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- / ISBN・EAN: 4523215072991
感想・レビュー・書評
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内戦の絶えない旧ユーゴスラビアの時代を背景にしながらも、エネルギッシュでちとクレイジーな時間が流れたアンダーグラウンドの世界。
登場人物一人一人の個性もすごく生きていて濃厚な時間が味わえる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ユーゴスラビア半世紀の戦乱と饗宴をハイテンポなジプシー・ブラス・バンドが狂熱的に煽り立てる。悲劇として起きた過去の戦争が、映画作成時も続いている泥沼の紛争と対比させられる苦しみを背負いながら、人々の生命力は悲劇も喜劇も飲み込もうとする、圧倒的な約3時間の濃厚な体験だった。映画終盤で告げられる「ユーゴスラビアなんて国はもう存在しないよ」という宣告、そして全ての悲しみを浄化するようなラスト。「許そう。でも、忘れないぞ。」この言葉は何に向けられて告げられた言葉だろうか?
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製作年:1995年 製作国:フランス=ドイツ=ハンガリー 時間:171分
原題:UNDERGROUND
監督:エミール・クストリッツァ
(3.5点) -
祖国とは
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旧ユーゴの歴史を、詐欺師になった男と地下で戦争に備える人々を通して、ブラックコメディ風になぞる。
約三時間の大作だが飽きずに観られた。 -
『くに』が散り散りになり、戦争が起こる。現代では歴史と呼ばれる時代にも、血の通った人間は生きている。
そして、時代が人間を振り回し、人間が時代を創り出す。
そのきっかけは、愛や恋や欲といった、とるに足らないものに過ぎなかった。
この映画の主人公たち三人のように。
「苦痛と悲しみと喜びなしでは、子供たちにこう伝えられない。『むかし、あるところに国があった』、と」