ヤノマミ [Kindle]

著者 :
  • NHK出版
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レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (315ページ)

感想・レビュー・書評

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  •  「人間とは何か? 」考え続けるしかない。僕らも人間だし、アマゾンに暮らすヤノマミもまた人間である。
     著者は通算150日のヤノマミと同居しながらの取材の後東京に帰ると、「体調は悪化する一方だった。食欲がなかったし、食べるとすぐ吐いた。十キロ以上減った体重はなかなか元には戻らなかった。」「外に出ると、よく転んだ。まっすぐ歩いているはずなのに壁に激突することもあったし、ぼぉーとしてトイレに行ったら、そこが女子トイレだったこともあった。何かが壊れたようだった。」「なぜか夜尿症になった。週に二、三回、明け方に目が覚めると、パンツとシーツがぐっしょり濡れていた。」という状態になってしまった。僕らの価値観とはまったく異なる世界で生きているヤノマミの世界で見たもの、聞いたもの、匂いや空気感・・そういったものが、まったく消化できない。たぶん消化する必要も、理解する必要もない、というかたぶん出来ないのだろうと思う。しかし、否だから「壊れたよう」になってしまった。
     この本で僕らは追体験する。そして、「人間とは何か」を考えることになる。読む前よりもずっと、人間って複雑なものだと、それだけはわかった。

  • アマゾンの奥で原初からの暮らしぶりを続けるヤノマミ族と、述べ150日間の同居生活をしたルポ。現代社会の価値観では測れない価値観(現代社会の中でも民族が違えば多かれ少なかれ、そういう所はあるけど)に驚きつつ、本書でも触れているように、一旦「文明」に触れてしまった後の変質も早そうだと感じる。描かれているのは10年前のこと。今、ヤノマミ族に何が起こっているのか、今なお持ち続けている価値観は何なのかが知りたい。

  • テレビマンらしい短い文と、客観的な情景を積み重ねる書き方に、最初どうしても淡白な印象がぬぐえなかった。

    しかし、生まれてきた子供を精霊のまま天に返すのか人間としてこの世界に受け入れるのかの選択を、その子供を産んだ女性がたった一人で決断することを描く場面では、その描写方法が非常に効果的にはたらいていた。息をつくことも忘れ、その場面に読みいってしまった。

  • アマゾンの“未確認”部族、政府機関が初公開https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20180825-00000000-jnn-int というニュースが流れてきたタイミングでちょうど読み終えていた本。ナスDの部族アースなんかもテレビで注目集めてるけど、3人の取材チームが目にしたのは、笑いなど微塵もない未開の地の暮らし。生と性と死がないまぜになっている生き方って、日本でいえば縄文時代ごろなんでしょうか?文明に接触しないまま残ることができている理由って、ナンなんだろう。

  • アハフー!

  • 産んだばかりの子供を絞め殺して精霊として天に還す母親が印象的。文明を憎みながらもその文明にじわじわと侵食されて行く原住民。真理が剥き出しのヤノマミ族の生活に向き合った筆者に、帰国後、幼児退行のような症状が出たことは、現代の私たちの生活や価値観への何らかの批判の示唆。

  • 普遍性とか、多様性とか、なんなんだろうなぁ。

  • 衝撃的だった。
    最近読んだ本で一番面白かった。

    漂白される社会もそうだけど、文明社会は俗、悪、暴を見えないようにしている。

    でもヤノマミはすべてが同居している。

    子供は出産して連れて帰るまでは精霊。

    性におおらかなのに年子がいない事実。

    障害者がいない事実。

    すべて大きな何かの中での出来事だ。

    文明社会ではありえないことも、ヤノマミではなんら特別なことじゃない。

    まるで、IQ84の二つの月のように。

  • う〜ん。こんなに心が揺さぶられる本は久しぶりに読みました。3.11 の後だけに、文明って幸せをもたらすのか考えちゃいますね。

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著者プロフィール

国分拓(こくぶん ひろむ)
1965(昭和40)年宮城県生れ。1988年早稲田大学法学部卒業。NHKディレクター。著書『ヤノマミ』で2010年石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞、2011年大宅壮一ノンフィクション賞受賞。

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