小説 Dear+ (ディアプラス) アキ 2012年 11月号 [雑誌]

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感想・レビュー・書評

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  • 読み応えがある作品が今回も揃っていました。粒揃い。一定のレベルは完璧にクリアしている作品ばかりで面白かったです。

    年に一度の特集号のテーマは“ひと目惚れ”。
    興味深かったのは、30人越えの作家さんへのミニアンケート。ひと目惚れの萌えシチュとかに皆様お答えになっていて、多かったのがひと目惚れしていざ付き合ってみたら相手が想像とまったく違ってた…というギャップ萌えでした。木原センセは「まったく相手にされなくてもんもんとする」シチュだそうで、いかにもな感じに受けまくりました。

    砂原糖子センセ「恋じゃないみたい」
    高校2年生の図書委員×華奢できれいな先輩。図書室で見かける清楚で見目麗しい雪野にひと目惚れしてしまった抱井。見ているだけで満足だったのに、悪友が勝手に仕掛けたラブレターから二人はあれよあれよという間にお付き合いする事に。
    戸惑いながらも喜ぶ抱井ですが、雪野は思っていたイメージとはまったく違っていて、ドン引きしながらも心ひかれずにはいられなくなります。
    ぶっとび天然ちゃんの雪野にキュンキュンしました。かわいくてHでほっとけません。抱井がいい年下攻め。
    クスッと笑えるコメディ仕立てですが、切なさを内包していて引き込まれます。小鳩めばるセンセのイラストがぴったりでした。

    久我有加センセ「恋の押し出し」
    これも笑えて胸キュン!関西弁がナチュラルで親しみ持てます。
    標準語×関西弁。しかも受の泉田は相撲部なので、マワシの下のきれいなお尻に注目。決してデブ専話ではありません!筋肉質ですっきりとした男前です。その泉田が稽古している姿を見て、真木が思わず鼻血出してしまったくだりで大爆笑しました。このイケメン男真木がめちゃくちゃ面白くて、憎めない攻です。何度も撃沈しますが、打たれ強くてへこたれません。男同士なんて、と思っていた泉田がほだされていくのもわかります。

    月村奎センセ「teenage blue」
    憧れの先輩の梶×父親の再婚で遅れてきた反抗期の真っ最中の凛太。梶の、誰にでも優しいのにどんなにモテても本命を作らない自由さに心惹かれる凛太です。梶が自分にだけ特別優しいと思えるのは、ただの勘違いかと思い悩む姿にきゅーんとさせられます。心理描写が繊細で上手いんですよね。凛太の家庭の事情もきっちり描かれていて、とても心に響きました。読後は心がほんわか優しくなりました。

    安西リカセンセ「好きって言いたい」
    デビュー後第1作目とのことですが、面白かったです。攻受どちらのキャラもとてもステキで魅力的でした。生真面目なイケメン新米銀行員×ゲイのレストランオーナー。和泉は男らしくて無骨な内田にひと目惚れします。いつもその場限りの関係を繰り返していた和泉にとって、この恋は大切なものとなります。それゆえ、過剰な期待や願望は内田には言えず、あれこれ遠慮してしまい、そのことがやがて誤解や疑惑になって悶々とするハメに。
    何てことはない展開ですが、とても印象に残る話です。萌えました。
    おおやかずみセンセのイラストがきれいで華を添えていました。

    桜木知沙子センセ「恋をひとかじり」
    北海道を舞台に高校生の秀成とリーマンの朋樹がバスの中でひと目惚れする話です。
    交流を深めるうちに朋樹は秀成に告白されるのですが、彼の将来を思うと素直になれなくて。ほっこりじんわりきます。Hシーンは単行本化で読めるんでしょうか。二人のその後がとても楽しみです。

    鳥谷しずセンセ「新世界恋愛革命」
    変態バンザイ!すごいフェチものです。パンストですよ、黒い花柄に穴をあけてイタシたいなんて!しかも刑事モノなのでアダルトでガタイのいいcpです。いけ好かない部下のエルフォードとひょんなことから「ゲイ友」になった真壁の災難がエロすぎでした。真壁は一見デキるクール眼鏡ですが、かなり乙女です。すごく面白かった。

    チャレンジスクールトップ賞「いちごと恋と大福」
    突然痙攣性発声障害をおこし、仕事も辞めて投げやりに日々を送っていた西沢をやさしく包み込んでくれたのは後輩だった倉持。
    彼は以前仕事でミスをした倉持を励ましてくれた事を今でも感謝していて、今度は自分が力になろうとしてきます。そんな彼にほだされながらも自分の不甲斐なさに自信をなくす西沢なのですが。
    これからが楽しみな作家さん。

    読み応えもあり、甲乙つけ難い良作揃いでした。満足。

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