- Amazon.co.jp ・電子書籍 (391ページ)
感想・レビュー・書評
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あとがきで知ったのだが、作者の沼田まほかる先生が本書を書いたのは奇しくも今の私と同じ50代とのこと。しかも、初稿で。
ちょうど実家に帰省する忙しいタイミングで読み始めてしまったにも関わらず、途中で止められなくなる筆致でした。
どちらかというと息子より元夫に自分自身でも逆らえない執着心があり、序盤から差し挟まれる過去の元夫の描写。
そんな彼女の息子がある夜、ゴミを出しに行ったまま帰らなくなる。
今更かよとつっこみたくなりながら、息子の幻影を追い求めながら、周囲を巻き込んで見つけ出そうとする。
私も離婚歴があり、息子も娘もいるが、元夫をこんな風に思い出したりすることがなかったので『何をやってるんだ』とイライラしながらも続きが気になる。そして、登場人物それぞれに主人公とは違う感情で心配になるという具合でページを捲る手を止められなくなるという小説でした。
結末は、分かり易い伏線あったなと思いつつ、どこかでそれを主人公同様に拒んでいたのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
離婚後、高校生の息子と二人で暮らす佐知子。元夫安西の再婚相手亜沙実の娘、冬子を恋慕している犀田と関係を持つが、その後息子の文彦が失踪し、犀田が轢死する。犀田は何者かに突き落とされたらしく、直前まで一緒にいた冬子が疑われる。文彦の行方を追ううちに、佐知子は冬子と文彦が接触していたのではと疑念を持ち始め……
『ユリゴコロ』に続き、著者の2作目。これがデビュー作。率直に言ってしまうと、複雑な人間関係にも関わらず、描写がダラダラしている気がして、中盤くらいまで読むのがつらかった。数ページで引き込まれた『ユリゴコロ』とだいぶ違ったので戸惑う。
ミステリと言っていいのだろうか、犀田を誰が殺したのかという謎が確かにあるのだが、壮絶な過去を持つ亜沙実という女の前で、そんなものが小さく感じてしまった。
そして不幸な意味で蠱惑的な亜沙実に自らを差し出し消耗する男たち。それを知った佐知子の絶望と諦念。こんなことがあったにも関わらず、関係を断てないというか、断たないのか。佐知子のことが理解できない。
言ってしまうと登場人物の誰にも感情移入出来ないのだが、それでもグイグイ読ませてしまう筆力(謎の置き方?)はさすがというべきか。ただ、全てを亜沙実に起因させ、彼女が恐ろしいほどに魅力的だったから仕方がないという終わり方はいかがなものだろうか。とモヤモヤしたものが残る読後感だった。 -
これだけでファンになった。とにかく長い、大パノラマで、最後まで飽きない。
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一言で記すなら、気持ち悪い。悪い意味ではない。
複雑な人間関係と心理描写でおいそれとレビューは書けない。
冒頭は物語に入り難さを感じて何度も本を閉じたが、ストーリーが展開する毎に引き込まれていく。 -
失踪した息子を探すうちに、様々なことが明らかになっていく。そういう内容だけなら結構好きな展開。でも登場人物たちの事情が複雑で重すぎる。読むに耐えない内容もあるけど、読めてしまうのは文章のうまさがあるからか。
なんでこんな場面を入れるのかって思ったけど、そういう凌辱されるような描写があるからこそ、登場人物の魅力が浮き出ているんだと思う。
服部というおじさんの主人公(女性)に対するズケズケ感が物語の暗さを中和していた。主人公のエプロンを当たり前のように着ているところとか個人的に好き。 -
すっっっっっっっっっっごい嫌いだった。こういうものを物語として書こう、売ろうという人間が存在することが嫌。
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9月になったので、題に惹かれて読んだのだけど独特の陰鬱な雰囲気で息が詰まりそうだった、でもどこか開放的(解放的)な感じ。
ユリゴコロの作者さんと知って納得。
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ひとり息子の失踪。愛人の死。別れた夫の義娘の自殺。
すべてはひとりの女性に由来した・・
「男を狂犬にする」女の存在。
その人に罪はないのかもしれないけれど
やはり許すことはできないと個人的には思う。
主人公の女性は寛容すぎでは?(笑) -
ごちゃごちゃと関わりすぎていたのと、
設定に無理があるような感じが…。
読み終えても気づかなかったけれども、
2012年にも読んでいたみたい。
読んでる途中にも 全然 気づかなかった。
印象的な話の気がするけど、
記憶に残るほどの作品ではなかったみたい。