「マザーウォーター」 [DVD]

監督 : 松本佳奈 
出演 : 小林 聡美  小泉 今日子  加瀬 亮  市川 実日子  永山 絢斗  光石 研  もたい まさこ  田熊直太郎  伽奈 
  • バップ (2011年5月10日発売)
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988021135740

感想・レビュー・書評

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  • かなり、淡々としたある土地に息づく日常生活を描いていた。役者さんも7人しか出てこない(子どものポプラを入れたら8人か…)
    何だか、懐かしいような心象風景のような感じ
    特に、これを訴えたいってテーマはなく 水のように淡々と流れてゆく日常を描いている。
    そう、テーマと言えば「水」なんだ!
    ゆったりとぼんやりした気持ちで観るのがいい。

    「かもめ食堂」「めがね」「プール」など、人と場所との関係をテーマにした作品を撮り続けてきたプロジェクトが、豊かな水の流れを持つ街・京都を舞台に描いた人間ドラマ。ウイスキーしか置かないバーを営むセツコ、コーヒー店を開いたタカコ、豆腐屋のハツミら“水”にこだわる3人の女性と、彼女たちにかかわる人々の日常をつづる。監督は本作が長編デビューとなる新鋭・松本佳奈。出演は小林聡美、小泉今日子、加瀬亮ら。
    最近よく利用してるHuluにて鑑賞。


  • 「ただ今はここにいる。それでいいんじゃない?」

    観終わって、なぜだか「方丈記」の冒頭が頭に浮かんだ。
    『ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし…』

    日差しは暖かいのにまだ肌寒さも残る桜の花咲く頃の京都の何処からしい小さな町内。
    豆腐屋を営むハツミ。
    喫茶店を営むタカコ。
    ウイスキー・バーを営むセツコ。
    そこに来るお客たち。
    彼女たちも互いの店のお客である。
    彼女たちの何気ない日常と会話が淡々と繰り広げられる。
    徹頭徹尾、何も起こらないお話。
    本当に何一つ起こらない。
    とはいえ、実は彼女たちを取り巻く環境は実は少しづつ変わっている。

    街を去る青年。
    寝ているばかりだった赤ん坊はよちよちと歩くようになり。
    訳あってこの街に来て一人で商売を営み、適度な距離感で交流する女性たちも、いつかはここを去るかのような予感を漂わせ。

    彼女たちが生活や商売に使う水。
    そして、頻繁に風景として映される鴨川の流れ。
    悠久の時を感じさせるようで、その実、とても無常を感じさせる。
    だから方丈記を思い出したのかもしれない。

    「いろんな人がいると思えばさ。どんなことでもたのしくなっていくさ。」
    「自分にとってちょうどいいところがなかなかわからなくて。ちょうどいいってとこも変わっていくし。」

    登場人物たちの日常の中で交わされる何気ない台詞が心地よい。
    なんてことないのに、味わい深い作品。

  • 小林聡美×もたいまさこ×加瀬亮を出して、意味ありげな台詞を言わせ、引き気味のカメラアングルで撮ればヒットすると思ったら、大間違いなのです。

  • 何の情報もなく、めがねやかもめ食堂が好きなので、同じ系統ということで鑑賞しました。

    京都を舞台に、ゆっくりと流れる日常を描いています。

    とうふ、椅子、温泉、ウィスキー、コーヒー、ポプラ、川、さくら。

    くらしの音と金子さんのBGMが優しく混ざり合って、コーヒーの豆を入れるとか、椅子をトントンと直す音とか、足音とか、風の音とか、良い感じなんです。

    「もっと近くでみたい!」と思うのですが、ズームさせないカメラワークで、こちらの想像力を掻き立ててくれます。

    ですから、静かな部屋で鑑賞されることをオススメします。

    まぁ、ちゃんとエンディングで、見たかった所を見せてくれるんですけどね。笑

    「丁度よいというのも、少しずつ変わっていくし。」というタカコさんの言葉が一番残りました。

    人の心の移り変わり。あってもよし。

    「楽観的刹那主義なんて」と思っていましたが、それも、また、よし。と思いました。

    考えすぎてしまっている時に、観たくなる作品になりました。

    大好きです。

  • かもめ食堂が好きなので楽しみにしてました。


    …映画館で観たら、確実に寝てしまうな。

  • 母目線で観ると家族ではない人にも愛情深く関わってもらっている赤ちゃんが羨まし過ぎて。

  • この映画とっても好き。
    たまらん。
    ゆるり。

    豆を挽く音、ピーナッツの入ったびん、氷の鳴る音、スプーンでたべるおとうふ、ぽぷら、牛乳いっきのみ、びんのジンジャーエール、川べりのいす、桜、おすそわけ、サンドイッチ、流れる水、流れる日々。

    しゃんと伸びた背筋。
    きちんと暮らそうと思わせてくれる。

    今日も機嫌よくやんなさいよ。

    ------------------------
    2度目を観終えて。

    みんな水にかかわる仕事をしていると気づいた。
    コーヒー屋、おとうふ屋、銭湯、バー。
    そして、川べりをいつも歩いている。
    水にまつわる人々。

  • てっきり、荻上直子の映画なのかと思っていたら、そうじゃないのね。ていうか、どっちでもいいんだけれど。でも、荻上直子じゃないとしたら、この監督は、これでいいのか? と疑問を呈したい気持ちになるけれど。どこに、あなたのよさが? と。正直、荻上直子映画ですら、ああゆうテイストのものはもうこちらからすると飽きているというのに。小津映画で言う、原節子、有馬稲子、佐分利信、笠智衆、らへんの面子が、もたいまさこやら小林聡美やらってことなのかね、て思って見ていたけど、そんな器じゃ、全然、ないな。物足りないわ、と。こんなことでいいのかね。こんなことじゃ、ダメでしょ。(12/1/22)

  • 光が美しい映画だった。「ウォーター」から水がらみの映画かな・・と思っていた。確かに川の流れやお豆腐、コーヒー、水割り、お風呂と水がらみがたくさんあるが、その水を美しく見せている光の加減が絶妙にいい。任意に選んだシーンがそのまま写真作品になる。自然に無作為に見えるが本能的に美しい構図がわかっている、そんな人が作った映画だ。登場人物が水のようだった。淡交かつ水魚という言葉が浮かんだ。明日誰かがいなくなって、悲しむわけでなく、次に会うことを楽しみにするような、冷淡とはちがった人とつながりがまさに水だった。

    白いシャツが似合うって憧れる。

  • すてきな時間が流れた映画。
    みんながとてもとても丁寧に生きていて、はっとさせられることばかり。

    あとはとにかく内装や小物がどれもステキすぎ。

    今回はDVDを借りたけれど、BGV用に買おうかなぁって思っているところ。

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