暴力団(新潮新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 雑誌記者などとして長年、暴力団を取材してきた溝口敦さんによる、「優しい言葉使いの初心者向きの、暴力団とは?という入門書」。
    なんだけど、筆者によると、「自分の暴力団取材の集大成」とのこと。
    2011年にベストセラーになったらしい。

    確かに、分かりやすいですね。
    暴力団の人ってどうやって食べるんだろう、そして、今後どうなるんだろう、というあたりが分かりますね。

    長年暴力団取材をしてきただけあって、冷静に分析していて、一概に暴力団を感情的に悪者にはしていませんね。
    でも終盤、「おっといかんいかん」という感じで、「でももちろん、良くないんだよ、暴力団は」と熱弁しているあたりの、筆者の人間味は可愛いと思いました。
    理性じゃない部分で、暴力団という仕組みと、その中の何人かの人々に、愛着あるんだろうなあ。

    それでも、山口関係の著作で、何者かに背中を刺されたりしているらしいので。まあそのこともちゃんと本書内でアピールしているところが、逞しいフリージャーナリストらしいなって感じですが・・・。
     入門的分析解説書ながら、そこそこ腰が座った内容だと思います。

    内容備忘録で言うと、下記な感じか。

    ●広域指定暴力団の一覧。

    ●日本の暴力団は、半分社会に堂々と存在を晒しているのが特殊。

    ●日本の暴力団は上納金システムである。また、入りやすく出にくい。

    ●年々、法律が厳しくなって、また、不景気のおかげでシノギも細くなる。今や先細りの産業である。

    ●それでも例えば、廃棄物商売など、21世紀ならではのシノギもある。

    ●一方で警察と共存してきた部分がある。警察も、暴力団がいるから、楽に仕事をこなせた。

    ●今は、「半グレ」とでも呼ぶべき、犯罪集団が、振り込め詐欺などを中心に勢力を増している。

    といったあたりか。

  •  山口組をはじめ多くの暴力団を取材した著者が、比較的初心者向けに書いたと思われる暴力団の入門書。一度は刺されたこともあるそうで、決して任侠などと美化することなく、丁寧な語り口で暴力団の実態を解説している。

     かなり短期間で続編が出版されたのは、その頃に自治体の暴力団排除条例が全国で施行されて暴力団の活動状況が急変したことが理由のようだ。端的にいえば暴力団員が生きていけないシステムが確立されたわけだが、そうは言っても彼らも生きるために必死であり、結果的にむしろコントロールが効かない危険な状態になってしまったことが指摘されている。

     著者の主張はシンプルで、もう暴力団は無くさなければいけないということだ。これほど暴力団にインタビューなどして、顔も名前も知られながらそういう主張をし続けるのは相当に根性が必要だろう。ジャーナリストとはかくあるべしという見本かもしれない。

  • 暴力団という組織についての勉強。

  • 体を張っての取材に基づく内容は非常に説得力がある。注目すべきは、諸外国のマフィア等への対処に比べ、日本は暴力団に甘い、という記述である。その根幹は、暴力団がなくなると、それを取り締まる警察のマル暴の存在意義がなくなるから、という酷い話である。日本らしい理屈であるけれど。
    薬物の蔓延が暴力団のシノギによるものであるだけでも、十分に排除に値するだろう。

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著者プロフィール

ノンフィクション作家。ジャーナリスト。1942年、東京都に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒業。2003年『食肉の帝王』(講談社)にて、第25回講談社ノンフィクション賞を受賞。暴力団取材の第一人者として知られるハード・ノンフィクションの巨匠。

「2018年 『シャブ屋の懺悔 西成密売四十年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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