ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)

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感想・レビュー・書評

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  • 面白いような、面白くないような・・
    きっと読み込めば いろいろ深い意味があるのでしょうが、私はなんとなく・・・
    結局直子の気持ちは・・
    性的な表現が多すぎる・・
    結局言いたいことが分りませんでした。

  • 初投稿

    「死は生の対極にあるのではなく、我々の生の内に潜んでいるのだ」という真理と直面した青年が、その真理が死の悲しみを癒すことがないのだとしても、死と共に生きることを決意するまでの話なのでは思った。
    ラスト、「僕はどこにいるのか」という台詞は彼が生きている世界における彼の位置というものを始めて意識した瞬間を意味し、それはつまり彼が死が常に同居する世界をこれから生きていこうとする決意に見えた。

    追記
    おやすみプンプンに似てるなーと思う。
    愛子の短冊「あなたが私を忘れないように」
    直子の台詞「私を忘れないで」

    死=愛子 生=幸
    死=直子 生=緑

    プンプンにおいても死が生の内側に潜むものとして描かれていると思う。

  • ベストセラーになりましたが
    自分的には「まあ、こんなもんかな」的な感じです。
    悪くはないけど心を特に揺さぶられるわけでもなく。。。

  • 大学生の頃に読んだが、約30年ぶりに読み直した。

    村上作品の中では、生々しくてあまり好きな本ではない。

    当時、この小説を読んで死とは何か考え、ワタナベと同じ考えになった。そして、その考えは今も変わらない。


    「死は生の対極にあるのではなく、我々の生のうちに潜んでいるのだ。」

    今も昔も、この一文が、この小説の中で一番印象に残った。

  • 雨がしとしと降る昼下がり。
    僕はクルマの中で、屋根にあたる雨の音を聞きながら、ひとり佇んでいる。
    クルマの外では、雨足が強くなる。
    クルマの中で僕は 自分だけの世界へ 落ち着いていく。

    僕が愛した直子は言った。
    「私はあなたのように自分の殻にすっと入って何かをやり過ごすということができないの。
    私はただもう誰にも私の中に入ってきてほしくないだけなの。もう誰にも乱されたくないだけなの。」

    直子は 自ら死んでいった僕の唯一の親友キズキの恋人であり、彼を共有する特別な存在だった。
    そして姉と恋人に先立たれた直子にとって、死はひとつの生き方だった。
    それは逃避であり、幕引であり、一抜けた、だったかもしれない。
    直子だけでなく、キズキも、直子の姉も、ハツミさんにとっても。

    僕は、あらゆる物事を深刻に考えすぎないようにすること、
    あらゆる物事と自分のあいだにしかるべき距離を置くこと、
    深刻になることは必ずしも真実に近付くことと同義ではない。と心掛けてきた。

    しかし直子の死で 僕は今までとは違う存在になってしまった。
    引き摺られるように 雨の降る暗い森の世界の住人になってしまった。

    今にして思えばたしかに奇妙な日々だった。
    生のまっただ中で、なにもかもが死を中心にして回転していたのだから。
    緑から「あなた今どこにいるの?」と聞かれた僕は とまどうよりなかった。
    「僕は今どこにいるのだ?どちらの世界にいるのだ?」
    仕様の無い僕は どこでもない場所のまん中から緑を呼び続けていた。。。

    ふと永沢さんの言葉を思い出した。
    「自分に同情するな。自分に同情することは下劣な人間のやることだ。」と。
    やれやれ、あなたは立派ですよ。
    久し振りにドイツへ行こう。あなたに会ってネジを巻いてもらおうか。


    ビートルズの名曲のタイトルで売れようとしている、という印象と
    発表当時の世間の噂から チャラい作品と決めつけてずっと距離を置いていました。
    それが今回、図書館の書棚に上下巻お揃いの状態でバッタリ出逢ってしまい、
    年貢の納め時のようなものを感じ手にとりました。

    精神病的なテーマを扱い 決して楽しいお話ではありませんでしたが、
    私の好きなビートルズやJAZZのタイトル、雨の中の心象風景、そして友人の自殺、
    という私にとっていくつかの共通項に興味を惹かれ読み進めました。
    先に書いたものは 私なりの解釈です。
    それは人それぞれに異なるのでしょうが、もしかしたら誰もが少しは抱えるテーマかもしれません。

    “ここから一歩も通さない 理屈も法律も通さない 誰の声も届かない 友達も恋人も入れない
     僕は今 コクピットの中にいて 白い月のまん中の黒い影”(The Blue Hearts“月の爆撃機”)

  • 暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。僕は1969年、もうすぐ20歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱し、動揺していた。限りない喪失と再生を描き新境地を拓いた長編小説。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    この出だし、なんとなく「失われた時を求めて」チックですね。
    紅茶にマドレーヌを浸したところで過去を思い出すと言うあの有名なシーン。

    って言うかマドレーヌすでに柔らかいのに
    どうして紅茶に浸したりするのかしら...
    と言う疑問は置いておいて(笑

    絶賛村上春樹週間継続中。
    もはや月間。

    ちなみにこの本は再読です。
    流行ってる頃に読んだんですね、たぶん。
    (覚えてない)

    今改めて読み直し、今だからいいことがたくさんありました。

    渡辺くんと直子が歩いた道のりをGoogleMapで辿ったり。
    その時々に出てくる音楽をYouTubeで聞いたり。

    こう言うのは流行ってた当時には想像するしかないことだったからなぁ~。
    地理もよく分からなかったし...
    でもおかげで二人が相当歩いたと言うことがよく分かりました。

    この後、短編「蛍」も読んだのですが、まるっと一緒なんですね。
    寮に住んでいて、右翼気味で、国旗掲揚が毎日会って、
    なんか橋の写真を飾る同室の几帳面な男性がいて...

    えーっと内容について。
    主人公と直子と緑、3人の関係に加えて
    なぜか年上のレイコさんまで絡み合い、
    淡々と見せながらもその実ぐちゃぐちゃの恋愛模様です。

    こんな男絶対いやだわw

    でももし直子が健康だったら...
    準備していた彼女との生活を始められたら...

    ...ないなww

    直子が健康ならここまで惹かれなかっただろうし。
    彼女と生活してもどうせ緑との関係は継続するでしょ?
    すっごく大事な人、って言ってたし...

    うんと、よく分かりませんよ。

    淡々とした文章にはちょいちょい性的な表現が挟まれたり
    それが結構生々しかったり
    なんか青い感じのする小説でした。

    「直子」という名前は「風立ちぬ」の「菜穂子」さんからインスパイアされているのでしょうね、多分。

    レイコさんの話に出てくる、完璧美人の13歳の女の子が気になります。
    この子のその後をぜひどこかで見たい...

    で、村上春樹の作品を読むといつも思う。
    生活感がなく、おシャレであることが第一条件。
    音楽や食べ物にはあふれているけれど、
    そこには邦楽やJ-POPはなく、
    納豆や煮物は出てこない。

    あくまで洋楽、クラシック、ジャズ、
    お酒はバーでしか飲まないし
    遊びはビリヤードだし...

    昔のトレンディドラマか?ww
    ただでも、そう言う世界観が憧憬の眼差しで迎えられた時代も確かにあったし、今でもその傾向は絶対にあるけど。

    ここまで徹底されると逆に違和感も感じたり。

    とは言え、作者の豊富な知識の片鱗を勉強させてもらえるのでとても参考になります。
    たくさんの音楽を聴いて、たくさんのおいしいものを食べて、
    でないとしっくりと来る音がすぐ出てこないでしょうから...

    クラシック、ジャズ、ビートルズ。
    全部勉強になりました^^

    今ねじまき鳥にチャレンジしてますが
    ここでもクラシックの勉強が出来ます~

    耳でも楽しめる作品だったので内容はともかく☆3つで!

  • 大学に入ってイチバン感化された作品。もう五回くらい読み返しました。

    登場人物がそれぞれにいろんな事情を抱えていました。
    ワタナベくんが、直子と緑という全く対象的な女性に惹かれていく中で感じる苦悩や葛藤の描写が良いです。

    私が感じたことは、、
    直子は死に向かっていて、緑は生に向かって歩いている、そんな気がしました。
    身近な人の死は、どんな慰めも真理も決して役には立ない、という言葉が胸に響きました。

    人の命、愛について考えさせられた本。

    「わたしのお願いをふたつ聞いてくれる?」
    「みっつ聞くよ。」

    このやり取りが好き。やっぱりワタナベくんは、魅力的。

  • 親友の突然の自殺から、主人公や親友の恋人の運命が変わっていくお話。
    身近な登場人物がふっと自ら命を絶つ中での主人公の"生"がとても色濃く感じた。

    時間が経ってから読み返したい作品。

  • ハルキニストの方ごめん。
    やはり活字苦手人間には難しい。
    全部読んで読んだよ。
    年とって経験積んだらまた読もう。たぶん。
    とりあえず本棚の奥にしまいました。

  • 記録漏れ。
    (当時、劇場で働いていた私が「上映が始まる前にディスプレイも必要だし読んでおくか〜」と何となくの義務感で読んだ本作。しかし同僚で読んだ人は一人もいなかった。)

    読んでみたら結構するする読み進められた。最初の頃は文体(口調とか)に身構えそうにはなったけど。
    緑とワタナベの会話が好き。

    ノーベルの件で毎回話題にされているけど、ファンたちの熱意の根元がどこにあるのか凡人の私にはさっぱりわからない。そもそも熱狂パートはノルウェイの森じゃないのかな。(関係ない話をした)

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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