地下水道 [DVD]

監督 : アンジェイ・ワイダ 
出演 : テレサ・イゼウスカ  タデウシュ・ヤンチャル  ヴィンチェスワフ・グリンスキ  スタニスラウ・ミクルスキ  エミール・カレウィッチ 
制作 : イエジー・リップマン  イエジー・ステファン・スタウィニュスキー  イエジー・ステファン・スタウィニュスキー  ヤン・クレンズ 
  • 紀伊國屋書店 (2011年発売)
3.86
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本棚登録 : 48
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4523215054843

感想・レビュー・書評

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  • ☆9

    1999年 視聴

  • ポーランド派の代表。

  • 冒頭に映し出されるのは、火炎放射器で焼かれ、爆弾で崩れ落ちるワルシャワの街。そして、破滅を予告された中隊の面々が一人ずつ紹介される。武器をとって蜂起にくわわったにも関わらず、日が射さずガスが立ち込める地下水道の中で惨めな死を迎えねばならなかった人々の運命を、一切の美化も感傷もなく見つめた、恐ろしいほどの傑作だ。
    地下水道に入る前から、中隊長は、部下たちをむざむざと死に追いやることに絶望しており、ピアニストは自身の奏でる音色に破局を聞きとっている。ある者は発狂し、ある者は自殺し、ある者は死を逃れようとして敵の手中に陥る。
    これらの人々の中でもっとも忘れがたい光を放つ人物は、デイジーだ。それまで何度も地下水道をくぐって連絡係をつとめてきたこの美しい女性は、愛する男を生かすために、誰よりも強靭な精神力で冷静に水路を超えていく。脱出口を探す中隊長にとっては絶望を意味するものでしかなかった「ヤチェクを愛してる」という落書きが、2人の前でその真の意味を明らかにするとき、明日をもしれぬ状況の中で、秘めた愛情をささえに恐怖をくぐりぬけてきたデイジーの気持ちが、一瞬の光に照らし出されたように
    明らかになる。そのシークエンスの鮮烈さ。そして死にゆくヤチェクを抱く彼女の背後に浮かび上がる河の美しさ。
    パルチザン中隊を描いた映画でありながら、英雄的な死を遂げる人物はひとりも出てこない。行く手に死しか見えない絶望的な状況において、ひとりひとりが何を考え、どうふるまったのか。それを見つめることでしか、彼が体験した戦争は描き得ないものだったのだろう。

  • ポーランドのレジスタンス…いわゆるワルシャワ蜂起が土台らしいですが、その中のほんの一部隊をフォーカスして象徴的に撮しているんじゃないかと思います。蜂起失敗の最終段階について地下水道が舞台なのは色々とイメージがつながりやすく、どのマンホールから出ても自由を勝ち取れない現実は閉塞した空気を醸し出している…という。逃げ場がなく、命を脅かされる最も張り詰めたものとして。これがポーランド人にとって共通するトラウマの一つなんでしょうか。戦闘シーン、地下でのアクシデント、ホラー的な映し方など絵もいいのがあります。

  • 地下水道から出ることのできない絶望感

  • 2013年1月14日(月)、鑑賞。

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