三人の女 [DVD]

監督 : ロバート・アルトマン 
出演 : シェリー・デュヴァル  シシー・スペイセク  ジャニス・ルール 
  • キングレコード (2012年7月10日発売)
3.77
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本棚登録 : 24
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988003812911

感想・レビュー・書評

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  • これは名作!めっちゃ面白かった!あんまり人に映画をオススメとかしないんですが、これはオススメ!今ならゲオとかで70〜100円でレンタルできるので機会があれば是非。ただしラストだけ難解。

    アルトマンの映画を最近ちょいちょい観てて、退屈なものが多いんだけど、これは退屈じゃなかったです!アルトマンの映画で今んとこ一番好きかも。2位『ロンググッドバイ』、3位『マッシュ』。

    先日、ブクログのフォロウィーさんと「女優のブスとは」とか「個性的な顔」について話してたんだけど。
    シェリーデュヴァルさんって、ほんとに個性的な顔で、一度見たら忘れられない。アルトマン作品では常連だけど、他は『シャイニング』とか。市川実和子と岸田今日子を足したような顔なんだけども、えーっと、早い話がブスです。
    もうひとりがシシースペイセクなんだけど、『キャリー』のね。で、こちらもそこまででもないけどブスというか。『キャリー』で散々いじめられてて、ほんとに悲しい役だったけど。どちらもキング原作ものに出てる。

    アメリカンニューシネマ期の前は、女優って美人ばっかりだった。考えてみればそれってリアルじゃなくて。例えばめちゃくちゃかわいい子って、学年にひとりいるかいないかだったでしょ。誰もがガッキーみたいなわけじゃないですよ、それだったら誰でも女優とかアイドルになれるんで。今はAKBとかいるからまた違うけど。
    で、その後80年代になるとまた美人が増えて、「商品」に戻っちゃった。その頃の美人女優って今あんまり残ってないと思う。

    アルトマンがシェリーデュヴァルを発掘して使ったのはほんとにすごい大発明で、リアル。誰でも映画(人生)の主役になれるってことなんです。
    で、この映画のシェリーデュヴァルさんはすごいキュートです。ブスなんだけどキュート。かわいいんです。この映画には本当に人間の業とか欲の部分とか、哀しさがあるからだと思う。

    ラストだけ難解だけど、この映画はアルトマンが自分の夢を元に作ったらしいんで、意味不明なのは当然ですね。

    若干ネタバレになるけど、簡単に言うとシシースペイセクがシェリーデュヴァルになりたがって、シェリーデュヴァルはジャニスルールになりたがるって話。
    少女→独立した女性→母親っていう構造で、シシースペイセクだけ人格が分裂してるから退行するんだけど。

    • GMNTさん
      5552さん、こんばんは。

      シェリーデュヴァル、市川実日子ちゃんじゃなくて姉の実和子ちゃんの方です。目がギョロっとしてるので。実和子ち...
      5552さん、こんばんは。

      シェリーデュヴァル、市川実日子ちゃんじゃなくて姉の実和子ちゃんの方です。目がギョロっとしてるので。実和子ちゃんを縦にびよんって伸ばした感じの。
      『ポパイ』、観たことあるなんて羨ましい!権利関係のせいか、あれDVD化されてないんですよね。ロビンウィリアムズが亡くなったから、そろそろされても良いのにって思ってるんですが。
      観たことないけど、まさにオリーブそのままって感じですよね。欧米人は顔が細い人多いけど、シェリーデュヴァルさんは極端に顔が細長いし、体も細いですし似てますよね。

      『シャイニング』は好きな人も多いけど、僕もあんまり好きじゃないです。キューブリック作品としては良いけど、一本の映画として観るとつまらないと思います。字幕もふざけてるし笑。

      で、『キャリー』は僕も大好きで、節目節目に観る映画のひとつです。モンスター映画、そうかもですね。キャリーの方に感情移入するんで、切なくて。ゴジラ映画でも好き嫌いがはっきり分かれてて、ゴジラが死んだり負けたりする方が好きなんですよ。あと、ティムバートンの映画も同じなので、モンスター映画と言うとしっくりきますよね。

      ボカシは基準がよくわかんないです。テレビ放映のためとかPG指定はあるとは思うんですが。一応、性行為ではなければ見せてもOKだった気はするんですが。
      ブクログで、だいぶ前に女性の方が『羊たちの沈黙』のとあるシーンにボカシがかかってて全く意味がわかんなかったと怒ってました。男子はわかってちょっと笑えるシーンなんですけど笑。そのシーンも性行為じゃないんで、ボカシは別に入れなくても良いと思うんですけどねえ。ストーリー上けっこう大事なとこなのに。

      『ピースオブケイク』、エロいんですか。見たいような見たくないような笑。しかも相手は綾野剛ですよね。。

      他のアルトマン作品、僕は『ショートカッツ』があんまりピンとこなくて。ていうかアルトマン全体そんなにピンとこないんですけど、特に群像劇になるとそうですね。
      『三人の女』や『ロンググッドバイ』は群像劇じゃないから良いのかもしれませんね。

      ゴールディホーンも喜劇女優なのでコメディによく出てますけど、『続激突』なんかはシリアスだし、美人なんですよね。
      エマストーンもそうですよね、コメディだと面白いし、シリアスだとかわいいしで。
      シェリーデュヴァルもゴールディホーンもどちらも、アメリカンニューシネマ期の女優さんなんで。エマストーンの評価が上がってきてるのはなんか良いなと、前回の話につながります。
      2017/12/15
    • 5552さん
      GMNTさん

      実日子さんじゃなくてお姉さんの方でしたね。
      ちゃんと読め、自分(^^;失礼しました。

      『ポパイ』は小学生のとき、...
      GMNTさん

      実日子さんじゃなくてお姉さんの方でしたね。
      ちゃんと読め、自分(^^;失礼しました。

      『ポパイ』は小学生のとき、テレビでやっていたような...ロビンウィリアムスという名前も知らずに「アニメのポパイを人間がやってる!」と楽しく見たような...。DVD 化されてないんですか。アルトマンも亡くなってだいぶたちますしアルトマン全集とかに入っていても良さそうですよね。

      『ピース・オブ・ケイク』は事前、事後エロというか(笑)綾野剛だけでなく柄本佑、菅田将暉とのラブシーンがあります。モテモテで流されやすい女子を多部ちゃんが演じています。
      好きなので話題に出してしまいましたが薦めているわけではありませんよ~。

      GANTさんはアメリカンニューシネマ期の映画がお好きなんでしょうか。人の本棚を覗くの趣味なので(^ω^)観たことない骨太そうな古い映画(ざっくり)が多いな~との印象です。
      有村昆さんが「映画の『ストーリー』は1960年代、1970年代までにすべて語り尽くされている。あとはどうアレンジしていくか、といわれている」とおっしゃてましたがどうなんでしょうね。
      映画だけじゃなく小説や漫画も、音楽のメロディまでも作りつくされてるんでしょうか。

      映画の黎明期に生まれてみたかったものです。
      今でも十分楽しいですが。

      それではお邪魔しました。
      2017/12/15
    • GMNTさん
      5552さん、こんばんは。

      そうです、実和子姉ちゃんの方です笑。実和子ちゃんも普通にかわいいと思うんですが、好みの顔じゃなくて。小学生...
      5552さん、こんばんは。

      そうです、実和子姉ちゃんの方です笑。実和子ちゃんも普通にかわいいと思うんですが、好みの顔じゃなくて。小学生の頃の友達(男子)に似てます笑。

      『ピースオブケイク』は公開時に映画館で観るか迷ってました。邦画のドラマってDVDレンタルでいいやとか思って、これも行かなかったですけど。
      多部ちゃん好きだから観たいんだけど、他の俳優とイチャイチャするのはイラっとしそうなので板挟みに笑。

      アメリカンニューシネマ期、うーんどうでしょうね。特にそこだけが好きなわけではないですけどね。
      僕は1978年生まれで、5552さんは同世代から五つ下ぐらいかなと思ってるんですが、70年代って「古い」って感覚がそんなにないんです。「ちょっと前」ぐらいで。60年代以前になると古いかなって思うんですけど。
      80年代以降は、リアルタイムである程度わかる部分が多いので、DVDで映画を観るとなるとどうしても70年代以前のものが多くなりますね。

      日本映画だと最盛期は50年代に終わったって言われてますね。で、そのあと70年代ぐらいまでは映画がまだ力を持ってた時代なので、面白いものはけっこう多いです。
      その後はポストモダンの時代というか。『スターウォーズ』にしてもタランティーノの映画にしても『マトリックス』にしてもエヴァにしても既存のものを再構築してますよね。そういう時代に生きてるので、リアルタイムのよさとは別に、我々も今の映画と古い映画、同列に観て楽しめるのが良い点なんじゃないでしょうか。

      あと、音楽も一緒なんですが機材の発達、発明とは切り離せないので。
      ヌーヴェルヴァーグもカメラの小型化が重要な要素だし、ロックの世界でもパソコンが最後の新しい機材で、今後本当に革新的なものはできないと言われてますね。たぶん今後はVR的なものになっていくと思いますが。
      だから今は一極集中した革新的なものが良いって時代じゃなくて、多様性の中の個人の価値観、自分の好みを求めていくのが大事なんじゃないかなと思ってます。
      2017/12/15
  • 難解な物語で、半分も理解できていない気がするけれど、奇妙な世界観に最初から最後まで惹きつけられっぱなしだった。最初の数分観た段階で「この映画に出てくる人は皆ちょっとズレてるな」と戸惑った。ピンキーは子どもっぽい間抜けな言動をとるし、ミリーは仕事のできるサバサバ系お姉さんなのかと思いきや、周囲に疎まれていることに気付かず独りで喋りつづけるナルシスト。でもミリーが「私は間違って生まれた子なの」と出自について語り出し、「自分は計画的に生きるのだ」と黄色に統一されたインテリアを自慢するシーンは、強気に生きてきたミリーの内面にある傷を物語っているようで印象的だった。ところがその場面でピンキーは着替えに夢中でミリーの話を全く聞いていない様子である。後にミリーがピンキーの両親が抱き合って眠るのを目撃してしまうシーンがあるが、この二人は生まれ育った環境があまりにかけ離れているためにどうしても分かり合えない部分があるのだと思った。……そこで、事故である。ピンキーは記憶障害を起こし、ミリーの人格が乗り移ってしまう。この先の展開と、三人目の女ウィリー、そして随所に表れるプールの解釈については謎が多すぎて理解ができなかった。とにかく不安を煽ってくる映画。

  • シシー・スペイセクとシェリー・デュバルの二人のキャラが途中で完全に変わってしまうところが本当にすごい。ことにシシー・スペイセクのほうはまったく色気のない中学生のような感じだったのがいきなり大人の女になるのでびっくり仰天である(でも、この二人はともに同い年でしかも三〇代後半なのである!)。
    さて、この二人の人格変化についてはいろんな説があるようだが、私はまずシシー・スペイセクが事故によって変わり、それが引き金になってデュバルが変わったと思った。人格の入れ替わりという説は面白いが、それではオカルトになってしまうので賛成できないのだがどうだろうか。

  • ロバート・アルトマンが、イングマル・ベルイマン『仮面/ペルソナ』にインスパイアされて撮った問題作。主演女優が「シャイニング」のシェリー・デュバル、「キャリー」のシシー・スペイセクのそろい踏みというだけでも十二分に濃い。とある砂漠地帯を舞台に、養老サナトリウムで働く気取り屋の先輩療法士と、それに憧れる新人療法士が交わす倒錯したコミュニケーションの断続。そして、場末の酒場に一人砂絵を描くはらみ女の沈黙。物語は、とある事故を契機に、記憶障害に陥った新人療法士が、先輩療法士になり代わっていくことで、ゆらり反転していく。そして、おぼろげな中、はらみ女が死産したのはいったい何者だったのか。不調和な音楽と相まって、全編視聴者の精神を不安定にしていく。"1人の女が2人に・・・2人の女が3人に・・・そして、3人の女が1人になった。" とは、公開当初の宣伝コピーであるが、精神分析とも、超現実主義ともつかぬアルトマンの夢世界をとくと堪能あれ。

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