ストーリーとしての競争戦略 Hitotsubashi Business Review Books [Kindle]

著者 :
  • 東洋経済新報社
4.32
  • (18)
  • (13)
  • (6)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 144
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (558ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 単発のビジネスモデルでは競争優位を築けず、「こうすると、こうなる。そうなれば、これが可能になる」というストーリー、つまり時間展開を含んだ因果論理こそが競争の模倣を困難にすると説き、スターバックスやアマゾン、セブンイレブンなどさまざまな事例を読み解いていく。

    ・戦略の本質は差別化と文脈依存
    この本で言うストーリーとは、個々の要素を結びつけ、戦略を説明すること。また戦略の流れを指す。

    アクションリストの列挙ではダメで、それを繋げなければならない。
    戦略に法則はあり得ない。差別化も他社がいて成り立つ、それは文脈依存だから。
    フレームワークのみの戦略、ベストプラクティスも文脈依存。時代や環境も文脈と言える。

    ・システム的な差別化は模倣困難
    なぜ?だけでなく、いつ?どこで?を含めるのもストーリーを考える上で重要。
    欧米組織は機能分化で、日本組織は価値分化。外部組織に提供する価値に重きを置く。

    ・競争戦略(特定事業)と全社戦略
    競争戦略のポイントは、対象範囲、目的、利益の源泉
    この本は競争戦略が対象。競争戦略で重要な指標は「長期に渡って持続可能な利益」。シェアだけ見ても利益が出ていなければ意味がない。

    利益の伸び代はどこの業界に身を置くかで決まる。
    業界評価はファイブフォース分析。
    競合、参入障壁、代替品、供給者と買い手

    ・差別化を行わなければ完全競争に陥り、利益は出ない。
    差別化には程度の違いと種類の違いがある。

    一つはStrategic Positioning つまり、選択と集中。程度の追求はOperational Effectiveness と呼ばれ、模倣容易
    ポーターの戦略論は、一貫してポジショニングの考え方が根底にある。SPがあってのOE。

    もう一つはOrganizational Capability
    組織内で差別化した能力を持つということ。 Resourced Based Viewの理論が該当。
    数多くある資源の中でFirm specificity なものが該当。そして模倣困難性の高いものでなければならない。それは結局、組織のルーティンである。例えばセブンイレブンの仮説検証型発注。

    模倣困難である理由は行為と利益の因果関係が不明であること、経路依存性(Path dependency)、つまり歴史的に構築されたもの、OCそのものが進化するということ。
    SP/OCのマトリックスを。時間軸も取り入れよう。初めはSP、時間をかけてOCを。

    ・戦略ストーリーの5C
    Competitive Advantage
    Concept
    Components
    Critical Core
    Consistency

    利益の決め手は価値が大きいこと、コストが少ないこと、ニッチであること。ニッチは成長を求めてはいけない。何故なら成長市場になると他社が参入してくるから。

    ストーリーの一貫性の中には強さ、太さ、長さ、robustness, scope, expand ability

    コンセプトは誰に、何を、何で、どのようにして、の順
    誰に好かれるか、嫌われるかを明確に

    ・クリティカルコアの条件
    他の様々な構成要素と同時に多くの繋がりを持っている。それは構成要素のもととなる要素。
    一見して非合理に見える。それは他社が真似しようと思わないから。部分的に非合理で、全体的に合理的であれば良い。

    ・どうして模倣されても競争優位は続くか?
    模倣すれば不合理状態に落ち入り、より優位の状態が強化される仕組みになっている。これら合理的な戦略ではなく、一見不合理な戦略のためである。また、戦略の一部だけを模倣しても、その他のパスで繋がっている要因を同時に満たさなければ、一部だけ肥大化してうまくいかなくなる。

    ・Amazonの場合
    それはこういうストーリーだ。顧客にEコマースならでは、アマゾンならではのユニークな購買経験を提供する。そうするとトラフィックが増大する。人々がたくさんは訪れるサイトになれば、多くの売り手(出版社やメーカーなどの取引先)を引きつける。そうするとセレクションが充実する。これが顧客の経験をさらに充実させ、トラフィックを上げる・・・という好循環の論理だ。

  • 名前

    ・今の自分の課題(具体的に!)


    ・本から学んだ解決方法


    ・今日からの行動を、どのように変えるか。

    ----

    倉本

    ・今の自分の課題(具体的に!)

    「大義」は?「(主に販売)ストーリー」は?と良くいただくが、「大義」とは、「ストーリー」とは何かが理解・言語化できていない。

    ・本から学んだ解決方法

    ストーリーは動画であり、問題を構成要素に分解し、一つ一つの要素を吟味して検討することを分析ことは静止画に近い。その羅列になった戦略は意味がない。
    論理が重要。理屈で説明できないことが現実の戦略には起こるが、構成要素の因果論理をもって進める。whyが重要。
    戦略でいえば、「違いをつくって、つなげる」こと。
    重要なのは、アクション(タスク)リストだけにしてはいけなく、すべての要素を一連の流れに繋げることが大切。

    事業会社の目的はあくまでも利益追求につきる。それも短期ではなく5年10年を見据えた持続的な利益の追求。

    また、大義についても、競争優位性(内側の理屈)+コンセプト(本当のところ、だれに何を売っているのか=本質的な顧客価値の提示)。ここが重要。

    ・今日からの行動を、どのように変えるか。

    まずは競合情報を日報や代理店と連携して収集し、意図する競争優位のあり方(勝ち方)を考える。
    そのうえで、エンの強みを踏まえてコンセプトを作る。
    そこに何を(概要=what)とどうやって(how)を考えて壁当てをしていく。

    ——————
    ・木積
    ・今の自分の課題(具体的に!)
    考えが箇条書きになっており、ストーリーになっていない

    ・本から学んだ解決方法
    「静止画の連続」ではなく「動画」にすることで繋がりをみせる。
    差別化要素を考え尽くしても、一貫したストーリーが建てられていないといけない。

    骨法が難しいながら勉強になりました。
    一 エンディングから考える
    二 普通の人々の本性を直視する
    三 悲観主義で論理を詰める
    四 物事が起こる順序にこだわる
    五 過去から未来を構想する
    六 失敗を避けようとしない
    七 賢者の盲点を突く
    八 競合他社に対してオープンに構える
    九 抽象化で本質を掴む
    十 思わず人に話したくなる話をする

    ・今日からの行動を、どのように変えるか。
    実行に関わる人々の動きにリアルなイメージを持って考える。
    エキスポの後追いレポートで、わかりやすいストーリーになるように計画をつくる。

  • kindleの月替セールにて購入

  • やっぱ面白い。期待を裏切らない。

  • 直営方式の合理性は、ストーリー全体の中に置いてみなければ、絶対に理解できません。ストーリーの筋の流れの中に位置づけて初めて、これまでお話ししてきたような直営方式の必要性と重要性が見えてくるのです。つまり、「それだけでは一見して非合理だけれども、ストーリー全体の文脈に位置づけると強力な合理性を持っている」という二面性、ここにこそクリティカル・コアの本質があります。

    コンセプトは判断に迷ったり、行き詰ったときに、常に立ち戻ることができる何かでなくてはなりません。そこに立ち戻れば、迷いが解消し、決断に向けて背中を押してくれるのがコンセプトです。

    ポイントは、賞賛されるときもこき下ろされるときも、アマゾンの戦略は基本的に同じストーリーで一貫していた

    戦略ストーリーは、それにかかわる人々を「明るく疲れさせる」ためのもの

  • 5年前にも読んだが、今回、新たな気付きがあった。

  • ポーターの競争戦略をベースにした、経営戦略の書籍。ポジショニング、差別化要素を考え尽くしても、一貫したストーリーが建てられていないといけないというのが要旨。

    最後にある、戦略ストーリーの骨法十ヶ条が参考になる。
    一 エンディングから考える
    二 普通の人々の本性を直視する
    三 悲観主義で論理を詰める
    四 物事が起こる順序にこだわる
    五 過去から未来を構想する
    六 失敗を避けようとしない
    七 賢者の盲点を突く
    八 競合他社に対してオープンに構える
    九 抽象化で本質を掴む
    十 思わず人に話したくなる話をする

  • 第1章 戦略は「ストーリー」

    第2章 競争戦略の基本論理

    第3章 静止画から動画へ

    第4章 始まりはコンセプト

    第5章 「キラーパス」を組み込む

    第6章 戦略ストーリーを読解する

    第7章 戦略ストーリーの「骨法10カ条」

  • 戦略というものを身近にしてくれる内容。ストーリーがなければ戦略とは言えないということが腑に落ちる。

    ・賢者の盲点をつく。非合理を全体の合理化に転嫁する。他社と違った良いことをやる、これが戦略の醍醐味。キラーパスとなる。

    ・戦略はエンディングから考える。競争優位性とコンセプトをはっきりイメージし、そこから逆回しで戦略を作ることで、一貫性のあるストーリーが生まれる。

    ・競争優位性とは、WTPを高めるか、コストを下げるか、無競争状態(ニッチ)に持ち込むか

    ・コンセプトは、誰に、何を、なぜ?が固めること。誰に愛される、誰に嫌われるかをはっきりイメージすることが大事。誰からも愛されることは、誰からも愛されないと同じ。その際、普通の人々の本性に注目する。本性であるから、今そこにある価値でなければ、将来になっても存在しない。

    ・一貫性の高いストーリーを作るためには、打ち手をばらばら箇条書きするだけでなく、その間にある因果関係を悲観主義で詰める必要がある。

    ・ストーリーには、物事の順序にこだわる。時間軸に沿った因果関係がないと、希望的観測になる。

    ・過去から未来を構想する。未来は過去からの連続的な進化の結果。

  • 非常に分かりやすかった。今見ると陳腐化しているストーリーもあったけど、うまくまとめられていると思う。ボリュームが多くて消化しきなかった部分もあるので、また読み返してみたい。

全15件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

一橋ビジネススクール教授。専攻は競争戦略。一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。一橋大学イノベーション研究センター助教授、ボッコーニ大学経営大学院(イタリア・ミラノ)客員教授などを経て、2010年から現職。著書に『ストーリーとしての競争戦略』(東洋経済新報社)、『経営センスの論理』(新潮新書)などがある。

「2018年 『世界を動かすイノベーターの条件 非常識に発想し、実現できるのはなぜか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ストーリーとしての競争戦略 Hitotsubashi Business Review Booksのその他の作品

楠木建の作品

外部サイトの商品情報・レビュー

ストーリーとしての競争戦略 Hitotsubashi Business Review Booksを本棚に登録しているひと

ツイートする