- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4988104063168
感想・レビュー・書評
-
ある中学でクラスを受け持つ女教師の一人娘が、受け持ちクラスの男子生徒たちに殺され、その生徒たちへ復讐する物語。
これも原作が良作であり、映画のキャスティングが個人的に絶妙だったこともあったので、ずっと映画を観たかった。
主演の松たか子はベストマッチな役どころであり、とても引き込まれた。理路整然と語る一方で、時折見せる感情剥き出しの姿には胸を締め付けられた。
テーマは少年法と命の重さ・尊さ。
深いテーマだが、人それぞれに語られる独白には、血肉の通った考えがあり、美しいものから醜いものまでしっかりと目を逸らすことなく描かれている。
命の重さ尊さは、大切な人を思って初めてはかれるものではないだろうか。
失って初めて気づく命の尊さ重さ。
これはきっと自分が死する直前まで、誰かの死を受け止める度に改めて気付き感じ続けるのであろう。
そして少年法。
少年法に守られた子どもは、何人殺しても罰せられない制度は、はたして世の中にとって良い事なのだろうか。
14歳未満の少年少女は、本当に刑事責任能力がないのだろうか。
兎角私は被害者が報われる法律であるべきことに1票。
被疑者の母役だった木村佳乃も適役。
我が子に注ぐ真っ直ぐな愛情ゆえ、他人の痛みに鈍感で無様な様を見事に演じきっていた。
そして本作品はR15指定。
ショッキングな描写はあるが、いじめ問題や少年法への意識を持たせる上では、私個人の意見として中学生以上の子供たちに見させるべきではないかとも感じた。(模倣犯抑止の観点は置いておいて…)
原作同様に映画も見応えとエグ味のある作品だった。 -
原作を先に読んだ。
引き込まれるように
2日で一気に読んだ。
これを映画化って、、、
と思って観たけど
裏切らない。
すごい。
ラストが中島監督らしい演出だったなぁ。
そして、やっぱり
松たか子がすごい。
映像で見ると
文字で追ってた少年たちが
本当にあどけなさの残る少年で
あ、そっか中学生って
まだ子供だよな、、、と
衝撃を受けたな…
ストーリー的には
衝撃的な内容だけど
原作を読み込んで
丁寧につくられているからか
思ったほど後味の悪さを感じない。。
というか、
原作より
希望が込められてるよね。。 -
松たか子がうまい。本当にうまい。
ラストの松たか子の表情…。
ともすれば、センセーショナルなだけで終わってしまうかもしれなかったこの映画を、高いところに救いあげたのは、松たか子のあの、苦悶の表情だった思う。
あれがあることで、救いのない苦しみというものがどんなに無情な結果をもたらすのかを、伝えることができるのだ。
もっともっと評価されていいと思う、女優松たか子。 -
原作を忠実に再現した映画だなとまず最初にそう感じた。
最も印象に残っているシーンは松たか子さんが映画の最後の最後に「なーんてね」って吐いて終わるシーンで、対象の生徒が全校生徒の前で「なーんてね」とつぶやく(妄想をしている)シーンと重ね合わせて述べているのではないかと解釈したが、実際にそのセリフにはどういった意味が込められているのか潜んでいるか答えがたくさん出てきてどれが正解なのか分からず気になって仕方がない。
最初はなんかいろいろ大げさにやっているな(生徒がダンスするシーンなど)とあんまり面白くなかったが、徐々に趣深さがでてくる作品だった。 -
告白 湊かなえ は 原作で読んだ。
こういう アプローチがあるのか と感心した。
いまの時代の 教育 という現場での問題が
心の中まで深く しみこんでいるという衝撃を受けた。
この小説は まさに チカラワザ とおもった。
『金八先生の時代が終わった』とおもった。
『告白』 松たか子・・・
淡々と演じて 森口先生のイメージが
きちんと伝わった。
この森口先生が いきてこないと
全体での 流れがおかしくなるが・・・
きちんと 定点 にたっていた。
少年法で 守られる・・・13歳。
しかし それでいいのか?
命の重みとは?
考えさせられるのである。
ときおり 空に浮かぶ雲・・・
そのシーンが 呼吸を つくっているみたいだ。
そして 中学生たちが
ちょっと グレーがかかったようで
鋭い目線が 印象的。
子供でありながら 大人になろうとする
複雑な 年頃の雰囲気が よく出ている。
スローモーションや 画像の角度など
さまざまな視点から アプローチする手法は
たいしたものだ・・・物語のテンポ
をうまく作り出している。
暗闇や 悪について 面と向かいながら
暗闇の中に落ち込んでいく・・・
悪の基準がなくなっていく・・・
うまい 作り手によって さりげなく見せている。
木村佳乃の 演技が また いいですね。
いまどきの 母親を うまく演じている。
岡田将生ののめりこんでいく教師像がいたい。
ヴェルテル。いい先生だけど 結局は 悪人。
中島哲也監督の 覚めた目が みえる。
始まりは まるで 学級崩壊しているような
授業シーンから始まり
森口先生(松たか子)が 授業をしている
『私は 生徒 を信じていない
あなたがたは うそをつくのがうまい』
死にたい ということを
言わないために 告白をしはじめる。
エイズのことを語る・・・。
時に初めて 生徒たちは シーンとするが・・・
この場面の展開は 秀逸だ。
学校がなぜ 壊れてしまったのだろう?
犯人AとB が だれなのか?
はやめにわかり その二人は・・・
自分の才能を 認めてもらいたい・・・と思うA
そのときに 話題となって いたのは ルナシー。
弱いものが 弱いものをいじめる・・・
森口先生の 復讐 という エネルギーが
クラス全体に伝わり・・・
新学期 になって ヴェルテルが来たときに
生徒たちは 気分が 異様に高揚している。
こいつは 熱血漢振りを装っている。
ホントに俺たちのことがわかっているのか?
という覚めた眼で ヴェルテルを 突き刺す。
1匹の迷える羊を救うといって
結局は 1匹も救えない ヴェルテル(岡田将生)。
一人は クラスのいじめの対象になり
一人は 引きこもりになる・・・。
そして 二人は 壊れ始まる。
いや もう壊れていたのかもしれない・・・
森口先生の 復讐によって 壊れ方が促進する。
渡辺修哉は 母親から 優秀さを 受け継いだ
とおもっている・・・
しかし、母親は 離婚して 修哉のもとを去った。
修哉は 母親に認めてもらいたいと
『なにか』をして 評価されたいと思うが・・・
発明をするが 方向が違うんだよね。
結局は・・・・
そして 殺す相手は 母親でしょ
と森口先生に言われる。
直樹は 余りよくない成績だった。
そこで 認められたいと思っていた・・・
そこに 修哉が やってきて てつだわせる。
おかしくなった 直樹に対して
母親は 直樹を殺そうとするが・・・。
こころの 動きが よくみえるのが
映画的に成り立っている。 -
「嫌われ松子の一生」に続き、暗く重く救いがない話を、極上のエンターテインメントにしてしまうのはさすがだな、と。
最初から一気に引き付けられて、それからあっというまの2時間。時がたつのがこんなに早かった映画は久しぶり。
映画を見たあとに原作を読んだんだけど、映画での衝撃が大きすぎたせいで(そして映画が原作に忠実だったため)、特に感想が持てず。見る順番が逆だったらもっと楽しめたと思うんだけど。
逆に、原作にかなり忠実な映画なのに、最後にすべてをひっくり返してしまいかねない原作にはない一言を付け足した中島哲也監督のセンスが、いいなと思った。 -
うおおおお
最初から最後までおもしろい
原作も読んでおもしろかったけど映像的なおもしろさが加わってさらにおもしろい
映像技術なんて全くわからんけど
曲とか盛り上げ方とかナレーションの入れ具合とかスローモーションとかあぁ、ここで人じゃなくて水滴を映すのか、とか
いろいろ思った -
いい意味で嫌な映画でした。写真のような綺麗な映像とはかけ離れた告白の数々。中島テイストが出ていて面白かったです。
特に、橋本愛と松たか子のファミレスでのシーンがとても気味悪くて気に入っています。松たか子が嫌な高笑いを上げているのに、画面レイアウトのせいでファミレスで談笑している二人にしか見えない。こういった意味でゾッとしたのは初めてです。
中島さんと松たか子さんの相性が良かったのでしょう。川村元気Pには悔しいなと思わされます。
この映画について誰かと存分に議論したい、そう思わされる作品です。
この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。






これ以上、やってはいけない武士道(柔道・剣道・空手など)がみなあった
いじめはあったが、四面...
これ以上、やってはいけない武士道(柔道・剣道・空手など)がみなあった
いじめはあったが、四面楚歌ではなかった気がする。
今はスポーツより塾に通う方が多い。
今の先生は一芸がない先生が多い。(当時はスポーツで国体クラスが沢山いた)心技体。
「戦略読書」(三谷宏治)を参考にすると、意外と自分好みの本がみつかりますよ。 プログラマーの人にある本を勧めたら、そうなんだよ!これなんだよこれ、理不尽な仕事と言ってました。