タクシードライバー コレクターズ・エディション [DVD]

監督 : マーティン・スコセッシ 
出演 : ロバート・デ・ニーロ  シビル・シェパード  ジョディ・フォスター  ピーター・ボイル 
  • ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2011年10月17日発売)
3.71
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本棚登録 : 614
レビュー : 95
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4547462074676

感想・レビュー・書評

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  • 鑑賞している間中、わだかまりと不安、そして、少なからず湧いてくる共感を否定できないまま、薄ら寒く見終えた映画。

    タクシードライバーとなった一人の男の、平凡な日常の中で鬱屈と孤独を募らせながらもがき、凄惨な事件を起こす過程を、その過激さに反して単調なほどに淡々と追った作品。

    ひどい不眠症と孤独に悩まされる元海兵隊員のトラヴィスは、タクシードライバーとなり、夜の街を走る。貧民街や売春街と思われる所ですら、淡々と躊躇いもなく車を走らせる彼。

    彼はある日、大統領候補の選挙事務所で働く女性ベツィを街で見かけ、恋をする。しかし、立場も環境も違う彼らは、やはりうまく行かず、ベツィを怒らせ、避けられる結果になる。
    恋に破れ、さらなる鬱屈を募らせていくトラヴィスの頭の中は、やがて、恐ろしい計画で占められていく。計画のため、銃を手に入れ、黙々と身体を鍛える日々。

    そんな中、彼は、娼婦をしている12歳のアイリスと出会う。彼は、決して下心ではなく、彼女の持つ孤独と閉塞感に共鳴して、まだ子供の彼女を純粋に救いたいと手を差し伸べるけど、それもうまく行かない。
    そして、彼のある計画が実行されるべき日に、事態は思わぬ展開を迎えて…。

    カメラワークも、何処と無く影のある暗めの色彩も印象的なのだけど、何よりすごいのは、基本的に無口で表情がほとんどないはずなのに、ただ社会の片隅で細々と生きて日々を消化する一般的な気弱な青年ではなく、「この人ちょっと危うい感じがする」という初めの印象から、徐々に、しかし、確実に、身体的にも内面的にも「こいつヤバい」と思わせる狂気じみた変化を段階的に遂げていくトラヴィスを演じたロバート・デ・ニーロの演技が、やけにリアルで本当に怖いこと。

    ラストは予想外に、凄惨な事件を起こしたはずの彼はある種の「正義漢」として社会復帰をするのだけど、彼が抱える孤独と、そして、身に住まわせて膨らんでしまった狂気と凶暴性が全く消えてないことがわかる、細かい演技が、これまたすごい。
    これ、トラヴィス、また何かのきっかけで事件起こすんじゃ…と、恐怖を感じずにはいられないのです。

    でも、トラヴィスの抱える孤独や、単調な日々の繰り返しって、特別なものではなく、きっと多くの人が持っているものだな、という身に迫るリアリティというか、妙な共感心もあり、本当に、薄ら寒い気持ちで身終えた作品でした。

    • nejidonさん
      hotaruさん、こんばんは(^^♪
      コメント欄ではちょっぴりお久しぶりです。
      いつも丁寧なレビューで、感心しながら読ませていただいてま...
      hotaruさん、こんばんは(^^♪
      コメント欄ではちょっぴりお久しぶりです。
      いつも丁寧なレビューで、感心しながら読ませていただいてます。

      心がざわざわしてくる映画ですが、好きなんですよね。
      正常と異常のボーダーを生きる主人公をここまで描いたものって、あまりありませんし。
      スコセッシ監督の視点の斬新さと、それをリアリティを与えたデ・ニーロの演技のすごさ。
      特に鏡に向かってひとり研究する場面なんて寒気がします。
      そしてこの映画を鑑賞する時点で、自分がかろうじてこちら側の人間だと確認できるわけです。
      ただ、繰り返し見たくはないですね・笑
      スコセッシ監督の作品に凝ったことがありまして、懐かしく思い出してコメントしました。
      2018/02/25
    • hotaruさん
      nejidonさん、こんばんは。お久しぶりです。と言ってもいつも素敵なレビューをこっそり拝見しています。相変わらず、映画にもお詳しくてすごい...
      nejidonさん、こんばんは。お久しぶりです。と言ってもいつも素敵なレビューをこっそり拝見しています。相変わらず、映画にもお詳しくてすごいです!
      2018/02/25
    • hotaruさん
      (コメント送信の調子が悪くて長文を打つとフリーズするので細切れでごめんなさい)

      そう、この作品はまさにボーダーを描いた作品ですね。私はこの...
      (コメント送信の調子が悪くて長文を打つとフリーズするので細切れでごめんなさい)

      そう、この作品はまさにボーダーを描いた作品ですね。私はこの作品を観て、「私はまだ大丈夫…」と思ってしまいました。確かに背筋が寒くなるので、繰り返しは観たくないけど、すごく良く出来た作品ですよね!コメントありがとうございました☆
      2018/02/25
  •  時代背景が分かっていない上に読解力不足で最初は何が伝えたいのかわからない映画だった。
     この映画の重要なキーワードは「ベトナム戦争」である。主人公トラヴィスはこの戦争で御国のために命をかけて必死に戦い、生き延びた帰還兵。しかしそこには勝利はなく、祖国に戻った彼を祝福する者は誰もおらず、長きに渡る戦争で精神も病んでおり、仕方なくタクシー・ドライバーとしてその日暮らしをするしかなかったのだ。
     なぜ英雄となるはずの僕が、こんな目に遭っているのかサッパリ納得がいかない。なぜ皆僕をただのちょっと変な奴としか見てくれないんだろう。
     このトラヴィスのバックボーンを理解していないと、この映画における彼の奇行の連続は見ていて首を傾げるものばかり。好きな女性をポルノ映画に連れて行ったり、それのお詫びに花を大きなバスケット5、6個分送りつけたり、それでも許してくれない(当たり前だ)彼女のことを本気で逆恨みしたり、急に拳銃を大量に購入し、それを身につけてうっとりしたり、幼い売春婦に説教を垂れたり、次期大統領候補を暗殺しようとしたり。何もかもが「お前何してんの?」状態。
     客観的に見ると墓穴を掘り続けているようにしか見えないし、このトラヴィスという男、ちょっと情けない奴で、なんとも童貞臭くて面白い。リボルバーと38口径というちぐはぐな長さの2丁拳銃を両手に持って鏡の前で決めポーズしてみたときのあの感じはどうもマヌケにしか見えない。
     しかしこの狂気の根幹はあの戦争にあるのだ。そしてその狂気の矛先は祖国の代表候補に向けられた。が、SPに目をつけられて失敗。ここらへんもマヌケ。
     そして最後は、以前たまたま出会った売春婦を救うために雇い主やガードマンをぶっ殺しておしまい。しかもこれが運の良いことに売春婦の両親から感謝の手紙が届き、彼は殺人者ではなく英雄としてメディアに取り上げられることになったのだ。場合によってはただの犯罪者にしかならなかったところを、運に助けられたのだった。
     ラストまで見ると、先輩のタクシードライバーのおっちゃんの「人生はなるようにしかならない」という言葉が思い出される。トラヴィスは英雄になろうとして英雄になったのではなく、偶然が重なって英雄になっただけ。まさになるようになっただけなのである。
     時代を切り取った名作と言えるんではなかろうか。ここまで理解して初めて、デ・ニーロの、情けなさの奥に光る狂気じみた瞳が、とてつもなくカッコイイものに映る。

  • 1976年アメリカ
    ロバート・デ・ニーロ、シビル・シェパード、ジョディ・フォスター


    名画、、と言われてますよね。
    ロバート・デ・ニーロはやはり、すげぇな、、と思った。ジョディ・フォスターの映画デビュー作?(よくわかんないけど、若い、、つか子供)
    ただ、よくこの映画を観て「共感できる」って聞きます。トラヴィス(デニーロ)が鏡の前でつぶやく「You taking to me?」ってシーンを真似たとか、、聞きます。

    でも私は共感はできなかったなぁ
    バックボーンがよく伝わってこなかったけど、都会でタクシーを転がしながら自分のアイデンティティを探し続けるものの見つからず、でかいことをやらかしてやろう!!
    ってストーリーは現代社会でよく見かける「誰でもいいから人を殺したかった」という無差別殺傷事件としかつながりません。
    なぜ、このトラヴィスに皆が共感するのか、わからない。

    だめでした。


    とはいえ、、、デニーロの演技は最高!!

  • この映画の見どころはデ・ニーロのモヒカン~☆

    じゃなくて、
      「ミラー」に映るモノすべてじゃないかと思った。

    ミラー越しに「俺にしゃべってんのか?」って
                   自分に問う不気味さ。

    ラストのミラーに映る怪しぃ~目が・・・恐いよぉ~!

    デ・ニーロのあの目と狂気はトラウマもんですゎ。

    文句なしのすばらしい作品!

  • 『タクシードライバー』がBSで放映されてたので久々に観た。タクドラも節目節目で観てる映画です。

    「好きな映画は『タクシードライバー』です!」ってのも、「好きな音楽はセックスピストルズです!」「好きな本は太宰治です!」って言うようなもんで、けっこう恥ずかしいよね。
    こういうのは若いうちに触れたかどうかで、その後の物の見方や考え方、趣味嗜好が決まるんじゃないかと。


    久しぶりに観たら、なんか不可解な映画。普通の見方だとトラヴィス(デニーロ)ってベトナム戦争の帰還兵なんだけど、これ、ベトナム戦争に行ってねえんじゃねえかなあ?って今回観て思わされた。

    ていうのは、タンカースジャケットもM65もおかしいし、ワッペンつけてるのもおかしいし、銃もおかしいから。
    確実に殺るなら、普通はガバメントとかじゃないのか?って。非常に素人くさい。

    トラヴィスの銃って、
    スリーブガン→ワイルドワイルドウエスト
    マグナム→ダーティハリー
    M36とコルトディテクティブ→フレンチコネクション
    ワルサーPPK→007

    っていう、アクション映画オタクがコスプレしてるような。まあ、そういうとこ雑な映画なんていっぱいあるんだけど。

    あと、スコセッシも脚本のポールシュレイダーも、トラヴィスのモデルになったアーサーブレマーも、誰もベトナム戦争に行ってないんですよ。
    DVD特典だと、監督も脚本家も誰もベトナム帰還兵だって明言してないそうです。

    ベトナム帰りってのは後付けというか、当時の世相を反映したもので、そのせいで名作にもなってるんだけど。
    トラヴィスがベトナム戦争に行ってないって見た方が闇が深いかもしれない。

    どちらかというとシュレイダーやスコセッシの「孤独」を投影した部分の方が大きく出てるんじゃないかな。シュレイダーは当時どん底の生活してたみたいだし、スコセッシも映画オタクのコミュ障というか。
    だからこれを観て、「これは俺のことだ!!」って思う人が多かったんだと思う。童貞映画ですね。

    人種の問題もあって、選挙事務所のユダヤ人だったり、黒人が力をつけてきたりだとかで、社会に居場所がないと。


    あとこの映画は「名作」扱いだけど、一旦それを外して見ないとダメだと思う。
    スコセッシはロジャーコーマンやカサヴェテスの流れなのと、ヌーヴェルヴァーグの影響も同じ。
    要は若者向けのB級インディーズ映画。

    この後にも似たような傾向の映画はたまにある。アレックスコックスの『レポマン』とか、最近だとマッドマックスオタクの『ベルフラワー』とかはヌーヴェルヴァーグの影響受けてるんじゃないかと。

    だからタクドラはカンヌでパルムドール獲ったのかなあという気もしている。

    撮影監督のマイケルチャップマンがこの後やったのが『SF/ボディスナッチャー』っていうSFホラーだけど、この映画も撮り方がめちゃくちゃかっこいい。タクドラと違って今はあんまり見向きもされないけど、そのスジでは有名な映画。

    タクドラの原点は『ミーンストリート』で、その原点はフェリーニの『青春群像』。
    『ミーンストリート』の中で『捜索者』を観るシーンがあるんだけど、タクドラのストーリーは『捜索者』とだいたい同じ。スターウォーズも『捜索者』と同じ。
    要は、囚われた女の子を助け出す話。

    「イタリア系が囚われた女の子を助け出す話」って、僕ら世代だとスーパーマリオか!ってなるけど笑。

    他、一緒に観ると面白い映画は『ローリングサンダー』『ロッキー』『がんばれベアーズ』、イーストウッドの『アウトロー』とかかなあ。
    『たまこマーケット』でも良いけど、あれあんまり面白くはない。

    あと『時計じかけのオレンジ』もか。ラストも。
    タクドラは「最後のアメリカンニューシネマ」って言われてるけど、ラストどうなるかを考えると、それまでのアメリカンニューシネマから転換した感じになってますね。

  • たいした信念もない男の肥大化した、しかし空っぽの自我…うん、まさに厨二病(笑)人付き合いが下手で(デートでポルノ映画はありえなさすぎるが)派手な装備やモヒカンとか形から入るのもそれっぽい(武器をカッコ良く抜こうとシミュレーションするとことかホント恥ずかしいくらい厨二)。ただこの主人公のバックには社会復帰できない帰還兵の苦しみがあり、ヒーローを求めるアメリカという世間がある。
    クズが悪足掻きして自滅して終わりかと思いきや、思いもよらずヒーローになってしまうラスト。主人公はそれで満たされたのか?いや、あのタクシー内での彼の表情はけっしてその狂気を昇華したとは思えない。

  • あの「タクシードライバー」を今頃初見です。
    若き日のロバート・デ・ニーロの熱演が新鮮でした。
    そして反芻すればするほど深みにはまるような映画でした。

    最後の締めくくりのシークエンスは思いがけなかった。

    ほぼ自殺に近い少女奪還の事件で計らずも生き残った彼は
    どんな心持ちでラストのシーンで「あの彼女」をタクシーに乗せたのだろう。

    最後のシークエンスで増した意味合いが恐ろしく大きい作品でした。
    この映画で言いたい何かを掴みきれていない気がします。

    この映画のように「良い」と聞いていて観るこの類の映画は
    どんな風に良いのだろうと思いながら見るので
    正直、正当な感じ方が出来ていないのかもしれない。
    良くも悪くも先入観が先に立つ。

    それでも良い映画は何かを残すものなのだなぁと思いました。

  • 孤独感。つながれなさ。虚しさ。やりきれなさ。それらに押し潰されそうになりながらも求めたもの、狂いながらでも求めたものは何か。心情を思うとなんともやりきれない。これも戦争が残したひとつの傷なんやろうな。
    でもやっぱりデニーロはかっこいいし、音楽がこれまたすごくいい。

  • デニーロの終始精神に病を抱えた者特有の「目」から感じさせる狂気じみた演技力は圧巻。
    『ザ・マスター』のホアキン・フェニックス顔負けの元祖社会不適合者。
    1976年の作品だが、今見ても斬新かつ新鮮に見えるし、そして何よりも怖く、不気味な映画だ。
    それはきっと当時以上に狂った現代社会のゆがみから生まれる殺人やテロを映す鏡として、デニーロを見てしまうからこそ、生まれる恐怖なんだと思う。

    こういう普遍的な作品こそが名作と呼ばれるにふさわしい作品なのだ。
    スコセッシ万歳!

  • 「ロバート・デ・ニーロという名前はよく耳にするけど、どんな人かわからない」と言ったらどん引きされて代表作として勧められたので今更鑑賞。最初と最後の音楽はよくいえば緊迫感ある・悪く言えば不安を煽られる感じで、途中の音楽はメロウなものが多かった。夜の街の風景はどんよりとキラキラしていた。想像よりも淡々と流れる静かな映画だった。トラヴィスが初デートでポルノ映画に連れていった意味がわからない。モヒカンにした意味もわからない。テレビ壊したシーンはなんなの?銃の装置をつくったり鏡のまえで練習しているところがかわいらしかった、皆殺し?したあとに指で頭を撃つ仕草をするシーンもとてもよかった。でも若者といわれても同世代と思えない。ジョディ・フォスターの表情がところどころ無邪気でかわいらしかった。

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