NHKにようこそ！(1) (角川コミックス・エース) [Kindle]

著者 : 滝本竜彦 大岩ケンヂ

• KADOKAWA (2006年11月1日発売)

感想・レビュー・書評

[こももももももさんの感想 · 2024年1月5日]

高校生の頃に読んで、社会人になって読み直した。

引きこもりと、引きこもりを救うプロジェクトを遂行したいJK（不登校）
引きこもり佐藤くんの「頑張りたい！立派になりたい！でも現実はうまくいかない、怖い、言い訳ばかりしてしまう…いや、頑張りたい！」という躁鬱のようなループ、刺さらない人はいないのではないだろうか？
誰でも人からよく思われたいし、時には見栄っ張りな嘘をつきたくなることもある。
この作品の登場人物たちは痛々しいほどにその特徴が顕著であるため、共感性羞恥に苦しむことが多々あるが、共感できるということは自分の中にもその因子があるということだ。
自分の中に眠っている「頑張りたい！」という気持ちが引っ張り出されるので、自分としてはこの漫画を読むと人生のやる気が出る（笑）
佐藤くんも戦ってるのに、自分は戦わないのか？と…

不登校女子高生岬ちゃんの狙いは、
・弱い人を救済することによる自己肯定感上昇
・幸せな環境（大好きな恋人がいる状態）を自ら捨てることによって傷つき、これ以上傷つかないようにすること

岬ちゃんが委員長兄を「救済」した後、佐藤くんが近くにいることに気づかなければそのまま体の関係を持って恋人関係になってそれを捨てる、をしたかったのかもしれないが、佐藤くんを好きだったからその一歩が出なかったのかな。

ギャグマンガの色が強いので、ツッコミどころは多々あるが（なんで取り壊し工事の建物に何回もバレずに出入りできるのか、等）、複数作品展開していく本作品を知るには軽く手を出せていいのではないか？？

[花園さんの感想 · 2023年9月16日]

※このレビューでは全8巻を纏めて扱っています。

　全員異常者アウトレイジ。

　日本ひきこもり協会。
　ひきこもりの男がさまざまな人との関わりあいの中で紆余曲折と山あり谷ありを経る奮起の物語。
　なお、各登場人物は統合失調症や演技性パーソナリティ障害等の精神疾患に関連する属性であるとされており、情緒が著しく上下しています。

　ヒロインである中原岬はとても可愛いですし、最初の印象はとてもよろしいです。しかしながら、ストーリーが展開していくにつれて納得の場所に収まりました。この感じ、近頃に覚えがありすぎる。
　絵柄大好き。
　なんやかんやで最終的に、自分と向き合うって大事ですよね。いやほんとマジで。ガチやねん。ねえ。

　ひきこもりや嘘つきの人にお薦めする作品です。
　このレビューは、友人のお気に入り作品ということで興味を持ち、読んだ後に書かれました。

著者プロフィール

2001年、第５回角川学園小説大賞特別賞を受賞した『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』でデビュー。その後『NHKにようこそ！』でブレイク。他著作に『超人計画』『ムーの少年』『ライト・ノベル』など。「後ろ向きに青春を駆け抜けろ」をキャッチフレーズに、「ひきこもり世代のトップランナー」として一世を風靡する。

「2021年 『異世界ナンパ 無職ひきこもりのオレがスキルを駆使して猫人間や深宇宙ドラゴンに声をかけてみました』 で使われていた紹介文から引用しています。」