永遠の僕たち [DVD]

監督 : ガス・ヴァン・サント 
出演 : ヘンリー・ホッパー  ミア・ワシコウスカ  加瀬 亮 
  • ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
3.65
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  • (3)
本棚登録 : 618
感想 : 88
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4547462082725

感想・レビュー・書評

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  • ‘「‘夕陽が沈むと死ぬ’と思い込んでいる鳥がいるの。だから朝になると目覚めた驚きで美しい声で歌うんだって。...死んでないのに驚いて」’

    イーノックは学校に行っていない。
    その代わりに知らない人のお葬式に参列するのが日課だ。
    あるお葬式で出逢ったちょっと風変わりな女の子、アナベルと仲良くなる。ダーウィンを尊敬していて昆虫や鳥が大好きな彼女は脳腫瘍を患っていて、余命3ヶ月だった...。

    またかよ、と思ったあなたは物語慣れしすぎですね(笑)こういう話はフィクションにありふれていて、辟易しがち。かくいう私も苦手なタイプなお話。悲しいに決まってんじゃん、盛り上がるに決まってんじゃん。でもこの映画はやり過ぎ、あざとさが見えなくて、淡々と撮られているところが良かった。アナベルは子供の頃から病院にいて、死が身近だからか、自分の死にも無頓着で家族がちょっと引くような冗談をあっけらかんと飛ばす。

    このアナベルを演じたミア・ワシコウスカがキュート過ぎ。豊富に出てくるおしゃれな洋服を着こなす姿(特にハロウィーンの時のなんちゃってキモノ姿には悶絶)から目が離せない。対するイーノックを演じたのはデニス・ホッパーの愛息ヘンリー・ホッパー。たまにエディ・レッドメンに似てるかも。惚れ惚れする美形。そしてイーノックだけに見える日本兵の幽霊を驚くべきナチュラルさで加瀬亮が演じている。

    全編を死の影が覆っていて、登場人物達はマイナスな感情にも囚われる。でもこじんまりした可愛らしさの方が印象に残った。

  • 残された時間を
    しあわせに
    生きた

  • ずっとたのしみにしていたけど、期待を裏切らない きれいでささやかな映画だった
    死にとらわれながら生きてる人たちは儚くてうつくしい
    全然うさんくさくなかった モチーフとされているものがすべてうつくしい

    ラブストーリーはあまり好きじゃなくて嫌煙しがちだけど
    この作品にかぎっては本当に好きだ
    今までにみたラブストーリーのなかでも、
    今までにみたガスヴァンサントの映画のなかでも一番好きかもしれないと思った

    地元の劇場には公開初日なのにたぶん10人くらいしかいなかった

    ヒロシがスーツででてきたとき思わずないてしまった
    エンドロールのとき私以外の誰かが鼻をすする音が2,3人分きこえた

    アナベルの髪型ほんとにかわいい
    まねしたところでだめなのわかってるけどまねしたい
    むりだとわかっているけど映画のような生きかたがしたい
    静かで穏やかに生きていきたい
    ひんやりとした世界であたたかさにふれてみたい

    おもいだすだけで胸がいっぱいになる
    ハーモニーコリンのミスターロンリーをみたあととおなじかんじだ
    DVDになったら、またなんどでもみたい
    私はこの映画が本当に好きな人と散歩でもしてみたい

  • あることがきっかけで、高校にも行かず赤の他人の葬式への潜入を繰り返すイーノック。彼の唯一の友達は、彼にしか見えない神風特攻隊の兵士の幽霊・ヒロシだった。
    そんなイーノックに突然少女が話しかけてきたことで、彼の世界が変わり始める。

    よくあるセカチュー的青春物語なのだが、ガス・ヴァン・サントらしいキャスティングチョイス(主役の少年少女二人がとにかく絵になる!めちゃくちゃ美しい!)と綺麗な絵作り、そして特攻隊員の幽霊というなかなか珍しい設定によって、個性的な作品に仕上がっていた。
    普通「他人の葬式めぐりをする少年」って言ったらキモい(もしくはキモいを通り越して本気で気味が悪い)んだけど、ヘンリー・ホッパーがやるとなぜか許せてしまう。やっぱりイケメンは得だ。(でもってヘンリー・ホッパーがデニス・ホッパーの息子だなんて知らなった!!)

    特攻隊員ヒロシを演じた加瀬亮は、英語がかなりうまい。ネイティブとはいかないにしろ、恐らくノンネイティブとしては最高レベルの発音&イントネーションで、間違いなく渡辺謙よりは上手い。
    今回の役は自力でつかんだのかもしれないし、もしかしたら「硫黄島からの手紙」の流れでオファーがあったのかもしれないけど、味のある役者さんだからハリウッドでも活躍してみてほしい。

  • 両親を同時に亡くし、自分も臨死体験をした若者、余命3カ月の少女、特攻隊で命を落とした青年。三者三様に死と言うものに向き合っている。悲しいラブストーリーでは、ありますが、お涙頂戴というムードはありません。最後の青年の笑顔に救われたような気がします。ヘンリー・ホッパーは、何となくお父さんの面影があります。私生活には問題があるようですが、主演の女性はショートカットが似合ってます。透明感があります。加瀬亮さんも熱演しています。90分と言う時間も丁度いい感じです。

  • ガスヴァンサント監督作品らしく、可愛らしくて品のある美しさが存分に出ていていい作品です。

    少女は死にいたる病で余命幾ばくか…早晩訪れる死を受け入れようと戦いながらも普通に生きていれば手に入れたであろう未来を夢見ながら生きていた。愛する人を手に入れたことで絶望に苛まれずに残された時を懸命に生きた。

    少年は交通事故で昏睡。目覚めた時、両親はすでにおらず一人っきり…愛してくれた両親の告別式すら立ち会えず、生き残ったことを悔やみ、自暴自棄になっていた。
    そんな二人が不謹慎なゲームの最中出会った。

    死に向き合いながらも懸命に生きている彼女との時間。そこから生きる喜びや大切さを学び、死は人生の一部であることを受け入れて成長していく少年。そして別れ…とても優しい顔だったけれどちょっと複雑な表情のラストはとてもいい。印象的だった。彼にはまた少し時間が必要になるかもしれないけれど今度は自分の意思で立ち上がるだろうって思えます。

    ミアワシコウシカ可愛かったです。「アリス」も「笑う分身」も「マップトウスターズ」も、どうもパッとしない彼女でしたけど本作は良かったです。キュートで繊細でいて、中学生じゃないだろうってくらいのオシャレさんででした。女子力の高さハンパない感じにグッときます。グィネスパルトローみたいでしたね。「姉妹か?」と言われたら「そうだよ」って答えたいです(笑)

    加瀬亮さんがいい助言者役で出てました。スパイスとしては塩ですね。幽霊なんであくまでも負の要素ですからね。入れ過ぎると食えなくなっちゃうけど入ってないと味にキレがない…みたいなね。本作のなくてはならない隠し味として機能してましたね。でも何故、カミカゼ特攻隊員…だったんだろう。その辺の監督の意図が知りたいです。

    自分の寿命を知った上で、水鳥がどうとかダーウィンがどうとか自分の向学心や興味を持ち続けていられる彼女に凛とした強さを感じました。泣いて喚いて嘆いてなんてとやり尽くしてしまった後だったのかもしれないですね。ジブリの「風立ちぬ」で主人公の奥さんだった方にも同じ様な品格みたいなものを感じるなぁ〜って思いました。

    姉さんも叔母さんも先生も警備員さんも無力感をヒシヒシと感じさせました。
    ラブラブの2人のキスシーンがとても甘くて、初々しさが眩しかったです。いいなぁ〜(*_*)俺ももう一回でいいからああいう瞬間を味わってみたいです。

  • 全編穏やかで可愛くてすてきな映画だった。二人とも寝癖がついたままみたいなぽわぽわした頭であの清潔感。女の子の口を開けない笑い方と音楽。日本兵もいいアクセントになってた。

    「3ヶ月あればなんだってできる」って、本当はそんなことないんだけど、なんだかうれしかった。

  • 自動車事故に合い両親を失うもひとり昏睡状態から目覚めたイーノック(孤児となり生き残った人)、病で死が間近に迫るアナベル(死にゆく人)、日本人特攻隊員の亡霊(すでに死んでいる人)という若い3人が交流する話。3人に共通するのは若いことと、死が何かを知っているもしくは知りたいと願っていること。奇妙な背景を持つお話。

  • RESTLESS
    2011年 アメリカ
    監督:ガス・ヴァン・サント
    出演:ヘンリー・ホッパー/ミア・ワシコウスカ/加瀬亮

    日本から加瀬亮が出演したことでも話題になった映画。日本語タイトルにセンスがないのが残念ですが、内容はとっても良かったです。多分この監督の作品の中でも、最もファンタスティックで、最もほのぼのした優しい映画だったと思う。

    加瀬亮は、戦死した日本兵のユウレイ役で、佇まいがまんま硫黄島(笑)。なぜユウレイの設定があえて特攻で死んだ日本兵だったのかは謎ですが、すごく良い味を出してました。主演の二人も大層可愛らしく(ヘンリーホッパーってデニスホッパーの息子なんですね。繊細そうなイケメンでした。ミアはティムのアリスの子)好感度大。

    余命3ヶ月の恋人、という設定が、ありがちな「死ぬまでにしたい○○なこと」にも「世界の中心で愛を叫ぶ」にもならず、ひたすらハッピー(と言い切るのは語弊あるかもだけど)だったのは、むしろ「私の中のあなた」を彷彿とさせられます。死に囚われていた少年が、恋人の死によって生きる希望を見出すという皮肉が、皮肉でなくひたすらポジティブに感じられるのが素晴らしい。
    (2012.04.16)

  • 最後のシーンの、あの表情がいろんなものを語っていた。
    だから、ラストシーンに言葉はいらなかったんだろうと思う。

    「死」がテーマなんだけど、いろんな「生」が煌めく作品だった。

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