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感想・レビュー・書評
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日本人が北朝鮮中枢の生活について、ここまで詳しく記した本は他にないのではないだろうか。
著者は金正日をはじめとした現在の最高指導者である正恩を含む北のロイヤルファミリーの信頼を受けて一目を置かれ、北が指定する敵国民・日本人でありながら労働党幹部・特権階級という身分で日々の食事を用意し、彼の味覚や嗜好を知ることはもちろん、時には勝負事で勝ってもお咎めもない人物。ロイヤルファミリーに信頼され、時には心のうちまで明かされる人物。
藤本氏だからこそ知り得る情報はもちろん、ベールに包まれている北のロイヤルファミリーの生活について詳しく書かれている。予想していた以上に一般国民とは乖離した異世界のような生活が写真付きで詳しく記されている。
著者の藤本氏については当該暴露本の影響なのか…
2017年ごろに北に戻りラーメン店を開店後、
しばらくした2019年頃から行方不明になっている。
そして何よりこの本が世に出た時期はまだ現最高指導者の正恩、そして妹の与正の存在は殆ど知られていなかった。しかし著者は見事、後継者になるだろうと正恩を本書で挙げていた。実際に正恩が後継者となり、与正が支えている現在。その予想箇所は著者が北の中枢で生活した揺るぎない証拠にもなっている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
思った以上に詳細に書かれてて大丈夫なのかな?と思ったり。
でも、本当に心配すべきなのは北朝鮮の労働者かも。 -
知られざる北朝鮮の内部に迫るルポルタージュ!
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満足いくつけ汁ができたと報告すると、金正日から電話があり、 「すぐ持ってこい。味見をする」 と言うので、私はソウメンとつけ汁を持って、パソコンのある金正日の執務室に入った。金正日は器用にソウメンを四、五本掬いとって、つけ汁に入れ、つるつる吸い上げた。 「うまい、オーケーだ」
黄色のハイライト | 位置: 2,263
八九年に核兵器について、こうも尋ねられたことがある。 「藤本、わが国が核兵器を持つことには反対か」 そこで、私はこう答えた。 「日本は世界でただ一つの被爆国です。その被爆国の国民として、私は反対です」
黄色のハイライト | 位置: 2,267
九五年十二月三十日、金正日のもとに中央党宣伝煽動部長の 金 己 男 が、 「将軍様へご報告がございます」 と、やって来た。金己男は続けて、 「現在核施設で働いている者たちに、歯が抜けたり、髪が抜けるなど、被曝者が続出しています。大変悲惨な状態でございます」