週刊 絵巻で楽しむ源氏物語 2012年 6/3号 [分冊百科]

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  • / ISBN・EAN: 4910274410626

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  • 24 胡蝶
    リレー連載21 永田萠

  • 第24帖「胡蝶」

     晩春三月二十日を過ぎても、紫の上の春の町は春たけなわで、光源氏は竜頭鷁首の船を池に浮かべて船楽を催します。里下がりしていた秋好中宮(梅壺女御)の女房たちも招かれ、夜を徹して管弦の遊びが行われました。光源氏の思惑どおり、玉鬘の噂を聞いて心を寄せる人は多く、とりわけ螢兵部卿宮(螢宮)や異母姉と知らない柏木は熱心です。

     翌日は秋好中宮の季の御読経の初日で、一同、秋の町に赴きます。紫の上は、旗色の悪かったかつての春秋論議のお返しに、金銀の花瓶に桜や山吹を挿して、鳥や蝶の装束の女童八人に供花として中宮方へ届けさせ、今回は優勢です。

     初夏のころ、玉鬘のもとに、螢兵部卿宮、鬚黒、柏木などから懸想文がおくられてきました。光源氏はそれらを読み、玉鬘の侍女・右近に返書の指図をします。夏の季節にふさわしい撫子襲の細長に卯の花襲の小袿を着た、玉鬘の美しい容姿や人柄に、光源氏はしだいに心惹かれるのでした。右近は玉鬘の結婚相手に光源氏がよいと考えていましたが、玉鬘自身は実父の内大臣(頭中将)に会いたいとひそかに願っていました。紫の上は光源氏の下心を見抜いてあてこすりを言います。


     玉鬘への思慕を抑えていた光源氏ですが、ある日の雨上がりの夕方、趣深い楓や柏の若葉の風情に、亡き夕顔に生き写しの容姿に魅せられて、思わず慕情を告白してしまいます。玉鬘は思いがけない事態にすっかりうとましくなって、今更ながら親元から離れて暮らす我が身の不幸を嘆くのでした。

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