アレクセイ・ゲルマン DVD-BOX

監督 : アレクセイ・ゲルマン 
出演 : ロラン・ブイコフ  ウラジーミル・ザマンスキー  アナトーリー・ソロニーツイン  ユーリー・ニクーリン  リュドミーラ・グルチェンコ 
  • IVC,Ltd.(VC)(D) (2011年9月22日発売)
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レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4933672239194

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  • 「フルスタリョフ、車を!」
    スターリン時代末期のハードボイルドすぎる日常と、それを はるかに超克する市井の人々の狂騒的なバイタリティに圧倒される。犬や猫や烏の鳴き声、クソガキどもの絶叫に変なハミングなど奇妙な音が常に飛び交い、不可解なキャラクターが画面中を跳梁跋扈のお祭り状態。まさに「ポリフォニック」という言葉がピッタリ。タイトルはスターリンの臨終の言葉らしいが、それを知っていたところでこの作品の理解の足しには1ミリもならない。
    「わが友イワン・ラプシン」
    刑事のイワン・ラプシンという人物の、友人の、そのまた息子がこの作品の一応の語り部らしいのだが、映画は彼の記憶の埒外へと逸脱し、演出もモノクロだったり、カラーだったり、パートカラーだったりとまちまち。あの頃(スターリン前夜)の様々な記憶のレイヤーを、語り部と一緒に追体験している感覚になる。よって初見の時はやや散漫な印象を受けたが、見返す度にそのとてつもない完成度と前衛性にエレクトしっぱなしの大傑作。
    「戦争のない20日間」
    「銃後」を禁欲的に描くことでかえって戦争を生々しく浮かび上がらせ云々〜などと語るも野暮な悶絶傑作。全編に渡って鬼のようなリアリズムが淡々と炸裂するも、監督独特の視点が時にその次元をグニャリと歪ませ、今まで味わったことのない生々しさが体感できる。最後あたりに「前線に出発する列車を追いかける少女」という、口に出すのも憚られるベタなシーンがあるのだが、ここで毎回必ず泣きそうになる。
    「道中の点検」
    上記三作品のあとでは、えらくまともなアクション映画にみえてしまうのだが、監督独自のリアリズムと視点はすでにこの第一作目からトゥーマッチなほどに顕著。艀のシーンや、洗濯物を気にしながら死ぬおばあさんは忘れようにも忘れられない。

    今年(2013)の2月に監督が亡くなったと知った時はとても驚いたが、それ以上に気になるのが「あとは音入れのみ」と数年前に噂で聞いた新作。ストルガツキー兄弟原作のSF (!)とのこと。観たい。

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