと飽きるかな?と
    飽きてきてからの終盤も
    まだまだ話が転がり、主人公より
    ストーリー・脚本が良いことで、余韻が残る。

  • カール・イグレシアス著「感情から書く脚本術」で取り上げられていたので見ました。浮気調査をしていた私立探偵が、ロサンゼルスの水道利権で起きた殺人事件に巻き込まれる話 謎の美女は最後まで不幸な人妻で、ハードボイルド探偵にはお似合い 恋愛要素ありのミステリーとして話がうまくまとまっていたと思う

  • 最初の排水溝の所で既視感。親との関係でああ、やはり見たことがあった。しかし途中とかジャック・ニコルソン、フェイ・ダナウェイをまったく覚えていなかった。ジャック・ニコルソンが警察をやめ私立探偵をしている、これが以外にニヒルでかっこいい。まだ顔の線も鋭い。

    映像特典で脚本はマーロウを念頭に置いたと語っていた。目線は探偵ジェイクなので画面も、殴られれば黒くなって暗転、目がさめれば眼前に女の顔、だそうだ。

    ロサンジェルスのダムをめぐる利権いろいろ、という所はおもしろかったが、それに父娘の異常な関係をいれたのはなにか興ざめだった。もっと普通の関係でよかったのでは。


    1974アメリカ
    2019.5.27レンタル

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