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感想・レビュー・書評
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離婚後、高校生の息子と二人で暮らす佐知子。元夫安西の再婚相手亜沙実の娘、冬子を恋慕している犀田と関係を持つが、その後息子の文彦が失踪し、犀田が轢死する。犀田は何者かに突き落とされたらしく、直前まで一緒にいた冬子が疑われる。文彦の行方を追ううちに、佐知子は冬子と文彦が接触していたのではと疑念を持ち始め……
『ユリゴコロ』に続き、著者の2作目。これがデビュー作。率直に言ってしまうと、複雑な人間関係にも関わらず、描写がダラダラしている気がして、中盤くらいまで読むのがつらかった。数ページで引き込まれた『ユリゴコロ』とだいぶ違ったので戸惑う。
ミステリと言っていいのだろうか、犀田を誰が殺したのかという謎が確かにあるのだが、壮絶な過去を持つ亜沙実という女の前で、そんなものが小さく感じてしまった。
そして不幸な意味で蠱惑的な亜沙実に自らを差し出し消耗する男たち。それを知った佐知子の絶望と諦念。こんなことがあったにも関わらず、関係を断てないというか、断たないのか。佐知子のことが理解できない。
言ってしまうと登場人物の誰にも感情移入出来ないのだが、それでもグイグイ読ませてしまう筆力(謎の置き方?)はさすがというべきか。ただ、全てを亜沙実に起因させ、彼女が恐ろしいほどに魅力的だったから仕方がないという終わり方はいかがなものだろうか。とモヤモヤしたものが残る読後感だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これだけでファンになった。とにかく長い、大パノラマで、最後まで飽きない。
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一言で記すなら、気持ち悪い。悪い意味ではない。
複雑な人間関係と心理描写でおいそれとレビューは書けない。
冒頭は物語に入り難さを感じて何度も本を閉じたが、ストーリーが展開する毎に引き込まれていく。 -
ひとり息子の失踪。愛人の死。別れた夫の義娘の自殺。
すべてはひとりの女性に由来した・・
「男を狂犬にする」女の存在。
その人に罪はないのかもしれないけれど
やはり許すことはできないと個人的には思う。
主人公の女性は寛容すぎでは?(笑) -
ごちゃごちゃと関わりすぎていたのと、
設定に無理があるような感じが…。
読み終えても気づかなかったけれども、
2012年にも読んでいたみたい。
読んでる途中にも 全然 気づかなかった。
印象的な話の気がするけど、
記憶に残るほどの作品ではなかったみたい。 -
人の皮を一枚一枚丁寧に剥がして、誰もが隠したいどろどろとした部分をそっと空気に触れさせるような作品。
著者プロフィール
沼田まほかるの作品






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