- Amazon.co.jp ・電子書籍 (400ページ)
感想・レビュー・書評
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読了。Kindle Unlimited。太陽系から3光日の位置に、直径1200万キロ、全長5380光年に及ぶレーザー光束が発見され、人類は「バビロニア・ウェーブ」と呼んで無尽蔵のエネルギー源として利用する。その正体はなんなのか、その謎に迫るが…というかつてないスケールの話。宇宙を股にかけるストーリーだけど、いわゆるスペースオペラではなく、むしろ地に足のついたハードSF。
想像を絶するほどスケールの大きい話は大好物で、クラークの「宇宙のランデブー」とか野尻抱介の「太陽の簒奪者」みたいな話を頭の中で絵を想像しながら(完全には想像できずに)読むのが好きなんだけど、これはいい設定の割にそれほど興奮して読む感じでもなかった。
ひとつには、書かれた時代のせいで登場するテクノロジーが古い(やたらと紙が使われていたり、通話システムが固定だったりする)というのはあるんだけど、それよりも、登場人物があまりにも勝手に行動しすぎるし、秘密にしすぎるし、それをそのまま受け入れすぎというのが大きい。宇宙にいったら一致団結しろとまではいわないが、いくらなんでも勝手すぎるだろう、というのが気になり、それを疑問に思わない主人公にも感情移入しにくいのだ。
ラストシーンもなんで主人公がそこまでして出ていくのか、そもそもそのイシュタル計画は何を目的としているのかがいまひとつよくわからなかった。
アイデアはよかったがそれを生かし切れなかった印象。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
かなりハード、かつ地味なSF作品でした。でも不思議な吸引力がある作品で、最後まで楽しめました。
宇宙が舞台ですが、物語の終盤までは閉塞感があったのが意外でした。宇宙は広いけれど、人間が生存可能なのは本当に限られた場所だけなんだなあと改めて思い知らされました。 -
久々の宇宙ものSF。30年近く前の作品のため少し古い気がするのはしょうがないか。発想は面白いのだが、活かしきれずに終わった感じ。
でも、このころから既にダークマターは論じられていたんだ。
これを読了した今日、暗黒物質観測プロジェクト終了のニュースが流れた。日本人ノーベル賞受賞者が正に懸念している状況を政府自身が作り出している。残念だ。 -
読みやすかった。