新宿泥棒日記 [DVD]

監督 : 大島渚 
出演 : 横尾忠則  横山リエ  佐藤慶  渡辺文雄  戸浦六宏 
  • 紀伊國屋書店 (2011年7月29日発売)
3.47
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本棚登録 : 45
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4523215036351

感想・レビュー・書評

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  • これが最初に観たATG作品なら「すげぇ!」となっていたかもしれないものの、自分の中でのその役割は「書を捨てよ町へ出よう」が既に果たしていたから幾分和らいだ。一方でこの作品は対極をゆくもの、つまりその「書」である文学と映像にストレートに含まれる「性」をテーマに悩める世代の芸術家たち、大島渚を筆頭とし紀伊国屋書店創業者田辺茂一、先日MoMAでその作品を拝見したばかりの横尾忠則、新宿を拠点とする劇団状況劇場主宰者である唐十郎…と「芸術」の名の下あらゆる可能性を尽くす才能たちがうずめきあうのがこの作品。わかりにくいのは承知の上、だって映画本来がそうなのだから。

    横山リエ、後日「遠雷」(1981)で再会し、性のシンボルとしての縁を感じずにはいられず。佐藤慶、全くのノーマークからATGラインナップの新藤兼人監督「人間」(1962)、大島渚監督「儀式」(1971)にて再確認して極端に距離が縮まる。渡辺文雄、本編での酔っ払いぶりと「儀式」での無口ぶりが好対照。横尾忠則、まだまだ知らない。MoMAの展示と映画俳優との両局面を達成したのはやはり今回は彼だけだったという事実は残る。唐十郎、先日「修羅」(1970)で拝見していたはずなのだがその印象と異なりすぎて別人扱いのままだった。さらにゆくとなんか芸風が似てるとは思いつつ「北の国から」の通称トドとも今日の今日まで別人扱いだった…。深い…。

    この作品の中で語られているその「文学」の側の世界に自分も足を踏み入れるのだろうか、生きているうちに達成できるのか甚だ自信がない。ただいつまで観れるだろうか、幸運なことにYouTubeで全編が観れた。観れるうちにぜひ何回か観て、少しでもそのシラフな部分を解してみたい。

  • 新宿紀伊国屋書店で万引きをした男と、彼を捕まえて社長に突き出した偽店員の女。この一組の若いカップルのセックスをめぐるストーリーを主軸としつつ、往時の紀伊国屋書店の賑わいぶり、花園神社での赤テント公演、新宿駅前の警察署への暴動など、伝説でしか聞いたことのない当時の新宿の様子がつたわってきて、非常に興味深い。なにより唐十郎がきれいでかっこよくてびっくりするし、紀伊国屋書店社長の田辺茂一氏や、主演の横尾忠則、状況劇場の面々も出てきて、大島作品にはめずらしい超豪華キャストだな。
    しかし中心となるセックス議論が、もうほんとに耐えられないくらいに偏見と差別と暴力に満ちていて、生まれてくるのが遅くてよかったと真剣に思ってしまいます。ドキュメンタリー風に登場する性科学者の高橋鉄という人は本物らしいので、言ってる台詞も脚色ないんだろうけど、男の身体で尻が大きいのはまだ女の部分が残っているせいだとか、同性に対して性的欲望があるに違いないと決めつけて未熟な証拠だとか、もっと裸になって見せろとか、ほんとに現在の水準から見るととんでもない発言のオンパレード。創造舎の俳優の面々によるセックス議論も、それぞれの素が出てて面白いといえば面白いのかもしれないけど、男だけでこんな放談をしている空間は女性にとっては恐怖ですよね。で実際、その後の抽象的なレイプの演出につながっていくわけだけど、これを面白いと感じられる感覚自体が、恐ろしい。「反権力」の観点からしばしば理想化されて語られもする当時の空気がどれだけ女性や性的少数者に対して暴力的だったかを痛感させられるし、反権力の視点からすぐれて批評的な映画を撮ってきた大島も、ここには批判的な目を向けていなかったのだ。

  • 田辺茂一と紀伊国屋書店。横尾忠則。状況劇場。そして大島渚。60年代の新宿とジャン・ジュネ。

  • まあ、70年代の映画っていう感じでした。有名な役者さんや劇作家さんが出てるのも興味深かった。

  • この時代の新宿に、物凄く憧れる。
    内容は何が何やらサッパリだけど、感覚だけで観てもとても面白かった!

  • 『新宿泥棒日記』は
    批評家や映画専科の学生さんみたいに
    緻密で解題的な見方は出来ないのだけど
    主題から離れて

    若き日の横尾忠則先生(主演)や
    横山リエさんや
    唐十郎と紅テントや
    当時の新宿風景や
    ゴダルみたいのやら
    観れるだけでも嬉しいです(o^-')b

    そんで
    フィルムが撮影された当時に思春期を
    過ごせたらどんなだったろう?と
    妄想を逞しくします・・・

    きっと
    マカロニほうれん荘みたいな
    ヘンな隣人が住んでるアパートに住んで
    風月堂や暗くて狭い階段を下った地下に
    あるジャズ喫茶という場所へ行って
    コルトレンやバードやミンガスを聴きな
    がら熱い濃い珈琲を飲んで
    紀伊國屋書店から失敬してきた左派の
    難しい本を読むのです。
    それから
    アンダーグラウンド蠍座でアングラ演劇
    を観たりゴーゴーホールにメーテルの睫
    毛みたいに長いつけまつげをつけまつっ
    た女の子を探しに行きます(*゚ー゚*)
    恋のサイケデリック!
    あと”ナンセンス!!”は言っときたい
    Σ(・ω・ノ)ノ!

  • 意味があるんだろうが、意味不明だった。
    でも勢いがあって魅せる。
    トークショーつきのでみたけど、この時代の雰囲気や空気はそのままだそう。
    そこにはとても惹かれた。

    横山リエさんが美人。素敵。
    「天使の恍惚」もみたいなあ。

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