ザ・ゴール2 [Kindle]

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  • TOC(制約条件の理論)の続編。「変化を起こし、実行に移すための手法」である〈思考プロセス〉をストーリー仕立てで描く。
    そのプロセスは:
    ・現状問題構造ツリーから現実に観察される問題点を整理し、少数の根本原因やコアの問題に収斂させる。
    ・そして、何に変わるのかを明示する対立解消図を作成。
    ・対立解消図を使って出てきた問題解決策を実施した際に生じるであろうマイナス面を予め潰す未来問題構造ツリーを作成。
    ・そして、実行に移す際の中間目標を記す前提条件ツリーと、実行する順番を示す移行ツリー。
    から成る。フィクションなので現実はそう簡単にはいかないとは思うが、思考アプローチはもちろん小説としても面白い。

  • 「ザ・ゴール」をよんだときには、かなり刺激的だった。
    生産工程におけるボトルネックというテーマに関して、きわめてわかりやすく説明してあった。
    一体どこにボトルネックがあるのかを考えて、
    今の新しい方法でボトルネックを解決することができるように思える。

    今回の思考プロセスの問題は、かなり重要な感じをしている。
    私のいままでの思考方法は、
    1,現状認識
    2,問題点と課題
    3,解決方法
    4,解決はどこまでできたのか?
    5,さらなる課題。

    という5つの課題に分けて考えていたが、
    しかし、今回の思考方法は、かなり考え方が、おもしろいように思える。

    何をかえればよいのか? What to change?
    何にかえればよいか? What to change to?
    どのようにかえればよいか? How to cause the change?

    1,現状問題構造ツリー Current Reality Tree
    2,雲(対立解消図) Cloud
    3,未来問題構造ツリー Future Reality Tree
    4,前提条件ツリー Prerequisite Tree
    5,移行ツリー Transition Tree

    1,現状問題構造ツリー Current Reality Tree
    問題解決にあたって
    「何をかえれば最大の結果が得られるのか?」
    を明確にするための手法。好ましくない結果 
    UDE(Undesirable Effects)を列挙し、これらの因果関係を見つける。
    つまり症状。この中で、かえるべき根本的問題を見つけだす。

    UDE
    1,競争がますます激化している。
    2,価格引き下げのプレッシャーがますます増大している。
    3,市場が望む価格では、十分なマージンがとれない場合が増えている。
    4,市場の期待に応えるパフォーマンスを示すことができないと、
      市場から見放されてしまう。
    5,マネージャーは、部分最適化を達成することで、会社を運営しようとしている。
    6,社内のそれぞれの部署同士で、互いのパフォーマンスの悪さを責め合っている。
    7,売上増大のために何か対策を講じろと、
      ますますプレッシャーが高まっている。
    8,新製品をこれまで以上のペースで投入しないといけない。
    9,新製品が次々と導入され、市場が混乱する。
    10、新しい販売チャンネル、製品は、既存の販売チャンネル、
      製品の売上減につながる。
    11、営業スタッフの多くが、必要な営業スキルに欠けている。
    12、営業スタッフに負担がかかりすぎている。
    13、製造、流通部門の改善が順調に進まない。
    14、技術部門による新製品の開発が順調に進まず、信頼性にも欠ける。
    15、革新的なマーケティングのアイデアが企業には、かけている。

    2,雲(対立解消図) Cloud
    健全な家庭生活を営む ←安全のため←10時までにかえる。
                ↓↑コンフリクト
    ←仲間はずれにされないため←12時までにかえる。

    そのために、シャロンに対して、「夜迎える。」ということになる。
    ○コスト会計のあり方
    在庫を減らすことによって、決算として「マイナス」になる。
    なぜその「在庫」がいるのか?「在庫」をつくるために、生産する。
    →結果として、キャッシュフローを圧迫する。
    →在庫を減らすことによって、新しい商品を投入してもいい。

    ○win-win となるためには、・・
    「ソリューション」→「経験と勘」
    「本能的に感じることを、言葉に表現してみることで、
    経験に基づいた自らの勘を最大限活かすことができる。また、それを確認する能力がえられる。」
    「経験と勘を活かす手段がいる。」
    ○制約条件の理論「Theory of Constraints」

    ボトルネックをよく考えることだ。

  • 現在どんな課題があって根本原因は何なのかを探っていく。そしてその課題の解決法を仮定してみてハードルとなる要因を想定してみる。どこかでみた内容だろうし普段から実践している人も多いのではと考える。
    でも、日本が忖度文化であることは概ね認める人が多い以上不都合な真実を悟れる人は気疲れもするし、それを指摘することで昇給昇進にマイナスである組織も多いことだろう。
    また、解決方法の仮説を立てるのはアイデアマンであることが必要で、膨大な組織内調整も必要。
    この本はマネジメント層になってからの実践なのでズルいかもしれません。
    いずれにせよこの本に激しく同意し実践する人が報われて欲しいし、そう言う人は独立や起業すべき。

  • 対立構造
    問題解決表

  • ストーリー仕立てで読みやすいが、用語がいきなり出てくる。あとがきを先に読むことをお勧めする。

    【目的】
    TOC理論をより深く知る
    【まとめ(1P)】
    どの分野においても制約条件を明確化し、排除する⇒高収益な運営
    【ポイント(What)】
    ・TOC理論の思考プロセスはのは生産技術だけではなく、どの分野にも応用可能
    ・◎現状問題構造ツリー、対立解消図、◎未来問題構造ツリー、前提条件ツリー、移行ツリー
    ・ツリーを用いるとボトルネックを明確化でき、効率的な対策がとれる
    【アウトプット(How)】
    ・まず、ボトルネックが工場か市場か見極める
    ・現状問題構造ツリー:問題点を列挙し、因果関係を結び付け、数個のコアな問題を示す(cf. 「なぜ5回」は集約しない)
    ・未来問題構造ツリー:コアの問題の対策を実施した際のマイナスを事前に検討する

    【その他】
    ・バランスシートにはノウハウ、知識、シェア、評判など真の資産は記されていない
    ・「製品」とは物質それ自体ではなく付随サービス、支払い条件を含む

  • いかに交渉が感情的になっても、相手を責めるのではなく、適切な妥協案を見出せない対立状況にお互いとらわれてしまったことが問題なのだということを認めなければいけない

    耳が痛いです。よく相手をねじ伏せようとします。でもこれ、対等な関係ならまだしも、お金を払う側と受ける側でも成立するのでしょうか。

    自分が受ける側ならある程度はぐっと堪えて頑張ります。ただ、自分が支払う側や特に金銭の関係はないけど仕方なくお付き合いしている場合、「こんなのできないよ」、「それくらいやっても」と言われると、そんな人のために妥協案を探さなければいけないのか、と思います。

    両者の納得する妥協案を探すのは結構骨が折れます。それに時間をかけても実入りは望めないと思っています。自分の周り全てに気を使い始めると、日が暮れて何もできません。どの辺がいい塩梅なんだろうと、モヤモヤしながら、実入りがない相手には吐き捨て気味で対応してしまっている今の自分がいます。

  • 『ザ・ゴール』からの連読。

    完全に小説の形式を採っているのには驚いた。
    1作目で、不採算の工場の責任者として建て直しに成功した主人公が、数年後を舞台にした2作目では経営幹部として多角化したグループ事業の売却交渉に挑む。
    という点では『島耕作』っぽいのだが、大した仕事もせずに運と縁だけで出世していく島耕作と違って、こちらの主人公は仕事に苦悩し、必死に取り組んでいる。

    ゴールドラット自身をモデルにした主人公の恩師や、工場・会社のスタッフ・幹部とのディスカッションを中心に理論と方法論が展開されていくのだが、主人公は同時に家庭の経営にも悩み、奥さんや子供との会話の中からも問題解決の手法のアイデアを得ていくあたりが面白い。
    特に、1作目で、長男が入っているボーイスカウトのハイキングを引率する羽目になり、そのハイキングの様子を観察する中でボトルネックについての考察を深めていくあたりは非常にわかりやすい。
    また、2作目では、思考プロセスの各種ツールがビジネスだけでなく、プライベートでの様々な問題解決に適用可能であることが示される。

    1作目のテーマは、工場での生産管理。
    TOC(Theory of Constraints)と名付けられたゴールドラットの理論が、小説のストーリーに乗って展開されていく。
    TOCは、一言でいえば全体最適化の理論である。
    企業や工場全体を一つのシステムとみなし、全体でのスループットを最大化することを究極にして最大の目的だとする。
    企業が儲けるためには、スループットを増やすことが最も重要であり、次いで在庫を減らすことで、経費節減は重要性が低いとされる。
    そしてスループットを最大化するにあたり着目されるのがボトルネックの存在で、ボトルネックの生産能力で工場全体の生産能力が決まってしまう。
    ボトルネックがあるにも関わらず工場中の機械を目一杯働かせようとすると、工場内に在庫が積み上がるだけでスループットは増えない。
    部分最適の陥穽に嵌ってしまうのである。

    ちなみにこの『ザ・ゴール』、米国でベストセラーになったにも関わらず、15年以上の間、日本で翻訳版が出されなかった。
    ゴールドラットが長年にわたり日本語版の出版に同意しなかったためで、その理由は「日本人は、部分最適の改善にかけては超一級であり、その日本人に全体最適化の手法を教えてしまったら、貿易摩擦が再燃して世界経済が大混乱に陥る」からだそうだ。
    ほんまかいな、と思う一方、日本語版が出てから20年近くが経とうとしている現在も、日本企業が全体最適化するのが上手になったとも思えないのが悲しい。。

    2作目のテーマはマーケティング。
    1作目では工場内のボトルネックに着目したが、需要を十分に引き出せていない場合、市場にボトルネックがあることになる。
    思考プロセスは、市場のボトルネック(制約条件)を解消するためにマーケティングに適用され、急激にシェアを伸ばすことを目的に用いられる。
    「何をどのように変えるか」「どうやって変化を起こすか」を導くためのツールとして、「現状問題構造ツリー」「対立解消図」「未来問題構造ツリー」「前提条件ツリー」「移行ツリー」などが登場する。
    それぞれのツールをどう使えばよいのか、雰囲気はわかるのだが、ほとんどが文章(セリフ)で説明されて、部分的にしか図示されないのが隔靴掻痒。
    この本を読んだだけでは、思考プロセスを使いこなすことはできず、別の手段で体系的に学ぶ必要がある。

  • TOCは生産管理のみならず
    思考プロセスにも使えるという話。
    実用書+サクセスストーリー

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著者プロフィール

岸良裕司氏(監修)
1959年生まれ。株式会社Goldratt Japan CEO。全体最適のマネジメントサイエンスであるTOC(Theory Of Constraint:制約理論) をあらゆる産業界、行政改革で実践し、活動成果の1つとして発表された「三方良しの公共事業」はゴールドラット博士の絶賛を浴び、07年4月に国策として正式に採用される。
青木健生氏(脚色)
コミックストーリー作家(漫画原作者)、シナリオライター、(日本脚本家連盟会員)、劇作家、『ザ・ゴール コミック版』『ザ・ゴール2 コミック版』の脚色を担当
蒼田山氏(漫画)
広告・ビジネス系漫画家。漫画向け背景素材サイト「背景倉庫」制作統括。専門学校非常勤講師。 代表
作は『ザ・ゴール コミック版』『ザ・ゴール2 コミック版』(ダイヤモンド社) 『ブラシ素材集 モノクロイラスト/マンガ編』(ホビージャパン) めちゃコミックで『地雷婚カツ!』連載。

「2023年 『コミック版 ザ・ゴール3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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