ゴールデンスランバー [Kindle]

著者 :
  • 新潮社
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感想・レビュー・書評

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  • 執筆熱が高まれば、読書量が減る。
    そんなことが地でいった、2021年。
    好きな作家は数あれど、影響を受けた作家を訊ねられたら、間違いなく挙げる作家は伊坂幸太郎さんだろう。

    この作品は、ジョン・F・ケネディ元大統領の暗殺事件をベースに描かれ、ビートルズの曲名が当てられている。
    謂れなき首相暗殺の嫌疑をかけられた主人公は、市内のいたるところにカメラを設置させら監視社会のなかで、いかに行動をとるか考える。

    700ページ近い大作で、最後にあのように締め括る展開には驚かされるが、同時に深く才能に嫉妬する。
    正直に申し上げますが、しばらく鳥肌がおさまりませんでした。

  • 巨大ななにかの力によって首相暗殺犯に仕立てられ、逃げ回る主人公を描いた作品です。

    絶望的な状況の中で、彼はやっていないと信じて疑わない仲間たちがいて、そんな人たちの協力や信頼のもとで生きていくというお話。

    堺雅人さん、竹内結子さんが主演で映画化もされています。

    スリル満点のハリウッド的な小説です。

  • あまりに突拍子もないので、途中で全部夢でした!って言われたらどうしよう…と思いつつ楽しく読了。
    オヤジギャグが散りばめられており、面白いやら呆れるやら…
    やはり、人間は信用第一ですね!

  • 首相暗殺事件の容疑をかけられ、とにかく逃げ回る主人公を描いた小説。ケネディ暗殺事件がモデルになっており、正体不明の闇の組織があらゆる手段で主人公を犯人として仕立てあげる。スリリングな逃走劇で、読んでいる内に自然と引き込まれてしまう魅力のある小説。

  • ありえそうで怖い話。さすが井坂さんっていうお話。

  • 第4部 事件
    「…『ゴールデン・スランバー』をさ、さっきおまえが寝てる間、ずっと口ずさんでいたんだ」
    「子守歌だからか?」直訳すれば、黄金のまどろみ、…」
    「出だし、覚えてるか?」と森田森吾は言った後で、冒頭部分を口ずさんだ。「One there was a way to get back homeward」
    「昔は故郷へ続く道があった、そういう意味合いだっけ?」

    車を飛び出し、ドアを閉め、背後を振り返る。制服姿の警察官が二人立っていた。

    「そのまま、動くな」警察官は銃を抜いた。…
    「オズワルド」森田森吾の声が、頭に響く。「おまえ、オズワルドにされるぞ」

    第5部 事件から3カ月後
    「お母さんが、これ、押してあげなさいって」と彼女が言うと、ぼうっと突っ立ている青柳雅春の左手、甲の部分に持っていた印鑑を押した。スタンプのようだった。

    左手を見下ろすと判子が押されていた。可愛らしい花のマークで、真ん中に、「たいへんよくできました」と文字がある。…
    少女が消えていった方角をもう一度見た後で、その左手を口に近づけ、早く乾くようにと、ふうふう息をかけた。
    (終わり)

    真犯人がみごとに捕まり、ハッピーエンドの話ではないが、最後はほっとした気分。
    よくまもま、ここまで点をつなげて話ができるなあと感心。逃走の最後の方で、花火が打ちあがる場面は、ワクワクした。

  • 国家の謀略により犯人に仕立てあげられる青柳。警察やメディアの恐ろしさに辟易しつつ、それにどう抗っていくか先の展開にハラハラしながら楽しむことが出来ました。

    例によって伏線の回収の仕方が秀逸なゆえ、登場人物達がどう関わっていたかもう一度読み直してみようと思います。

  • 伊坂幸太郎さんの作品で言うと、心に響いたと言うか読んで良かったなという気持ちで言えば「オーデュボンの祈り」や「重力ピエロ」の方が上ですが、単純に物語として面白かった!

    特にラストのシーンは全てが報われた感じでめっちゃ感動した♪あの結末が僕の中でベストかと言われるとそうでも無いけど、何を幸せと感じるかは人によって様々だし、彼らにとってはやっぱりあの終わり方がベストだったんだなと思える作品でした☆「オーデュボンの祈り」や「重力ピエロ」は好みに分かれるかも知れないけど、この作品は間違いなく万人におススメ出来る作品です♪

    ちなみに、青柳が樋口に振られた理由が何か悲しかった…。相手に気を使いすぎるのが良くなかったという事は分かってるんだけど、別に無理してそういう行動を取ってる訳じゃなく自分がそうしたいからだと思うんだけど…。と言いつつ、樋口の立場に立って考えてみると、常に気を使われているというのは申し訳ない気持ちになってしまうのかも知れないなとも思うし、相手の事を思いやる気持ちはもちろん大事だけど、自分ばかり与えようとするのではなく、相手も自分に何かを与えていると実感出来るよう配慮する事が大事なんだろうなと思いました☆

  • ・フィクションだが、あり得るかもポイントとあり得ないでしょポイントがいいバランスでサクッと読める
    ・大学生の青春、社会人生活の現実、サスペンスなど普遍的なものを扱っていて、色あせない面白さがある
    ・これで終わり 的な感じもあるが、案外最高のラストなのかもしれない
    ・映画も名作なので、比較するのも面白い

  • めちゃくちゃ面白い。こんなにドキドキハラハラしながら本を読むのはいつぶりだるろうか。巨大な謎の存在に貶められ、主人公がさまざまなトラブルに巻き込まれながらも、周りの友人・家族などわずかな信頼できる人たちが助けてくれ、くじけそうになりながらも立ち向かっていく。それが色々な人の視点で描かれていて面白かった。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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