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感想・レビュー・書評
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N国党の立花孝志が「NHKをぶっ壊す」なら、
城繁幸は「日本型雇用をぶっ壊す」である。
本書を読めばわかるが、日本型雇用とは、既得権なのである。
2010年に出版された新書であり、今ではデータ等が時代遅れになっている部分はあるにせよ、10年経過して、果たして著者の望むような社会に「近づいているのか」考えものである。
私があまり賢くないからかもしれないが、「雇用問題」は理解しようとすれば、中々高度な議論なのだと本書を読んで感じたものだ。
どうやら、政治家のうちにもろくに理解できていない人間は多いようである(笑)。
おそらく、「雇用問題の正しい捉え方」は本書によって基本的な部分は身に付く。
切り離すことのできない「年功序列賃金制と終身雇用」(これこそ日本型雇用)であるが、今や、「年金問題(最近、老後2000万円問題でさらなる話題に)」と同様、高度成長、人口増大を前提に設計・運用されてきた上記の「日本型雇用」が破綻しかけているのである。
目指すべきは、正規・非正規共に、「失敗の存在を前提に設計かれた社会」である。「派遣、パート、中小企業、女性(派遣、パートに多い)」に痛みを押し付ける社会では、誰も幸せになれないのである。
余談だが、先日東京都知事選に立候補して、密です❤️でお馴染みの小池百合子に惨敗した宇都宮健児は「弱者に優しい社会は、皆にとって「も」優しい社会だ」というような思想を持っている。
今や、低成長(デフレ)、少子高齢化に加え、コロナ禍を増大させる「だめだめ安倍政権」、さらには多発する自然災害と、多くの「状態変化」と「国難」が同時多発的に押し寄せている。
大企業に勤めるにせよ、中小企業に勤めるにせよ、はたまた、起業するにせよ、その舞台が日本である以上は、見過ごせない問題が「終身雇用の幻想」なのである。
そして、「既得権をぶっ壊す!」には、我々若者の「政治経済的インテリジェンス」とエネルギーが欠かせないのだ。 -
・日本企業には、いまでも年齢給が存在し、年齢によって給料の相場が決まってしまう
・結果的に、フリーターや既卒などの人間は割高になってしまい、敬遠されることになる。この傾向は大手ほど強い。
・90年代、正社員の雇用を守り続けた結果、就職氷河期世代が生まれてしまった。
・判例により、企業はまず新卒採用を抑制す両義務付けられている。要するに就職氷河期世代を生み出したのは方であり、それをよしとした日本社会である。