勝手にしやがれ [DVD]

監督 : ジャン=リュック・ゴダール 
出演 : ジャン=ポール・ベルモンド  ジーン・セバーグ 
  • ジェネオン・ユニバーサル (2012年4月13日発売)
3.58
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本棚登録 : 261
レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102050672

感想・レビュー・書評

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  • なんて大胆で、それでいて、センスがよい、独自色に満ちた映画!

    「ジャンプ・カット」と呼ばれた展開上の整合性や統合性を無視して次々切り替わっていく独特の編集や、手持ちカメラ使用によって不安定に揺れ動くシーンなどが、若い恋人たちの場当たり的で軽薄な行為の積み重ねと訪れる破滅にうまくマッチした、ジャン=リュック・ゴダール監督による初の長編作品。
    映画の既成文法をひっくり返した、ヌーベルバーグの記念碑としても名高い作品です。

    ストーリー展開以上に、そのあまりに大胆な編集技法にびっくりしつつも、最初から最後まで魅入られながら見終えました。

    マルセイユで自動車を盗んだミシェルは、追ってきた白バイ警官を射殺する。
    そのままひたすら遠くへ逃亡するかと思いきや、パリにて、つい最近知り合ったアメリカ人の恋人パトリシアの元へ。何を思ってか、彼女のアパートのベットで寝たり、彼女の仕事の送り迎えをしたりと、無為に時間を浪費するミシェル。
    しかし、警察は確実にミシェルを追っていた。パトリシアの仕事場にも警官が訪れ、彼が殺人犯となったことを、彼女も知る。
    彼の逃亡に付き合う彼女。
    けれど、国籍も違い、(相手の真意が理解できない、という意味に加え、アメリカ人であるパトリシアのフランス語の習熟度からくる理解の限界も少なからずあるのだけど)会話も価値観もはなから大きくすれ違っていた彼らの末路はというと…。

    ミシェルの言葉の意味が理解できずに「Qu'est-ce que c'est "○○"?」と何度も訊ねるパトリシアのセリフは、恋愛関係にありながら、決してわかりあえず、わかろうともしていない二人の間に横たわる溝の象徴そのものといった感じです。

    それにしても、ジャン=ポール・ベルモンド演じるミシェルはクズ男の見本そのものって感じなのに、なんでこんな魅力的なんでしょう。
    もちろん、パトリシアを演じた、ベリーショートのジーン・ゼバークも、キュートで清潔感があってすごくかわいい。

    独特のカメラワーク、理解しあえない男と女の象徴的な演出、俳優の魅力と、様々な魅力がそろい踏みして、融合しています。
    そして、断片的な場面展開にもかかわらず、ストーリーが分からなくなることは決してないようにちゃんと組まれている点には、もはや脱帽してしまいます。

    (余談ですが、既成概念を崩すことに果敢に挑んで独自色を出しながらも、まとまりある仕上がりにしているセンスの良さと技量に、世代も分野も違いますが、19世紀後半のフランス人画家ポール・セザンヌの絵画を思い出しました。)

    95分と短いので、ヌーベルバーグの記念碑と呼ばれたこの斬新な作品を、ぜひ多くの方に観ていただきたいですね。

  • 1960年公開のフランス映画。

    警官を殺してパリに逃げてきた自動車泥棒のミシェルは、アメリカ人の恋人パトリシアとお互い自由で束縛しない関係を楽しんでいた。

    そんなある日、彼の元に警察の手が及んでくる。

    パトリシアはミシェルの愛を確かめるため、彼の居場所を警察に密告。

    そして彼にも警察の追っ手が来たことを知らせるのだが…。

    原案は『大人は判ってくれない』の
    巨匠フランソワ・トリュフォー(!)。

    1950年代末にフランスで起こった
    まだ若き無名監督による
    ロケ撮影、即興撮影中心の
    新しい映画の波である
    『ヌーヴェル・ヴァーグ』の決定打と言わしめた、
    ジャン=リュック・ゴダール監督の
    長編デビュー作にして最高傑作です。

    その後にアメリカで起こるリアリズムを追求したアメリカン・ニュー・シネマに与えた影響なども大で
    映画の常識をぶち壊した記念碑的作品でもあります。
    (沢田研二の同タイトル曲や、ガールフレンドの名前を曲名に付けたPillows、我が敬愛するジャズパンクバンドのバンド名や
    某有名パンクバンドのアルバム名など、この映画にインスパイアされたアーティストはゴロゴロいます)

    16の頃、
    『これだけは絶対に観てくれ!』と
    ギタリストだった親友に勧められ観たんやけど、
    その破滅的な世界観に圧倒されました。

    無軌道なチンピラのミシェルを演じた
    若きジャン=ポール・ベルモントが
    ニヒルでスタイリッシュで本当にカッコ良くて、
    ハンフリー・ボガードのポスター買って
    帽子のかぶり方やタバコをくわえる仕草とか
    よく真似したよなぁ〜(^O^)
    ↑良い子の学生は真似しちゃダメだよ〜


    撮影所を飛び出し
    まるでドキュメント映像のように
    手持ちカメラで撮影した
    パリの街を駆け巡る
    モノクロの映像と斬新なカット。

    カミュの『異邦人』を彷彿とさせる不条理で刹那的な世界。

    ただ女に騙されたチンピラが
    野垂れ死んでいくだけの話なのに
    学生だった自分にはそこに刹那な美学があるような気がして、
    本当に衝撃的でした。

    パトリシアを演じた
    ジーン・セバーグの
    ベリーショートスタイルのセシルカットと
    可憐な瞳も忘れられません。
    (サガンの『悲しみよこんにちは』の女優さんです)


    しかしこれほど絵になる二人は
    今の映画界探しても
    いませんよね〜(^_^;)

    オシャレに敏感な今の若い人にこそ、
    観て何かを感じて欲しい作品です。

  • 映画の内容は知らずとも、この写真は何度も見たことが。雑誌なんかの映画特集だと必ず見かけ、またフランス女優特集だと必ず出てくるジーン・セバーグのベリーショート。
    ゴダールの映画というキーワードも聞いたことがあるし、ヌーヴェルヴァーグという言葉だって聞いたことがある。
    しかして、それらすべてが一挙にやってくる勝手にしやがれという映画について何を知っているのかと言われればゼロ、というスタート地点から鑑賞開始。

    そもそもヌーヴェルヴァーグという単語の意味を理解していなかったので、それを少し調べることから始め。しかし、意味なんて知ってても知らなくても、どっちでも良かったのかもしれません(映画史を勉強するならともかく)。

    表面的には男女のラブロマンスにちょっとした事件がつきまとうだけの内容なのかもしれませんが、最後の最後に「おれたちは自分の話をするだけで、お互いの話をちっとも聞いてやしなかった」というセリフにあるように、男女間の埋められない溝みたいなものを感じました。まだまだ女性がキャリアウーマンとしてバリバリやっていくには難しい時代、ジャーナリストとしての夢を異国の地で叶えたいパトリシアにとって、好きだから一緒に暮らそう、パリは嫌だからイタリアに行こう、行けばなんとかなると言うミシェル。これがフランス映画でなく、昨今のハリウッドラブコメだったら女性側がブチ切れて別離、そののち女性が折れて男性と一緒にイタリアに移住するか、男性が女性に折れてパリに住むか、それとも二人でアメリカへ行くか、てなところだろうと思うのですが、そのどれでもない結末はフランス映画!って感じで好きでした。

    最後の最後、あんな目に遭っているミシェルを見下ろして、泣くでなく悲しむでなく、ショックを受けるでなく、ただただ無表情なパトリシアには、女性にしかわからない女性の薄情さを感じました。

    随所随所に、なんでやねーん!と盛大なツッコミを入れたくなりましたが、人間の行動って元来はそういうものなのかもしれませんね。
    まったくもって共感できませんが、しかし映画史に残る映画であることは理解できます。好きかと言われれば好きではないけれど、という娯楽作品というよりも教養のための映画というか。

    ジーン・セバーグはなんだか想像していたよりもむちっとした体つきで、それがとっても可愛らしかったです。サブリナパンツも可愛かったですが、ボーダーシャツにたっぷりのフレアスカートが、転げ回るほど愛らしくてお洒落でした。

  • ゴダール=わかりにくいという勝手な先入観で(一作も見たことないけど)ハードルを上げてしまっていたが、思ったより全然普通に楽しめた。カメラとかよくわからないが、撮り方に無駄がない感じでストレスなく観れた。

  • お洒落。
    ジーン・セバーグがかわいすぎる。

  • 自動車泥棒のミシェルは盗んだ車をパリへ向けて走らせていたが、途中問い詰められた警官を射殺してしまう。
    ミシェルが向かった先はアメリカからの留学生で新聞社で働くパトリシアの元だった。
    デートを断わられたミシェルはパトリシアのアパートに泊まり込む。

    面白い!
    いわゆるお洒落って感じではないお洒落さ。
    会話がどのシーンも心地よいんだよね。

  • 2007.3 鑑賞

  • 単に見ただけでは「ジーン・セバーグがかわいいなぁ」「ぶつ切りな映画だなあ」というくらいの感想だったのですが、町山智浩さんの解説を聞いてようやく各シーンの意味が分かってきました。映画って奥が深いっすなぁ。

  • 退屈といえば退屈なんだけど、それでも臨場感があって最高!
    ドライブのシーンとか日曜日の昼下がりにデートしてる気分に。抒情的なセリフも、どこかに照れがあるような言い方が上手いのか、臨場感やカメラ、編集と相まって素直に入ってくる。
    終わり方はまさに映画!

  • 二人のいちゃいちゃぶりが可愛くて、でもミシェルが何をやったか知ってもパトリシアがそのままついていくから、あれ?あれ?って思ってたらああいう展開。

    彼女にとっては「確認作業」が済むまでは、ということだったんだなって思った。ある意味ちゃんとしてる。

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