天地明察 [DVD]

監督 : 滝田洋二郎 
出演 : 岡田准一  宮﨑あおい  佐藤隆太  市川猿之助  笹野高史  岸部一徳  渡辺大  横山裕  中井貴一  松本幸四郎 
  • 角川書店
3.38
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  • / ISBN・EAN: 4988111243409

感想・レビュー・書評

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  • 原作の小説を読む前に、映画を観ました。
    前情報なしで観た為、先日読了した本「日本人の数学 和算」に記載があった「関孝和」が登場し、思わず声を出してしまいました。

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    算額の奉掲場所は氏神などを信仰。関流は愛宕神社、最上流は浅草寺。研究発表の場の意味合いでもあり、算額の紙を貼って回答が間違っていれば反論をしていた。(下平和夫著「日本人の数学 和算」より要約)
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    安井算哲(岡田准一)と村瀬えん(宮崎あおい)が出会ったシーンは、虎ノ門の愛宕神社の設定か、または渋谷の金王八幡宮か‥?
    ※長い階段の映像表現がなかったので後者と推察。映画のスタッフが、どこまで忠実に再現しているかわかりませんが。

    神社での算術のやりとりについて、本ではイメージが湧かなかったので、映画を観れて良かったです。
    上記の本では「紙」に設問を書くとありましたが、江戸時代では「絵馬」に設問を書いて神社に奉納していたようです。なんと知的な活動かと驚きました。

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    問題が解けたことを神仏に感謝し、ますます勉学に励むことを祈念して奉納されたと言われる。やがて、人びとの集まる神社仏閣を問題の発表の場として、難問や、問題だけを書いて解答を付けずに奉納するものも現れ、それを見て解答や想定される問題を再び算額にして奉納することも行われた。(Wikipedia 抜粋)
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    映画のレビューより、和算についてのレビューになってしまいましたが、とにかくオススメの映画です!
    原作の小説も、皆さんのレビューが高評価なので、読みたくなりました。

    ・安井算哲(岡田准一)
    ・村瀬義益(佐藤隆太)
     著書『算学淵底記』1681年
     百川流(百川治兵衛)。
    江戸で礒村吉徳(鹿島藩藩主鍋島正茂に仕えた)
    の門人になる。
    ・村瀬えん(宮崎あおい) 義益の妹。
    ・関孝和(市川猿之助)
    ・北極出地 御用頭取 建部伝内(笹野高史)
    ・北極出地 御用副頭取 伊藤重孝(岸部一徳)
    ・垂加神道 山崎闇斎
     江戸前期の儒学者。

  • 4代将軍徳川家綱の治世、将軍家の御前囲碁をする家に生まれた、安井算哲(後の渋川春海)。御前囲碁をやっていると、暦とずれて、急に日食になってしまう。算哲は暦や和算にも興味があり、会津藩主・保科正之に見込まれ、新しい暦を作る計画を任される。当時、暦は貞観4年(862年)に唐よりもたらされた宣明暦を用いており、公家が代々とりしきり、「公家の領分」だったが、特に日食月食で狂いが生じていた。苦難の末、誤差を正した大和暦を作り、貞享暦となり採用される経緯を描く。

    この暦に関する事は初めて知ったことで、なかなか興味深かった。

    俳優陣も豪華だった。

    同時期、和算の関孝和がいて、算額が盛んな様子、また関孝和との交流で、互いに計算の知識を磨いたことなどが興味深い。教科書にも載っている関孝和。それなりの生活をしていた人なのかと思ったら、映画は長屋暮らしで、計算書に囲まれた、ちょっと狂気をはらんだ人物として描かれていいた。演ずる市川猿之助が存在感あり。

    算哲は和算の私塾の娘えん(宮崎あおい)、と結ばれるのに数年を要した。その間にえんは一旦嫁ぎ離縁され、そして算哲とやっと結婚。結婚も天文学的進み?

    ほかに暦に理解を示す人物として水戸光圀(中井貴一)も登場。


    算哲は、この功により貞享元年12月1日(1685年1月5日)に初代幕府天文方に250石をもって任ぜられ、碁方は辞した。以降、天文方は世襲となる。


    <貞享暦>
    貞享2年1月1日(1685年2月4日)に宣明暦から改暦され、宝暦4年12月30日(1755年[1]2月10日)までの70年間使用された。
    宝暦5年1月1日(1755年2月11日)、宝暦暦に改暦される。

    原作:冲方丁(うぶかた とう)「天地明察」2009.11.30角川書店

    2012公開
    2022.8.23BSプレミアム

  • これすっごい楽しみにして前売り券も買ってました
    (前売り券はおまけがカレンダーだったから買っちゃったんだけども・笑)
    江戸時代の改暦の話だし、ここから幕府天文方が生まれるわけだし
    これを映像化してくれるなんてそりゃ~見たいです!
    そして期待通りとってもおもしろかったです!

    あらすじ
    「代々将軍に囲碁を教える名家に生まれた安井算哲は、対局よりも星と算術に夢中になり、時間を忘れてのめり込んでしまう事もしばしばだった。ある日、会津藩主の保科正之から日本全国で北極星の高度を測り、その土地の位置を割り出す北極出地を命じられる。一年半の任務を終え、暦のずれが判明すると、今度は新しい暦作りの総大将に任命される。天体観測と数理解析を重ねた結果、幕府は改暦を帝に請願するのだが…。」

    なにしろ岡田くん演じる算哲のキャラが可愛いすぎ(笑)
    数学や碁や天体観察など、夢中になったら他が目に入らなくなるくらい
    ひたむきで素直で真面目一直な性格を岡田くんがやるとかなり可愛くなります
    リアクションがかなり笑える~
    これ見るだけでも幸せになりますよ(笑)
    (余談ですが「SP」エキストラで見たときの岡田くんも
    シャイないたずらっ子っぽい雰囲気で可愛かったです
    どうも岡田くんを見ると私は昔日曜学校で教えていた
    イギリス人のジミーを思い出すんですよね~子供なんですけど 
    全然関係なくてすんません)

    江戸時代、将軍の前でやる碁や
    絵馬を使った数学の問題出しっこや
    天体観測のいろんな道具
    原作や資料からよくこういうのを作ったな~と感心
    日本全国あちこちで北極星観測をするやり方とか
    完全に事実じゃないらしいけど、なるほどーと思いました

    その他の登場人物も個性的でおもしろかった~
    最初に一緒に北極出地に出かけた笹野高史と岸部一徳のコンビが
    すっごいおもしろくて
    可愛いおじさんたちでした~ 
    ほんと一生懸命で笑えました

    水戸光圀役の中井喜一とか
    保科正之役の松本幸四郎とか
    いい味出してました

    そして算学者の関孝和役がかなり怪しくておもしろかったです
    天才ってやっぱ変わり者ですもんね

    そして夫婦愛ものとしてもこの作品は話題でして
    どんな作品でもいい妻役で出てくる宮崎あおい

    まあこの時代に偉業をなしたたっくさんの人が出てるので
    別に女が出てこなくてもいいと思うんだけど
    やっぱちょっと色をつけなきゃだめなんでしょうね
    女が出てくるとなんかそこでカクッと集中力が切れちゃうんです
    女いらねー
    あきらかに作られたできすぎたキャラだし
    (特に宮崎あおいとか蒼井優って演技は上手いんだけど
    私上手いでしょ~って自信が見え隠れしていて好きじゃないんですよね
    まだまだ若造なのに)

    そうそう、妻の兄役の佐藤隆太もいい味だしてました

    その他囲碁のライバル本因坊道策や
    お公家さん役の市川染五郎などみんな上手かったな~

    最後日食が当たるところがクライマックスだけど
    これはフィクションらしいです
    てかこの映画の中だけでどんだけ食があるんだ~って感じ

    そしてこの夫婦、仲がよくて亡くなった日が同じだってナレーション入るけど
    それは事実らしいですね
    こないだ「王様のブランチ」で岡田くんも言ってました(笑)

    まあ私は夫婦愛で見るよりは江戸時代天文方の話として
    と~っても楽しめました
    おすすめです

  • 『はみ出しスクール水着』などで知られる(知られてない)滝田洋二郎監督の『天地明察』。つまらなかったです。渋川春海の関連番組は以前見ていてとても面白かったし、冲方丁さんの原作もたぶん面白いというのが透けて見えるが、映画はつまらない。

    ・上映時間が長い。2時間でいい。不必要な部分が長く、説明が必要な部分が適当で退屈。近日点の話がなかったような……。

    ・大道具のエイジングが雑なところがあって雰囲気を損なっている。しかし大小の道具をヴィジュアルで見られるのは映画ならではで良かった。

    ・史実とも原作とも異なる山崎闇斎のくだりがツッコミ所で不要。『ラストサムライ』かよ……。

    ・久石譲の音楽が前に出過ぎていて合っておらず鬱陶しい。映画を観てここまで音楽が邪魔だと思ったのは初めて。

    ・関孝和(市川猿之助)に、はよ会えよと思ってしまう。

    ・本因坊道策役の横山裕の剃髪ヅラが不自然。

    ・序盤の宮﨑あおいのイントネーションがおかしい部分があると思う。

    ・とはいえ宮﨑あおいは天才的であると思う。顔がかわいいとかではなく所作のタイミング。

    ・岡田くんは好きだけど、宮﨑あおいの天才性と比べると演技が下手。しかし役者を活かすも殺すも監督の手腕。岡田くんはアクション映画でいいです。

    ・メインの俳優たちはどうでも良いし、コメディパートもつまらんが、笹野高史と岸部一徳のふたりには大いに救われる。

    ・映画とは関係なく、保科正之と水戸光圀のふたりが出るのは良い。水戸光圀関連で私の好きな映画は木下惠介の『陸軍』。

    ・史実の渋川春海が初手天元を打って負けてるのは笑う。

    ・滝田洋二郎はつまんねー監督だなと思う。昔はこうじゃなかったはずなんだけど。記憶にあるのは『陰陽師』以降だがつまらない……『おくりびと』は良いけど、他の映画と併せて考えるとつまらん。

    ・この映画の「功」は岡田くんとあおいちゃんが結婚したことと、吉岡里帆を世に出したことぐらいか。別に好きじゃないけど。

  • 2012年 日本

    将軍に囲碁を教える名家の息子として生まれたものの、出世も富にも興味がないまっすぐで不器用な男、安井算哲。星の観測と算術の設問を解いている時が一番幸せで、自分の好きなことに熱中しているときは周りがみえなくなってしまう。仕事である囲碁に疑問を感じ、いつも真剣勝負の場に身を置いていたいと願う熱い思いを心にひめていた。将軍・徳川家綱の後見人である会津藩主・保科正之は、そんな算哲を見込み、800年にわたって使われていた暦の誤りを正し、新しい暦を作る大計画のリーダーに抜擢する。これには、大きな難関がふたつ待ち受けていた。ひとつは、日本全国で緻密な天文観測を実施すること。ふたつめは、古来の暦を重んじている朝廷に新しい暦を認めさせること。数々の挫折にも負けず、持ち前の誠実さとひたむきさで果敢に立ち向かっていく算哲。頼もしい師や友人、そして愛する人に支えられ、決してあきらめない男・算哲と皆の夢をかけた、果しなき挑戦がはじまる――。
    約1年ぶり、久しぶりの映画レビュー。元々原作が大好きで映画も見たいなと思っていたものの、録画して安心してすっかり忘れていた。
    主演の岡田准一は俳優として好きで贔屓目になってしまうとしても、他のキャストも良かった。宮崎あおいちゃんは和服本当に似合いますね。かわいいけど凛としたところが素敵だし算哲が諦めそうになったときに渇を入れるところも理想のえんでした。山崎闇斎もカッコよくてしびれる。ただ脚本は見事にコケた感が否めない。原作であんなに感動したのに、何だか白けた印象になるのは何でだ・・・。いかに天を知ることが難しいのか、そのためにどれだけ苦労していたのかを読んで、だからこそ失敗したときは悔しくて、ついに大和暦が採用されたときは胸熱だったのに、ほとんどさらっと流されてるからだろうか。尺の都合上仕方ない面もあるとは思うが、もっと専門的に用語を入れてどうやって数学と実測を組み合わせたのか説明しても良かったと思う。あといくら何でも山崎先生の死に方はないよ・・・別にあんな演出しなくても良くないか?わざわざ史実と変えた意味が分からない。いろいろ思うところはあるけど、キャストの熱演と「暦」をテーマに学者の素敵な生き方を呈示してくれる作品にはなっている。

  • 久しぶりに良い映画を観たなぁって思いました。歴史に疎いわたしとしては時代劇は敷居が高いんだけど、これは楽しめました。山場がいくつもあって、エピソードがかなり詰め込まれてるような気もしたけど。原作があるようなので、そっちはもっとまとまってるのかな?読んでみたいです。

    ひとつのことにここまで人生を捧げられるなんて、うらやましい。

  • 2012 日本
    監督:滝田洋二郎
    出演:岡田准一/宮崎あおい/佐藤隆太/市川猿之助/中井貴一/横山裕

    もともと映画化がきっかけで読んだ原作にいたく感動したので、映画の公開も楽しみにしていたんですが、うーん、正直、原作を読んでるから大体伝わったものの、映画しか見ない人にこれわかるのかなあ?という疑問というか不安を少し感じました。一人ひとりの人物の設定や背景なんかを、映画は小説ほど細かく説明できないので・・・。

    観測の道具やらの諸々は、視覚化されてよりわかりやすくなり嬉しかったですが、そういう、視覚化することでダイナミックになる部分と対象的に、京都の公家連中との暦対決なんかは、視覚化することでちゃちくなっちゃった感が否めなかったのが残念。

    とくに最後の山場で、あのしょぼさは・・・(苦笑)。そこへ嫁がやってきて、衆人環視の中で抱き合うとか、ちょっとありえないと思ってしまいました。夫婦愛を強調したかったんだろうけど、あの対決の場ではちょっと興醒め。重要人物が中盤まででぽこぽこお亡くなりになってしまって、キャストが減ってゆくこともあり、 どうしても尻すぼみで終わってしまった印象です。

    とはいえ、キャスティングはとても良かった。個人的に大好きだった伊藤様と建部様のコンビが、岸辺一徳と笹野高史で、この二人は感動的なまでにイメージ通り。中井貴一の水戸光圀と、松本幸四郎の保科正之もカッコよかった。あと個人的に私がお目当てで見に行った本因坊道策の中の人も、なかなかの美坊主っぷりで満足でした。
    (2012.09.21)

  • 長いなあというのが印象です。岸部一徳さん、笹野高史さん、いい味出してました。宮崎あおいさん、可愛いです。

  • 多少原作とは違っていたけれど、本では想像しにくい測量の器具や方法など興味深く面白かった。

    なんといっても役者が大物ばかりが良い!

    数学者の関さんが怒った場面。激しく怒ったのは良いけれど、自分が出来ない立場であることをもう少し訴えても良かったのでは。

  • Filmarks:3.5
    映画.com:3.3
    allcinema:6.6
    U-NEXT:4.5
    amazon:3.9

    [2012年日本映画、TV録画鑑賞]
     どの時代にも天才はいる!と思わせてくれる作品。あくなき真実の追求、決してあきらめない男としてよく描かれている。古来より中国では天文観測を行っており、王朝ごとに唐の宣明暦、元の授時暦、明の大統暦があることを知る。

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