インディペンデンス・デイ [Kindle]

著者 :
  • PHP研究所
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感想・レビュー・書評

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  • 様々な人々の人生が交錯する短編集。「インディペンデンス・デイ」は大切な人生の節目。だから、自分も思い当たることばかりだ。等身大の登場人物が悩んだり、立ち止まったり、喜んだりする姿にいちいちジーンときてしまった。出会いと別れがあって、それら一つひとつが大切な瞬間だと強く共感できた。大人になっていろいろな経験や人との出会いを重ねてきたからわかることも多々あった。改めて自身の様々な出来事を追体験したようで感慨深い。自分の体験もそれはそれで無駄じゃなかったと思えたし、過去と袂別し、自分の人生に潔く向き合う登場人物たちに気づけば前向きな気持ちになった。連ドラで映像化してほしいな。

  • 4.5
    良かった。
    作品の登場人物が次の作品の主人公になるっていう設定かなりハマりました。
    前作の登場人物を生かして、次の話を書くってかなり大変だったんじゃないかと思います。
    それでも、面白く仕上げてくれて、マハ先生には感謝感謝です。
    個人的には、幸せの青くもない鳥と独立記念日の流れがとても良かったです。ちょっと泣けました。

  • 親、友だち、故郷、仕事
    様々な独立のカタチ
    短編がバトンリレーごとく繋がっていて、どこまでも続いて行きそうです

  • 女性の自立、独立、生活の転機などをテーマにした連作短編。24話収録で、一つ一つはかなり短い。

    お気に入りは、「バーバーみらい」(SF漫画家の卵と床屋のお婆さんの出会いがヒット作を生んだ話)、「缶椿」(気弱なOLと掃除のおばさんの淡くも心温まる交流を描いた話)の2篇かな。

    タイトルから、ブルース・スプリングスティーンの曲を思い出した。レビュー書いてる今も、頭の中で曲が鳴ってる。Well papa go to bed now it's getting late…

  • 女性の日常を描いた…みたいな話は、大体において「ああ、そうですか」って感想しか抱かないことが多く、苦手だったりする。この連作短編集はそんなことはなかった。どの話に出てくる主人公に対しても、大なり小なり共感出来たり、想像できたりする部分があったし、前向きな気持ちになる。
    もっと若い頃に読んでいたら違う感想を持ったかもしれない。(「ああ、そうですか」だったかも)
    「バーバーみらい」「まぶしい窓」が好き。
    理髪店で顔を剃ったことがないんだけど、そんなに気持ち良いものなんだろうか。

  • インディペンデンス=独立
    独立記念日をテーマに書かれた連続短編集。
    様々な女性の視点や生き方で話が続いていく。

    原田マハさんらしい前向きで、わかりやすい明るい小説。

  • 連作短編ではあるもののそれぞれのストーリーのほんのすこしの部分で繋がっているのが面白い。
    新しい生活を始めようとする女性の悩みや葛藤を描いたストーリーの後には、その女性が新居選びで相談した不動産屋の女性が次の主人公だったり。そんなゆるーい繋がりのまま、それぞれの短編が展開されていく。
    何かしらに悩みや閉塞感を持つ女性たちが、すこしのきっかけで自らの「独立記念日」を得ていく物語。それは決して先行きが明るい話ばかりではないけど、ほんの少しこころが軽くなるような話や希望に溢れるような話もあって、読み進めるほどに気持ちが晴れやかになっていく。
    最後の方ではこれまでの登場人物が収束していくので、「ああ、このひとはあの時の…」的な懐かしむこともできる。
    全体的な構成が非常によくできていて、一つ一つのお話も面白い。原田マハさんのほかの作品も読んでみたい。

  • 失恋したり、失業したり、家族を失ったり‥そんな悲しい経験を胸に、潔く立ち上がろうとする瞬間を描いた24の短編集。短編それぞれに緩やかな繋がりがあり、人はけして一人ではないことを伝えている。
    少しドライでほんのり甘く、最後は優しく爽やかな飲み物のような味わいの作品。この本のタイトルの意味が素敵。私も前向きになるスイッチをONにしたくなった。

  • まさに原田マハ!
    読んでいて楽しかった。短編集なので、一遍は短いが、短すぎる、先が読みたいと思わせる。

  • 短篇集。その短篇で出てくる人物で繋がっていく。日常で出会う素敵な人や救ってくれる人が、実は苦しんでいたり悩みを抱えている。人は色んな人に助けられてこそ生きていける共生の概念、そしてその苦しみから独立することで自由になったり心が解放されたり、それが必ずしも社会的な成功でなかったり。形は様々な独立の概念。この矛盾する二つの事象で成り立ち生きていく弱い人間の美しさを見事に表現している

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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