木下惠介生誕100年 「女の園」 [DVD]

監督 : 木下惠介 
出演 : 高峰秀子  久我美子  高峰三枝子  岸恵子  東山千栄子 
  • 松竹 (2012年8月28日発売)
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988105064676

感想・レビュー・書評

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  • 緊張感と情緒あふれる人間ドラマに
    ググッと引き込まれました。
    とても面白かった。

    名匠木下恵介監督作品/1954年公開。
    人間ドラマの名作。

    日本の戦前の古い封建的な女性の価値観と
    現代女性の自我の芽生えたとでもいうのか
    新しい価値観とのせめぎ合いが
    京都の名門女子短大を舞台に展開されます。

    半世紀前以上前の名優たちの姿。
    感受性の豊かな高峰秀子、氷のような高峰三枝子、
    優しくも男気の感じられる田村高広、凛とした岸恵子らの
    なんと若々しく勢いのあることか。

    いつも古い映画を見て思うのが
    白黒映画であることや、古いことは
    見ることを躊躇する理由にならないのだなぁと。
    当時の日本の人々の思いや生活に根ざした
    名作として残る映画で描かれるドラマなら尚のことです。

    搾り出されるような封建的道徳観への心の叫びが
    ここにありました。
    面白いです、秀作です。

  • 木下恵介監督•脚本、1954年作。高峰秀子、久我美子、高峰三枝子、岸恵子、東山千栄子、浪花千恵子、山本和子出演。

    <コメント>
    •ラストシーン、校長、五條、芳江の父、下田、明子、富子の口論が短い尺で切り替わり、繰り返される。緊張感のある仕立て。
    •そこでは、それぞれが自分を守り、相手を貶める口論をする。外では学生たちがシュプレヒコール。
    •しかしどんな「正論」も芳江の死は動かすことはない。
    •空回りを描いた映画。不自由ない生活に身を置いて階級闘争に憧れる明子の空回り、よかれと思って厳しい寮則でがんじがらめに縛る寮母の空回り、娘のためと信じて縁談を押し付ける父、芳江に良かれと処分を軽くしたことで追い詰めた平戸の空回り、愛の深さを負担の重さと受け取られてしまった下田の空回り…。
    •伝統や古い慣習から解放された終戦直後の日本社会が自分の意思を持ち始めたとき、あちこちで空回りが起き、それが思いもよらない悲劇を生んだ。それを描いた映画なのだろう。

    <あらすじ(ネタバレ)>
    京都の正倫女子大学は、良妻賢母の育成の名の下、特に寮生には、寮母の五條(高峰三枝子)が中心になって、徹底して束縛をしていた。
    芳江(高峰)は恋人の下田(田村)を愛しており、父が勧める結婚から逃れるべく、銀行を辞めてこの大学に通い始めた。ところが、忘れかけた勉強を取り戻そうと消灯後に勉強しようにも消灯時間の厳守を求められ、唯一の楽しみの下田との文通も手紙を検閲され、富子(岸)、明子(久我)らも不満がたまっていく。
    寮生への拘束を改めさせるべく、寮生らが不当な寮則廃止を学校側に求めると、2名退学を含めた厳罰が課されるなか、芳江だけが1週間の謹慎という軽い処分。また、財閥の父が大学に経済支援を行なっているために持ち物検査もされない明子にも猜疑の目が向けられ、学生の団結が切り崩されはじめる。
    発狂寸前になった芳江は失踪、東京は千駄ヶ谷にある下田の下宿に転がり込み、自分は芳江とソコソコの生活でいいと下田に言われる。嬉しい反面、重荷になっていると感じた芳江は、単身、京都に戻り、学校の教室で自殺。
    それを受けて、学校への意見をまとめるためにアジる服部(山本和子)、それを止めようとする先生たちは無視される。
    校長•五條と芳江の父、下田と校長•五條、下田•富子と父、明子と五條が口論する場面が目まぐるしく変わる(下記*)なか、デモ学生の合唱で幕。

    *経緯を言い訳する校長、五條に芳江の父「やめてください。あなた方はもう行ってください」

    立ち去る校長、五條に下田「あなた方が殺したんだ。芳江さんはあなた方のために…」校長「あなたこそ自分がしたことを考えてみなさい」

    下田と父「下田、お前が娘を殺した」と言われ、「お父さんあなたはご自分がやったことを考えてみないんですか?」

    明子に嘘の塊と罵られた五條は「あなた方は二言目には人間だとか人権だとか叫ぶが、本当の苦しみはわからない。『嘘の塊』の自分が愛人と引き裂かれ、子供までどこの誰かもわからない闇から闇に葬られた苦しみを知ってますか?」明子は、だから嘘つきだ。その苦しみを吐き出さず冷酷で高慢になり、自分の苦しみを私たちの精神に突き刺した、と反論。五條は「あなたはどうなんですか。自分の環境へ、周囲に対する不満をただ外に向かってぶちまけているだけじゃありませんか。自分の胸に突き刺すといいんです」
    明子、「だから苦しんでおります。今だって、明日だって、永久に苦しみながら、不合理と戦っていきますわ。あの声が聞こえますでしょ。講堂の前であたしたちの歌を叫んでいます」

  • 社会の矛盾を暴く・・という設定なのでしょうが、個人的には高峰秀子をこのような役で使ってほしくなかったなぁ。
    確かにヒステリックで、自己中心的で、少しも社会的でないことが主人公のあり方なのでしょうが、その無知やくだらなさが高峰秀子をつまらなくさせています。
    要するに、井上揚水の「傘がない」的なものでしょう。
    大島渚に任せておけばいい、社会への怒りかも。

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