三重スパイ [DVD]

監督 : エリック・ロメール 
出演 : カテリーナ・ディダスカルー  セルジュ・レンコ  シリル・クレール  アマンダ・ラングレ  エマニュエル・サランジェ 
制作 : エリック・ロメール  フランソワーズ・エチェガレー  ジャン=ミシェル・レ 
  • 紀伊國屋書店 (2012年10月26日発売)
3.21
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本棚登録 : 23
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4523215081863

感想・レビュー・書評

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  • 2003年フランス映画。監督・脚本はエリック・ロメール。主演はカテリーナ・ディダスカルー、それにその夫役のセルジュ・レンコ。この2人の会話や表情が醸し出す情愛と疑心の微妙な描写がこの映画の真髄です。

    ところはパリ。ロシア亡命軍人会の「将軍」フョードルはパリにおける政治情勢の分析に余念が無かった。ときは第2次大戦前のヨーロッパ。まさに政治の時代にて、ロシア帝政派、共産党、労働者集団、社会主義者、ファシスト、ナチス、共和主義者といった様々な政治の思惑が底辺で蠢き、時代の方向性を模索していた。そして、フョードルの妻アルシノエはそんな中で夫とのつまやかな生活を送りながら絵画制作に余念が無かった・・・。

    当時の情勢をある程度知らないと、イデオロギーが激突するこの物語背景を掴むのは難しいかもしれない。題名の通り、夫フョードルは三重スパイなので、一体どちらの側に立った発言なのか注意が必要です。だんだんややこしくなるのですが、それよりも夫フョードルの取り繕いを聞いているのがなかなか面白いです。(笑)
    主演の妻アルシノエ役のカテリーナ・ディダスカルーは確かに美人妻ですね。細身の身体の部分部分をさらけ出す演出がエロティックです。(笑)普段はとても優しく物腰が柔らかいが、仕事について秘密の部分を残す夫フョードル。そして、彼の仕事の一端を周囲の者から聞かされることになる妻アルシノエ。同じ帝政派の友人夫妻やアパルトメントの上階に引っ越してきた共産党員の教員夫妻との日常的な交流を丹念に描くことで、何気ない生活に中に忍び寄る言いようのないアルシノエの不安を上手く表現していました。
    夫によるスパイ活動の描写もなく、物語背景も素通しのカットのみでしたが、それが逆に妻アルシノエに静かに流れる日常の不気味さを煽っていてなかなか面白かったです。
    その後のアルシノエはかなり可哀そうな状況でしたが、物凄くあっさりとしたラストで、これも重くなり過ぎないようにする演出だったんですかね?全ては闇の中に・・・。

  • 製作年:2003年 製作国:フランス 時間:115分
    原題:TRIPLE AGENT
    監督:エリック・ロメール

    (3.0点)

  • 巨匠エリック・ロメールの監督作ということで観る気になったが、いざ観ていたら正直おもしろくない。ところどころ印象に残る場面はいくつかあったものの、いったい誰が裏切り者なのか、誰がスパイなのか、と憶測するのがだんだん面倒になってきて、実話に基づくとはいえ、その実話の語り方に飽きた。

  •  しゃれたスパイ映画。しかし、何と哀しい女性映画か。アートにしか関心のない妻が、決して鋭いとは言えぬ「左脳」をふりしぼって、混迷していく世相と、夫の本性を必死で見極めようとする。その健気な身振りとまなざしには心が打たれる。そして、最後に獄中死するが、終末は一切見せないところも抑制されていて感動を一回り大きくする。

     会話が多いが、そこはロメール。計算し尽くされたフォルムもシンプルだが美しく、屋外で聞こえている「ロメールの雀」たちが愛らしい。

     しかし、ナチとソ連とフランス、スペイン内戦、第一次世界大戦など一連の予備知識ないと結構きつい。プロットに追いつくので精一杯になってしまう。


    【ストーリー】
     1930年代のパリ。フランスは、ボルシェヴィキ政権に反旗を掲げ国を脱出、もしくは追放されたロシアからの亡命者を数多く受け入れていた。ロシア帝政軍の将校フョードル(セルジュ・レンコ)もその1人で、ギリシャ人の妻アルシノエ(カテリーナ・ディダスカル)と共に亡命してきた。フョードルは表向き、在仏ロシア軍人協会で事務員をし、アルシノエは自宅のアトリエで油絵を描くのを趣味としている。
     ある日アルシノエは、アパートの上階に住む高校教師のパサール夫妻と知り合い、食事をして親交を温める。しかし共産党員で急進的な思想をもつ2人とは、イデオロギーの違いで互いの話が全くかみあわない。
     やがて、スペイン内戦が勃発し、2人の周囲も騒がしくなる。フョードルは出張が多くなり、アルシノエは夫の仕事について時々尋ねるが、フョードルは曖昧に答えるばかりだった。
     しかしある晩、アルシノエに問い詰められたフョードルは、自分は諜報員で活動はすべて秘密厳守なのだと答える。やがて彼の行動に、不審の目が向けられる。
     ある日、2人は、アルシノエの洋服を作りに洋装店に出向くが、服の出来上がりを待つ間、フョードルが1時間ほど店を離れる。翌朝、フョードルが勤務する軍人協会の会長が、何者かによって誘拐されたという知らせが届く。犯人の目星がつかず、疑いの目はフョードルに向けられる。フョードルは、前日のアリバイを証明できない。しかし事件は、思わぬ方向に展開する。

     1930年代のパリを舞台に、実際にあったスパイ事件を基にした政治陰謀劇。三重とはナチス、白軍ロシア、共産ロシア。スパイ映画にして、一切諜報活動シーンがなく、ニュース映像だけで仕上げた斬新な作品に仕立てている。ロシアから亡命してきた帝政軍将校とギリシャ人の妻を描く。監督は、「グレースと公爵」のエリック・ロメール。出演は、「我が至上の恋 アストレとセラドン」のセルジュ・レンコ、「コレリ大佐のマンドリン」のカテリーナ・ディダスカル。

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