AKIRA 〈DTS sound edition〉 [DVD]
- ジェネオン・ユニバーサル (2011年10月17日発売)


- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4988102010768
感想・レビュー・書評
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第三次世界大戦後、荒廃したネオ東京を舞台に、新しい人類の進化を統治に利用しようとする軍部の極秘研究に、不良少年のカネダとテツオがたまたま巻き込まれてしまう物語。
本作を数十年ぶりに観たが、その完成度やメッセージの多層性と深耕度合い、驚異的な映像美など、とにかく度肝を抜かれた。映画評を言葉で記録するという行為(つまりこのブログ)自体が無粋と自認していたものの、ここ数年で最もそれを強く感じてしまった作品。
本作の劇場公開が1988年ということを鑑みると、アニメーションに限らず、後の映画製作全体与えた影響は計り知れない。例えば本編ではたった数秒たらずのカナダのバイクシーンでさえ、そのオマージュをYouTubeで検索すると、わんさか出てくる。本作に影響を受けたと公言する世界的映画監督はゴマンといて、さながら音楽界のビートルズ、バスケット界のマイケル・ジョーダンのような存在である。
言葉で感想を書き連ねることが無粋であり、加えて、もはや論評し尽くされた名作である点を承知で敢えてひとつ、本作で興味深かった点を記録しておくとすれば、正義と科学が結びついた業の果てしなさ、であろう。
人類の歴史はそのまま暴力の歴史と言って良いくらい、地球上には争いが満ちている。時代を経るごとにその数自体は減っているが、なくなることはない。暴力といえど、そこにはそれぞれに守るべき正義があって、正義の名のもとに暴力は正当化される。科学は良きにせよ悪しきにせよ、正義の庇護のもとで暴力を増大させる方法を編み出し発展し、それによって正義がまた肥大化するという永久機関のような、戦争のメカニズムたる共犯関係が生まれる。AKIRAとは、そうした暴力と科学の業の名前であり、本作はその業を終わらせる、また別な観念の現出を描いた作品である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1988年7月、東京で核爆発が発生、第3次世界大戦が勃発した。
2019年、ネオ東京では軍の指揮下で新兵器・超能力の研究が進められていた。
キヨコ(25号)、タカシ(26号)、マサル(27号)ら永久幼年者はエスパーの実験体で、もう一人のアキラと呼ばれる28号は超能力があまりに強大でコントロールできないためカプセルの中で眠らされていた。
職業訓練校生の鉄雄は友人の金田らとバイクで走っていたところタカシと遭遇。避けようとしたが、転倒して重傷を負ってしまう。
そして鉄雄はタカシと共に軍に連れ去られ、エスパーとしての訓練を受けた。
やがて鉄雄は恐るべきパワーを身につけ、周囲を破壊していく。自分にも軍にもコントロールできないのだ。
その力はアキラにも匹敵し、またアキラを目醒めさせる危険も出てきた。
金田はゲリラのケイと手結んで鉄雄を止めようとするが、どうにもならなかった。
軍の施設を抜け出し、アキラの眠るオリンピック会場建設場へ進む鉄雄を、軍やゲリラ、金田らが追う。
鉄雄はついにアキラのカプセルを壊すが、アキラの正体はバラバラに保管された脳神経だった。
キヨコ、タカシ、マサルは3人の力を合せてアキラを甦らせ、鉄雄を全く別の宇宙へと連れ去るのだった。
大友克洋の傑作SF漫画を、自身がアニメ映画化して、日本だけでなくハリウッドにも影響を与えた傑作SFアクションアニメ映画。
軍が研究する超能力者をめぐる軍とレジスタンスのバトル、超能力が覚醒し暴走する鉄雄と金田のバトルを、金田たち暴走族同士のハイスピードチェイス&バトルや暴走する鉄雄と超能力者のサイキックバトルや鉄雄と金田のバトルなど迫力たっぷりのスペクタクルアクション、金田と鉄雄のライバル意識が入り交じった友情と対決を絡めて描いた傑作SFスペクタクルアニメ映画。
「金田!」「さんをつけろよ。デコスケヤロー!」 -
圧倒的でした。世界観もストーリーも画面も。この作品を理解するのはわたしの力では到底無理ですが、掘りたいような、理解を放棄してただ堪能したいような。。
苦しいだけのお話じゃなくて、最後に微かでも光と救いも感じられたのが良かったです。
金田と鉄雄の友情良かった…反目し合ったまま終わるのかと思ったけどお互いを大事にしてたな。
博士も大佐も、実験体3人やアキラ、鉄雄を兵器利用するみたいな感じだったのか単に研究対象だったのか…この辺がよく分からなかったけど博士のマッドさはわかりました。人いじっちゃ駄目だ。
アキラは分解されてた訳だけど再生したんかな。(“SICK'S”のホリック持ってるスペックホルダーの元ネタ、アキラなのかな…似てる)
亞輝羅明神的なカルト宗教団体のオババ、キマッてた。
鉄雄が暴走して変化するぐっちゃぐちゃな幼児とか、消失するネオ東京と起こるビッグバンというラスト辺りからは固唾を呑んで画面を観てました。アキラ>鉄雄>3人っていう力関係…?グイって力を起こされてる鉄雄はキツいだろう。。
それにしても2020年東京オリンピック開催予定が描かれてるって凄いな。話題になってたのは存じていましたがゾッとします。そもそもこのネオ東京で開催出来るの?延期までピタリ。
金田のバイク、格好良かったです。元々の開会式の演出案に入ってたらしいので観たかったな〜。
謎の劇伴も良いです。声はたくさんあるのに何言ってるかわからなくて絶妙に気持ち悪くて格好良かったです。
ずっと人気があるのも頷ける大作でした。何度でも観たいです。
「大友克洋全集」発売記念で28日までYouTube公開されているという報で。教えてくださってありがたかったです。 -
様々な映画やアニメーションが、
AKIRAの影響を受けたり、
オマージュしていたりするのが、
今になって本家本元を鑑賞してよくわかる。
そして精神病性の不安、
解体不安をここまで可視化できていることに衝撃を覚える。
こりゃすごい。
原作読みたい! -
狂っていきながらも、最後は救いがあった。
破壊する力は根源的な力なのだ。 -
わたしには少しレベルが高かった。
誰もがアキラのように、高等生物に昇華されるというのか、そしててつおは第二のアキラになった?わからん。全くわからん。何回か見ないといけないけど、何回見てもわからない気もする -
何回も観てしまう。
子供の頃、正月の深夜放送で観た衝撃が忘れられない。
家族が寝たあと、一人でみてたなんとも言えないドキドキ感。未だに見ると30年前を思い出す。