脳が冴える15の習慣 ―記憶・集中・思考力を高める 生活人新書 [Kindle]

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  • NHK出版
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感想・レビュー・書評

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  •  以前は「あーもう時間がなーい。もっと時間があれば…。」と思うことが多かった。そんなときは「誰にでも、何かをするための時間がたっぷり用意されているわけではないんだから。」と、自分に言い聞かせたりしていた。
     実際、時間をかければ多くのことができるかと言えばそうではない。時間がたっぷりあると思うと、集中力がなくなってしまい、忙しい中で行ったことよりも、できたことの量は格段に少なくなってしまう。むしろ「時間の制約」が必要だということを痛感する。
     ここには普段取り入れるとよい15の習慣が書かれている。一日の中にうまく取り入れていって、自分のやるべきこと、やりたいことをどんどんやっていこう、という前向きな気持ちにさせてくれる一冊。  

  • 「意欲」の章でハッとした。患者のケースのようなエリートじゃないし愚痴はほとんど言わないけど、完璧主義で自分への要求が高いところとか似てる。

    正に自分は「社会性の乏しい人」なのだと思う。
    対処法として、「人を好意的に評価する」「時にはダメな自分を見せる」とがある。

    どちらも、もっと人と関わっていた頃は自然に出来ていたことだった。思えば1人の時間が増えてから、何事も味気なく感じるようになってしまっていたように思う。

    まずは身近な人を褒めたり、少しずつ人との関わりを増やしたいと思う。

  • 職場(お付き合い残業が多い)の回覧で、この本の一部(集中力の部分)が紹介されており、なかなか興味深い内容だったので、購入して読んでみました。

    この本では、脳神経外科専門医の築山節さんが、脳の機能的な制約・特性を考慮し、集中力・記憶力・思考力を高める為の習慣を提案しています。紹介されていた習慣は、時間的・経済的に負担にならないものばかりでした。

    個人的に印象に残った内容は↓でした。
    ・脳の回転を上げる為には、脳がウォーミングアップされている必要がある。
    ・脳の回転は、それ自体を上げようと思って上げられるものではなく、作業量や勉強量とそれを行う時間の関係を認識する事で、それに応じて上がる(間接的にコントロール可)
    ・思考の整理(分類・整理)ができているかは、身の回りの物の整理に表れる。
    ・モニター・テレビばかり見ている生活を送っていると、脳が処理する情報が不足して脳の機能が低下、聴き取る能力が低下、人の話にパッと反応できなくなったり物忘れが増える。

    非常に読みやすい本でしたが、脳の機能・特性に関してもう少し詳しく説明して欲しかった。

    日によって頭の回転に波があると感じている方に、お薦めしたい本です。

  • 感想
    脳により習慣をわかりやすくまとめてあるので良かった。本全体の長さも手軽に見返しやすい長さなのもよい点に感じた。

    各15項目の概要は以下となっている。
    1: 生活にリズムをつける
    (特に朝)散歩などの軽い運動、部屋の片づけ、料理、音読(10分以上)などをするのがよい

    2: 集中力を高める
    時間と仕事の量の関係を認識することが重要

    3: 睡眠について
    早寝早起きが重要
    寝る前に余計なことをしない(スマホとか)

    4: 脳の持続力について
    家事、片付けなどの雑務をするのがよい。
    (選択、判断、系列化のタスクが含まれているため)

    5: 問題解決力
    1日の行動予定表を作る。
    仕事で自分なりのルールを作成する(整理法など)。

    6: 思考の整理
    他人にもわかるようにものの整理をする。

    7: 注意力を高める
    目を動かしたり、ラジオでどんな話題が話されているのかを聞き取る。

    8: 記憶力を高める
    新聞のコラムを書き写したり、音読したり、中に出てきた単語を思い出す。
    他人に伝える前提でブログでまとめたりする。

    9: 話す力を高める
    メモや写真を元に長い話を組み立てる。

    10: 表現を豊かにする
    同じ話でも異なる表現(たとえ話など)で話してみる。
    専門用語を使わずだれにでもわかりやすい表現にしてみる。

    11: 食事
    腹八分目、栄養バランス、運動が重要

    12: 脳の健康診断
    MRで脳機能の診断を受ける。

    13: 脳の自己管理
    失敗を記録する。記録から傾向を分析する。

    14: 創造力を高める
    興味を持ってなんでもやってみること。

    15: 意欲を高める
    小さな成長でも認めてほめること。

  • 脳にとって良い15の習慣をコンパクトに紹介した書。

    本書の15の習慣の概略をコンパクトにまとめると以下のとおり。
    習慣1 生活の原点をつくる
    ●毎朝ある程度一定の時間に起き、太陽の光を浴びる。脳がもっとも活発に活動する時間帯に仕事のピークを合わせ、夜はできるだけ早く寝る。
    ●足・手・口を意識して動かし、脳をウォーミングアップ。目をよく動かすことも大切。音読も脳によい。

    習慣2 集中力を高める
    ●脳の基本回転数を上げるには、時間の制約が必要。
    ●脳の準備体操後、時間の制約を設けて「試験を受けている状態」で仕事をする。
    ●基本回転数を高めるには、人と競い合うことも大切。

    習慣3 睡眠の意義
    ●睡眠は、思考の整理を進ませる。
    ●夜は情報を蓄える時間に向いている。考えを大ざっぱにまとめたら、無理に結論を出さずに早く寝る。

    習慣4 脳の持続力を高める
    ●前頭葉を鍛えるため、家事や雑用を積極的にこなす。

    習慣5 問題解決能力を高める
    ●自分の行動予定表を書く。
    ●解決するまでのプロセスを書くのも、脳の仕事を助ける。書いたものを他人に評価してもらうともっとよい。

    習慣6 思考の整理
    ●忙しいときほど身の回りの物の整理を優先させる。
    ●机上の書類を機能的に整理すると思考の混乱が収まる。

    習慣7 注意力を高める
    ●目を動かす(フォーカス機能を使う)時間を多く持つ。
    ●視覚的情報が遮断された状態で耳から情報を取る訓練をするともっとよい。

    習慣8 記憶力を高める
    ●使える記憶を増やすため、出力することを意識して情報を取る。報告書やブログを活用するとよい。
    ●会話する機会が少ない人には書き写しや音読が有効。

    習慣9 話す力を高める
    ●質問に答える形で話を長くしていく、メモのキーワードを辿りながら慣れない話を長くする、写真を示しながら表現を膨らませていく、などのトレーニングが有効。

    習慣10 表現を豊かにする
    ●自分で思考を組み立てて、話を膨らませることが大事
    ●相手の身になって考える。たとえ話を織り交ぜながら話そうすると脳が総合的に鍛えられる。

    習慣11 脳を健康に保つ食事
    ●太らない。適度な運動と腹八分目を心がける。

    習慣12 脳の健康診断
    ●画像検査により脳の病気を早急発見、問題機能も判明。

    習慣13 脳の自己管理
    ●自分の失敗を記録し、傾向を割り出す。小さな失敗に注目する。人から指摘される問題行動を分析するのもいい。

    習慣14 創造力を高める
    ●「何の役に立つのか」より「誰の役に立つのか」を重視して考える。
    ●書きながら考えることが有効。
    ●活動をマルチにし、人生を楽しもうとすることが大切。

    習慣15 意欲を高める
    ●自分の行動と結果を誰かが評価してくれることが重要。
    ●人を好意的に評価することは、自分が評価されやすい環境をつくることにつながる。
    ●生活のどこかにダメな自分を見せる場面があると、意欲を高めやすくなる。

    時間を決めずダラダラ仕事するのが一番よくない、とはとっても耳のいたい指摘。「基本回転数が上がらなくなる上、選択肢も無限に広がってしま」うのだとか。

    本書、かなり参考になった。

  • これから、ますます良い習慣を持っている人と、
    そうではない人の格差が広がっていきます。

    この著作の出版以降、「習慣ブーム」が起こりました。
    いかに良い習慣を獲得するかのノウハウが一気に溢れ出るようになりました。

    その中で、科学的に脳の機能を向上させる習慣が注目を集めました。
    それが運動です。

    毎日20分の有酸素運動で、脳のシナプスが増えるという画期的な発見です。
    年齢を重ねれば、脳の細胞が死ぬと思われていましたが、
    最近の知見では、運動をすることで増えることがわかっています。
    つまり、運動は、老化を遅らせるキラーアイテムになりました。

    あとは、いかに習慣を継続するかにかかっています。
    「知っている」というだけでは、何も役立ちません。

    また習慣を継続させる上での非常に役立つ知見も、
    たくさん出てくるようになりました。
    本当に便利な世の中になったと思います。

    脳に関する、情報は莫大にありますが、
    科学的にかなり説得力のある情報もあります。
    それを見極めて、自分の人生に取り入れれば、
    より、豊かに生きることができます。

    脳機能を向上させる「知る」というだけでも、
    多くの恩恵がありますが、これからは、より、
    「伝える」ということも、重要になってくるでしょう。
    著者も本書で似たようなことを言っています。

  • 七つの習慣をなぞらえたプラスアルファを紹介したもの ストーリー形式になっていて読みやすい 読書習慣のない人にもこれなら薦めやすい 細かい根拠は他の本で補足すれば良いと思われる

  • ・起きる時間と寝る時間は一定にする
    ・時間に制限をつけると脳の回転が早くなる
    ・掃除とかをするだけでも生活体力はつく
    ・朝の散歩は効果的
    ・寝てる時の整理力を活用する

  • 脳の性能を最大限引き出す習慣+αの紹介本。 脳の性能は短期的に上がらず、習慣によってベースを高める事が必要。 また全力疾走は続かないため、時間的にも内容的にも取捨選択する事が非常に重要。 更にタスクの判断・切替をするためには脳の体力が必要で、筋肉同様こつこつトレーニングでしかつかない。スマホなどの便利なモノに頼り過ぎると自分で決める習慣が無くなり現代人の脳を衰える要因の一つとなっている。

  • 自分の認知機能の低下を強く感じたので、読んでみようと思った。この手の本を読むと一度脳ドックをした方がいいのかな、と思ったりしてしまう。最近は特に45を過ぎてから、話していたことを忘れてしまったり、聞いていたことを忘れたり。2、3分話を進めていくうちに最初の方で話をしたいた内容がきちんと把握できていなかったり。その結果、息子に馬鹿にされたり怒りをかったりしてぼこぼこに言われてしまう始末(父、情けない・・・)。

    仕事でも管理職になってものすごく把握しておく幅が広くなってしまって、ぜんぜん頭に入ってこない。テレワークの影響で運動不足で記憶力が低下するということも手伝ってか、ぜんぜん自分が冴えている感じがしないし、気持ちがぐちゃぐちゃして晴れやかさが全くない。もしかしたらミドルエイジクライシスなのか?そんな漠然としたストレスを感じつつ、どう自己解決したらいいのか(そもそももうカウンセリングなどを受けるべき段階なのか)と思いを巡らせて、まずは読んでみようと思った。

    著者の文体がとても穏やかでわかりやすい説明だ。けっこう築山 節 先生の本は読みやすいと思う。生活習慣の影響を的確に伝えてくれているので、何に注意すればいいかが良く理解できる。適応障害にかかったときにいかに血流をめぐらすことに配慮するかという点で運動をしたりする習慣をもつようにしたのは、この本からもメリットがあると分かった。自分に役立つし、取り入れようと思ったことをあげると以下

    ・家事こそ脳トレ積極的に雑用をしよう
    ・意識して目を動かす(私の場合は、積極的に散歩していろいろな景色、動物を見る)
    ・何の役に立つかよりも誰の役に立つかを重視して考える
    ・活動をマルチにして楽しむことが大事
    ・案ずるより書くがやすし(まとめ作業をしながら考える)
    ・失敗ノートを書いて分析する

    一部実践していたけど私の場合は特に、失敗ノートは業務日誌的によくやっていて自分の仕事の教科書ともいえる存在になっている。やはり効果があるのだと納得した。今の仕事は確かに新しいものを作って入るのだが、自分がプロとして創造的に仕事ができるのかというと何か違和感があるし、自分の強みを発揮する創造的な仕事ではない気がして、得意でないがこなせることを会社のニーズにあわせて淡々とやっている状況。ここから、ポジティブで明るい希望をもった気持ちで、冴えた脳で創造的な活動を再びやっていきたいと思った。

    脳と気持ちの整理術の中で興味深く参考に会ったのは、いかに脳に変化という刺激を与えるかと、締め切りにまずはアウトプットを出すことが重要だということだ。難しい仕事には助走が必要でなんらかの雑用など行動して成果としてすぐに見えやすい作業をやりつつやっていくとよいといった話も、なるほどと感じる。ちょっとおっくうになり気味な最近の状況を打破する知恵を得られたと思う。チャレンジしてみよっと。

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著者プロフィール

1950年愛知県生まれ。日本大学大学院医学研究科卒業。埼玉県立小児医療センター脳神経外科医長などを経て、公益財団法人河野臨床医学研究所附属北品川クリニック・予防医学センター所長。医学博士。脳神経外科専門医として1992年、脳疾患後の脳機能回復をはかる「高次脳機能外来」を開設。著書に『フリーズする脳』『脳が冴える15の習慣』『脳が冴える勉強法』『脳を守る、たった1つの習慣』等。

「2020年 『「冴える脳」をつくる5つのステップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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