もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら [Kindle]

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  • ダイヤモンド社
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感想・レビュー・書評

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  • ドラッカーの『マネジメント』のエッセンスを抽出し、”高校野球で甲子園に行く”という身近な例に置き換えて小説仕立てで説明している。
    所々本文を引用する箇所があるので、実際のマネジメントの基礎を学ぶことができる。ここからマネジメントに興味を持つきっかけ作りには最適であろう。

    久しぶりに再読をし、改めてマネジメントの重要性を思い知らされたので、今度こそは『マネジメント』を読み進めていきたいと思った。

  • 現実にはこれほど迄にうまく事が運ぶ事は無いだろうけど、本の通りに行動した結果、余りにもうまく行きすぎる物語に涙してしまった。
    文章も淡々として、分かりやすい言葉で書いてある為、非常に読みやすい。
    3度も読み返してしまった数少ない本の中の一冊だ。

  • 組織としてどうあるべきか、自分はどう動くべきか悩んでいたが、この本を読むことで示唆が与えられた。我々の顧客を定義し、その顧客から求められる存在でありたい。

  • 【感想】
    経営学の中でも、「組織」について多くのことを学べる一冊。主人公の高校野球のマネージャーがドラッカーの『マネジメント』から部活動をマネジメントする。それぞれの長所を生かし、徐々に活動の輪を広げていき、最終的に甲子園に導くことができるのか。読みやすかったが、立場にもよるため、マネジメントできる環境の人には必読の一冊。
    【アクションプラン】
    ・一人ひとりと対話する。
    ・その人の長所を見つけ、役職を与える。
    ・「自身が役に立っている」という感覚を常にもつ。

  • 今話題の本。
    買おうかどうか迷っているとき、家電芸人・徳井の「買いたい時が買い時や」の言葉を思い出して購入に至った。

    高校野球部のマネージャーになった主人公・みなみが、「経営学の父」といわれるドラッカーの『マネジメント』を読んで甲子園を目指すプロセスを描いたサクセスストーリー。
    自分がテニス部の顧問になった姿を想像しながら読んだ。

    野球部の定義を導き出す、部員の欲求を面談によって明らかにする、練習メニューに「競争・結果・責任」という要素を取り入れる、など組織管理のノウハウがたくさん詰まっている。
    そして、僕が何よりも大切だと思ったのは「努力よりも成果が重要である」ということ。
    「結果よりもプロセスが大切だ」という言葉はよく言われるけれど、やはり成果を出さなければ意味がないのだということを学んだ。

    西東京地区の決勝戦を描いた第8章、マネジメントとか全然関係なくなってふつうの青春小説になっているのがちょっとおもしろかった。
    表紙と挿絵は萌え系(?)の女の子の絵だけど、中身はわりとしっかりしていると思う。


  • 前提:マネジメントとは、人の強みを生かして組織の成果につなげること
    ドラッカーは様々な場面で「マネジメント」という言葉を用いており、この理解が非常に難しいです。ですが、最もシンプルでわかりやすく本質をついている説明は、「マネジメントとは、人の強みを生かして組織の成果につなげること」です。

    会社のマネージャーに例える場合、マネージャーは部下の強みを引き出して、部下個人の売上を上げさせようします。部下個人の売上を会社組織の成果へとつなげることがマネジメントの役割です。

    1:マネージャーに必要なのは、才能よりも真摯さ
    真摯さとは、”あえて”一言で言えば、「ひたむきに真剣に取り組む姿勢」のことです。ドラッカーはマネージャーの仕事は全て後天的に身に付けることができると言っています。しかし、唯一必要なものがあります。それがこの「真摯さ」です。

    真摯な人間は目標のためにひたむきに努力します。

    会社に仕事ができる人だけを集めることは不可能です。ですが、凡人である彼らに期待してひたむきに向き合い続けることが大事なのです。その結果として、売上を上げることができます。

    2:全ては顧客からはじまる
    「もしドラ」において、高校野球の顧客は「高校野球に関わる全ての人々」と定義しました。そこには野球部員、スタンドの観客、保護者、野球連盟の人々が含まれます。

    あなたの顧客は誰でしょうか?

    サラリーマンであれば、得意先の担当者はもちろんですが、上司、工場責任者なども含まれるかもしれません。ここを定義することで自分の行動が変わってきます。

    得意先担当者が顧客なら、彼らに自分を気に入ってもらうことが必要でしょう。
    上司が顧客なら、上司を気遣うことも必要でしょう。

    このように自分の顧客を定義することで、自分の行動が顧客の欲求を満たしているのかを考え直すことができます。

    3:何を売りたいのかではなく、顧客は何を買いたいかを問う
    ビジネスにおいて最も多い間違いがここです。
    自社の製品ありきの提案をしてしまうということ。
    マーケットインでなく、プロダクトアウトの発想をしてしまうこと。

    例えば、「服が好きだからアパレルをする!」「この商品は日本なら絶対売れる!」という発想は自社の製品ありきの発想になっています。これではそのビジネスが成功することは難しいでしょう。

    なぜか?

    本質的にビジネスは人々の欲求から生まれました。人々の欲求を満たすことで、金銭的利益を得ることができます。だから自分が売りたいものありきで考えてはいけません。

    徹底的なまでの顧客目線が必要です。ドラッカーは「自分が売りたいと思っているものを顧客が買っていることは稀である」と言っています。

    お花屋さんで花を買っている人は、「大切な人に喜んでもらうこと」を買っているかもしれません。ブランドバッグを買う人は、「自分のステータスを高めること」を買っているかもしれません。「もしドラ」では、顧客が買いたいものは「感動」であると考えました。

    あなたの顧客は何を買いたいのかを今一度考え直すことで、自分のやるべきことが変わってくるかもしれません。

    4:仕事に働きがいを与える
    働きがいとは、仕事をしていて良かったと思えること。
    人一人にできる仕事量はたかが知れています。だから、部下に自ら能動的に働きたくなる環境を与えて自己成長を促すことが必要なのです。

    では、どうすれば良いのか?

    働きがいを与えるには、仕事に責任を与えなくてはならりません。そのためには①生産的な仕事、②フィードバック情報、③継続学習が必要になってきます。

    例えば、あるIT企業は「サイトのログイン数を毎日取りデータ化して、より多くのログイン数を確保するために考えて行動しなさい」と指示しました。すると部下は自ら考えてログイン数向上のために行動するようになります。結果、部下は自主的に考えて行動するようになりました。そして上司も部下に指示する時間を省略することができました。言い換えれば、上司は部下に責任を与えているとも言えます。

    単純な例ですが、要するに上司の役割は部下が自主的に行動するような仕組みを構築することなのです。

    このnoteだって同じです。

    ダッシュボードで自分の投稿がどれだけ読まれているのか?確認できるようになっています。そして週ごとに読んでいる人が増えていると喜びを感じます。すると、自然とサイクルが回り始めて主体的に行動するようになるというわけです。

    5:人の強みを発揮させる
    働く人の多くは、凡人である。でも強い組織というのは、凡人が持つ強みを見極めてそこを伸ばそうとします。それぞれが強みを活かせる環境があればそれは結果として強い組織となります。

    6:イノベーションは古きを陳腐化する
    イノベーションとは、古きを捨てて、新しきを取り入れること。

    「もしドラ」では、「ノーバント・ノーボール作戦」と言って、送りバントやボール球を投げることをやめました。野球の野村元監督は「野球は27個のアウトを取るゲームである」と考えました。

    野球に対する既存の考え方を変えることで、そのための戦略も変わってきます。27個のアウトを取るゲームと50本のヒットをするゲームでは全く異なります。

    仕事も同じです。

    世の中に新しいものやサービスができる以上、顧客の欲求も変化していきます。顧客の欲求を先取りしてそのためのイノベーションを起こすことで大きな利益を得ることができます。

    7:間違いや失敗をした方がいい
    社会に出れば、誰だって失敗します。
    失敗しない人がいたとすれば、彼は何も挑戦していないからです。

    上司に言われたことをそのままこなすだけ。
    同じ仕事を毎日こなしているだけ。

    それでは失敗のしようがありません。

    でも、そんな人は組織に必要ありません。挑戦しない人の考えは周りに伝染してしまい、結果何も挑戦しない組織になっていきます。常に変化し続ける社会の中で、変化しようとしない組織は時代の波と共に消え去ってしまいます。

    だから、失敗したっていいんです。挑戦しましょう。

    8:成果こそ全ての活動の目的
    「もしドラ」では、「甲子園に行けなくたっていい。ここまで頑張ってきたその取り組みが大事なのだから」と言われます。これを会社に例えると、「売上が伸びなくたっても良い。だって頑張ってきたのだから」ということです。

    そんなことはない!

    成果が目的なのです。努力が目的ではないのです。

  • この本では試合中のプレーが細かく書かれてるが、私自身野球に関する知識が全くなかったため、頭の中でこんな感じかなーって想像しながら読んでいくしかなく、そこがちょっと難しかった。

    でも、ドラッカーの『マネジメント』の内容が理論だけでなく、実際の行動に落とし込んだらこうなるよねという物語ベースで書かれていたためすごく分かりやすく『マネジメント』の内容を理解することができて勉強になった。
    全部をちゃんと理解はできてないと思うけど、顧客を設定し、彼らが何を欲しているのかマーケティングしていくことが大切だというのは何度も繰り返されていたため、自分の知識として吸収することができた。
    エッセンシャル版の『マネジメント』にも挑戦してみたいけどちゃんと理解できるか読了できるか不安なのでもうちょっと経営について簡単なことから学んでからにしようと思います。、笑

  • ブームから15年経って今更読了。ドラッカーの大作「マネジメント」を、高校野球部という身近な組織で実践した場合のストーリーを吸収することができ、とても学びになった。特に顧客の定義。マネジメントも読み返したいと思う。

  • 分かりにくそうな『マネジメント』の内容を、ドラマを生みやすい高校野球を題材にして、分かりやすくしたサクセスストーリー。
    流行るのも納得。
    ストーリーが分かりやすい分、マネジメントを理解するには表面的だと思う。
    本家の『マネジメント』も読みたい。

  • 【マネジメントを理解するための最初の1冊】
    社会人になったばかりの人や、人を1人でもマネジメントする立場になった人で、マネジメントがよくわからないなら、まず初めに読んだ方が良い本。
    物語で非常に読みやすい。

    この本で基本を知り仕事で実践しながら、並行して他の本や動画などで、マネジメントについて知っていけば良いと思う。

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著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。1991年、東京芸術大学建築科卒業後、作詞家の秋元康氏に師事。 放送作家として『とんねるずのみなさんのおかげです』『ダウンタウンのごっつええ感じ』等、テレビ番組の制作に参加。 その後、アイドルグループAKB48のプロデュースにも携わる。 2009年、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』を著す。他に『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「イノベーションと企業家精神」を読んだら』 などの著作や、絵本の編集、メールマガジン『ハックルベリーに会いに行く』、YouTube『よいこチャンネル』の配信などに携わる。

「2022年 『ゲームの歴史 3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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